黄泉津役所

浅井 ことは

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家族生活

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「お部屋できたー?僕の寝るところ……」

そういった後に風太的ダッシュで廊下に逃げたので窓を開ける。

「風太、俺の部屋で寝たらいいよ」

「う、うん」

「あ、風太。お前の首輪にこれ付けてもらえ」

渡されたのは薄いグリーンの鈴。

でも、闇之助の鈴もこの鈴もそんなにチリチリとなる訳ではない。

つけてあげると、「お外の香りがする」と中に入ってくる。

「志那から渡された。お前にはこのお守り型の鈴だ。ついでに俺のもつけておいたから、身につけておけ」

「自転車の鍵にでもつけるよ」

「身につけろ」

「志那さんの大きいから無理!」

「じゃあ守りは鍵とか鞄でいいから、その鈴は二つ……ちょっと貸せ」

渡すと二つつけて、透明の丸いもので覆われていて、首から下げておけと言われる。

「風呂の時とかは外すよ?」

「濡れても大丈夫だ」

まるで首輪代わりだ!

「さてと、晩飯何かな」

呑気に飯の心配ができる闇之助が別の意味ですごいと思うよ……

「ご飯できたわよ」と声がしたので降りていくと、風太はしっかりとケージの前でお座り。

「肉じゃがか」

「闇之助好きでしょう」

母さん、普通に闇之助って……

夕食は特に違和感もなく食べ終え、軽くお風呂に入ったあとに背中を見てもらう。

「痕が消えるまでは塗った方がいい」

軟膏を塗ってもらい、「河童って普段何してるの?」と聞くと「川さらい」と言われて笑う。

「大変らしいぞ?魚をとっていたら上流からゴミが流れてくるとか文句言ってたからな」

「そうだ。スイカも好きなの?」と二郎君が喜んでいたのを思い出して聞くと、「あいつらは瓜系のものやきゅうり、魚とかよく食べてる。後カボチャとかもだな」

きゅうりしか食べないと思っていたと言うと、それは信仰とかでそう思われているだけで、怖い話もあると言うので教えてもらうが、それらは全て伝説的な話であって、元々は友好的だという。

「相撲好きは確かだがな」

お辞儀をしてお皿の水がなくなると力が抜けるとか、調べて読んだことを聞くと「だから奴らは頭を下げる代わりに膝を曲げる」と教えてくれる。

「お辞儀しないの?」

「するにはするが、奴らも気をつけてるみたいだ」

「ふーん。河童も大変なんだね」

明日学校だから早く寝ると、また明日ねと言って部屋に戻り、すぐに爆睡。

「さてと、俺は俺の仕事でもするか……」
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