黄泉津役所

祭り

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「今日の祭りは夕方前に行きますからね。ほら、ちゃんと食べて」と祖母が庭で採れたオクラのおかか和えと卵焼き、何故かまたもや塩むすびと漬物になすの味噌汁という朝ごはん。

「祭りの時はおにぎり？」

「桃ちゃんが塩むすびと言うので」

「なにかあるのかな？」としっかり朝ごはん。

「お昼は軽くでいいよ。屋台で食べるし」

「たけちゃーん」

「どうしたの？」

「あのね、もも、お散歩行きたい」

「風太の？」

「うん。でもね、風太くんは、今日は行かないっていうのー」

「どうしたんだろう？聞いてくるよ」と頭をなでなで。

「風太、散歩行かないのか？」

「外が黒いの沢山いるからやだ」

「黒いのー？」

「さるたさまの神社行く道」

「桃ちゃんは何も言ってなかったよ？」

「あと、たかって人の匂い」

「闇之助呼んでくる」

今度は闇之助の質問と言うより尋問が始まり、聞いていた志那さんが「やめておきましょう。桃ちゃんはどちらかと言えば家を守る子です。少し外が騒がしい程度はあの子ならば容易く散らせるでしょうが、風太君はまだそこまでの力はありません」

「僕も強くなりたいなぁ」

「成犬になってからだな。仕方ない庭走れ」

桃ちゃんにも声をかけて庭で遊んでもらうことにし、塀から道を見るが何も見えないのに、闇之助と志那さんは沢山神社へと向かっているという。

「高の匂いはないな」

「風向きが変わってますし、夜まで待つしかありません」

二人はそう言っているが、もし……という最悪なことが頭をよぎる。

「あ、あのさぁ」

「なんだ？」

「神様って災厄も起こせるんだよね？」

「そういう神もいるにはいるが。少しいたずらをする程度のものから数えたら切りはない」

「うん……」

考えすぎかなぁ？と一旦リビングに行って、「かあさーん」とお金を千円札に両替してもらう。

「いくらバイトしてるからって、貯金もしなさいよ？」

「分かってる。毎月そんなに使わないし、いつもの本買ってるだけだから」

「あの人形も増えてたわよね？」

「いいじゃん。趣味なの！それに、年に一回か二回しか出ないから！」

コレクションだけは邪魔されたくない！

俺の好きな物コーナーは守らなければ！