36 / 103
奈良へ__
.
しおりを挟む
「奈良公園てとこ通るのかな?」
「通るんだろ?着いてから先に興福寺までタクシーで行くんじゃないのかよ」
「そうだけど、これ見てたら歩いて観光気分……はダメなのか。取り敢えず予定では昼前に着くから」
「俺だけ別で行ったらダメか?」
「だーめ!離れるなって言われてるじゃん。それに、改札怖いだけなんだから、この機会になれてよ」
「はぁぁぁ、あれはなんとなく嫌なんだ。純平には連絡取れたのか?」
「それがさー、LINEも返ってこないし、電話も出ないし。何してんだろ?連絡取れるように言われたばかりなのに」
「取り敢えず合流地点まで我慢するしかないか」
新幹線が名古屋を過ぎた頃に駅弁を開けて食べ、横で寝ていた迦具土にも早く食べるように言いながら起こし、京都駅から乗り換えて奈良まで向かうこと約一時間。
改札の度に青ざめたりホットしたりと、最近では初めてあった頃と全然違い表情がかなり豊かだ。
奈良駅に着くとまずはタクシーをと思ったが、置いてある大仏様に鹿の角が付いたご当地のキャラクターに目が止まる。
ついつい目が離せなくて見ていたら、「これはなんだ?」と迦具土が不思議そうに見ているので、各地にこのようなご当地キャラクターがいることを説明し、タクシーに乗って興福寺まで向かってもらう。
このタクシーの自動開閉にも迦具土は不満らしく、「人は楽することばかり考える」とブツブツといつもの小言を言っているが、便利なものに慣れてしまっている俺と、神である迦具土とではやはり感覚は違うのだろう。
敷地でお金を払い、先にお参りをしてから道真さんはどこだろうと見て周り、入口近くにあった建物の入口に着物姿の道真さんを見つける。
ちょっと待て?
パソコンで見た東大寺から春日大社はかなり歩くのに着物って……大丈夫なのかな?
「道真さん」
声を掛けると、こっちだと手招きするのでついて行き、入館料を払って中に入る。
昔の歴史物が沢山飾られていて、一番奥には天龍八部衆の像が飾ってあり、「この像だ」と連れられたのは、有名な阿修羅ではなく一番奥の小柄な迦楼羅像の前。
「鳥?」
「確か、インドだかどこだかからの神とかなんとか。やはり一夜漬けでは覚えられんな。この像は炎や病と色々と言われておる神の一つではあるのだが、この奈良の地でこの八部衆の力を借りたいと思うておる……と八意殿が言うておった」
「はぁ?」
まったくもって意味がわからない!
「ちょっと待ってくれ」
懐から紙を取り出して、何やらブツブツと唱えているのだが、いつも聞くお経とかでは無いのだけはわかる。
「ねぇ、迦具土。道真さんの姿ってみんなに見えてるんだよね?」
「見えてるな」
「ブツブツ言ってたら変な人だよね?辞めさせる?」
「いや、誰も気づいてないからいいだろう。それより、鈴を出せ」
「鈴?持ってきてはいるけど」
「通るんだろ?着いてから先に興福寺までタクシーで行くんじゃないのかよ」
「そうだけど、これ見てたら歩いて観光気分……はダメなのか。取り敢えず予定では昼前に着くから」
「俺だけ別で行ったらダメか?」
「だーめ!離れるなって言われてるじゃん。それに、改札怖いだけなんだから、この機会になれてよ」
「はぁぁぁ、あれはなんとなく嫌なんだ。純平には連絡取れたのか?」
「それがさー、LINEも返ってこないし、電話も出ないし。何してんだろ?連絡取れるように言われたばかりなのに」
「取り敢えず合流地点まで我慢するしかないか」
新幹線が名古屋を過ぎた頃に駅弁を開けて食べ、横で寝ていた迦具土にも早く食べるように言いながら起こし、京都駅から乗り換えて奈良まで向かうこと約一時間。
改札の度に青ざめたりホットしたりと、最近では初めてあった頃と全然違い表情がかなり豊かだ。
奈良駅に着くとまずはタクシーをと思ったが、置いてある大仏様に鹿の角が付いたご当地のキャラクターに目が止まる。
ついつい目が離せなくて見ていたら、「これはなんだ?」と迦具土が不思議そうに見ているので、各地にこのようなご当地キャラクターがいることを説明し、タクシーに乗って興福寺まで向かってもらう。
このタクシーの自動開閉にも迦具土は不満らしく、「人は楽することばかり考える」とブツブツといつもの小言を言っているが、便利なものに慣れてしまっている俺と、神である迦具土とではやはり感覚は違うのだろう。
敷地でお金を払い、先にお参りをしてから道真さんはどこだろうと見て周り、入口近くにあった建物の入口に着物姿の道真さんを見つける。
ちょっと待て?
パソコンで見た東大寺から春日大社はかなり歩くのに着物って……大丈夫なのかな?
「道真さん」
声を掛けると、こっちだと手招きするのでついて行き、入館料を払って中に入る。
昔の歴史物が沢山飾られていて、一番奥には天龍八部衆の像が飾ってあり、「この像だ」と連れられたのは、有名な阿修羅ではなく一番奥の小柄な迦楼羅像の前。
「鳥?」
「確か、インドだかどこだかからの神とかなんとか。やはり一夜漬けでは覚えられんな。この像は炎や病と色々と言われておる神の一つではあるのだが、この奈良の地でこの八部衆の力を借りたいと思うておる……と八意殿が言うておった」
「はぁ?」
まったくもって意味がわからない!
「ちょっと待ってくれ」
懐から紙を取り出して、何やらブツブツと唱えているのだが、いつも聞くお経とかでは無いのだけはわかる。
「ねぇ、迦具土。道真さんの姿ってみんなに見えてるんだよね?」
「見えてるな」
「ブツブツ言ってたら変な人だよね?辞めさせる?」
「いや、誰も気づいてないからいいだろう。それより、鈴を出せ」
「鈴?持ってきてはいるけど」
0
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
SSSレア・スライムに転生した魚屋さん ~戦うつもりはないけど、どんどん強くなる~
草笛あたる(乱暴)
ファンタジー
転生したらスライムの突然変異だった。
レアらしくて、成長が異常に早いよ。
せっかくだから、自分の特技を活かして、日本の魚屋技術を異世界に広めたいな。
出刃包丁がない世界だったので、スライムの体内で作ったら、名刀に仕上がっちゃった。
『婚約破棄された悪役令嬢ですが、嫁ぎ先で“連れ子三人”の母になりました ~三人の「ママ」が聞けるまで、私は絶対に逃げません~』
放浪人
恋愛
「母はいりません」と拒絶された悪役令嬢が、最強の“ママ”になるまでの物語。
「君のような可愛げのない女は、王妃にふさわしくない」
身に覚えのない罪で婚約破棄され、“悪役令嬢”の汚名を着せられたクラリス。 彼女が新たに嫁いだのは、北方の辺境を守る「氷の公爵」ことレオンハルト・フォン・グレイフだった。
冷え切った屋敷で彼女を待っていたのは、無表情な夫と、心に傷を負った三人の連れ子たち。 「僕たちに、母はいりません」 初対面で突きつけられた三つの拒絶。しかし、クラリスは諦めなかった。
「称号はいりません。私が欲しいのは――あなたたち三人の『ママ』になれる日だけです」
得意の生活魔法『灯(ともしび)』で凍えた部屋を温め、『鎮(しずめ)』の歌で夜泣きを癒やし、家政手腕で荒れた食卓を立て直す。 クラリスの献身的な愛情は、頑なだった子供たちの心を解きほぐし、やがて不器用な夫の氷の心さえも熱く溶かしていく。
これは、不遇な悪役令嬢が「最強の母」となり、家族を脅かす元婚約者や魔獣たちを華麗に撃退し、最愛の家族から「ママ」と呼ばれるその日までを綴った物語。
異世界転移物語
月夜
ファンタジー
このところ、日本各地で謎の地震が頻発していた。そんなある日、都内の大学に通う僕(田所健太)は、地震が起こったときのために、部屋で非常持出袋を整理していた。すると、突然、めまいに襲われ、次に気づいたときは、深い森の中に迷い込んでいたのだ……
異世界召喚された俺の料理が美味すぎて魔王軍が侵略やめた件
さかーん
ファンタジー
魔王様、世界征服より晩ご飯ですよ!
食品メーカー勤務の平凡な社会人・橘陽人(たちばな はると)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。剣も魔法もない陽人が頼れるのは唯一の特技――料理の腕だけ。
侵略の真っ最中だった魔王ゼファーとその部下たちに、試しに料理を振る舞ったところ、まさかの大絶賛。
「なにこれ美味い!」「もう戦争どころじゃない!」
気づけば魔王軍は侵略作戦を完全放棄。陽人の料理に夢中になり、次々と餌付けされてしまった。
いつの間にか『魔王専属料理人』として雇われてしまった陽人は、料理の腕一本で人間世界と魔族の架け橋となってしまう――。
料理と異世界が織りなす、ほのぼのグルメ・ファンタジー開幕!
老聖女の政略結婚
那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。
六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。
しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。
相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。
子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。
穏やかな余生か、嵐の老後か――
四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる