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奈良へ__
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鈴を取り出すと、隣で迦具土も鈴を出してガラスケースの像に向かって手を伸ばしているので真似をする。
ブツブツと何か唱えている道真さんは、少しずつ移動して行っているので、鈴を持ちながらそのあとに続くが、周りから見たらきっと『あの人たち何?』って感じでクスクスと笑われているのだろうと思うと腕を引っ込めたくなるが、あまりにも真剣な二人を見てそれは出来ないと思い、それぞれの像の前で手を伸ばして着いて行くという奇妙な行動を取るしかなかった。
「よし、これでいいだろう。さてと、次は東大寺に行こうか」
「道真さん、道真さんの姿はみんなに見えてるんでしょ?だから帽子かぶってないの?いつもの烏帽子みたいなの」
「あれは目立つし、人の姿として居るから翔平の祖父殿の真似をしてみたんだが……」
調べて見た東大寺の階段などのことを言うと、「慣れてるから平気」の一言で笑われ、興福寺を出て奈良公園を抜ける。
「うわぁ、鹿!鹿せんべい位はあげていいかな?って、なんで二人共もう囲まれてるんだよっ!」
手に持っているのは鹿せんべい。
それで寄ってきているのかと自分も一袋買って袋を開けると、直ぐに鹿が寄ってくる。
それも、じわじわとゆっくり……それが何気に怖い。
怖いんだが、可愛い顔をしているので、手から食べるのかなと持っていると、早くくれとばかりにつつかれるのでせんべいを上げて迦具土達のところへと逃げる。
「なんで逃げてくるんだよ!こっちに鹿が来るじゃねーか!」
「せんべい早くあげちゃってよ!地味に寄ってくるの怖いって」
そんな事を言いながら道真さんを見ると、「ほれほれー」と楽しそうに割った鹿せんべいをばら蒔いている。
「呑気だなー」
「らしいと言えばらしいがな。それより急がないと回ってから宿なんだろ?」
「あ……道真さんは宿どうするんだろ?」
「知らん」
「もー!道真さーん、今日の宿どうするんですかー?」
「お前達と同じ宿にした」と頭をトントンするので、何かしたのだろう。
こんな時は神様便利だなと思ってしまう。
鹿せんべいが無くなると、ないのが分かるのか直ぐにどこかへとまた歩いていくので、こちらも東大寺へと向かって急ぐ。
「うわ、でかい門!それに跨ぐのが高いんだけど」
「そうだな……で、ここでは何するんだ?」
「さぁ?」
「中門などにも毘沙門天などの像があるから、それぞれに鈴を向けて『力をお貸しください』と祈っていけば良い」
「それでどうなるんですか?こんなに小さな鈴なのに……」
「良いから。それと、御朱印帳は持っておるかね?」
「はい」
「折角だから貰っておくといい」
「はぁ。でもここを回るにしてもかなり広そうだけど」
「確かに。とにかく急ごう」
観光とも言うわけでは無かったが、道真さんの言う通りに念じながら道順通りに進み、四月堂、三月堂、そして二月堂の急な階段をなんとか登りきり、少し景色を楽しんだあとまた降りるのはいいが、手すりがないのが怖い。
そのまま若草山を通り過ぎて春日大社へと入り、一面の朱色にまたも驚く。
建物もそうなのだが、昔の建造物は凄い……その一言になってしまうが、せめて目に焼き付けておこうとあたりをキョロキョロと見回しながら進み、最後は浮見堂へ。
ブツブツと何か唱えている道真さんは、少しずつ移動して行っているので、鈴を持ちながらそのあとに続くが、周りから見たらきっと『あの人たち何?』って感じでクスクスと笑われているのだろうと思うと腕を引っ込めたくなるが、あまりにも真剣な二人を見てそれは出来ないと思い、それぞれの像の前で手を伸ばして着いて行くという奇妙な行動を取るしかなかった。
「よし、これでいいだろう。さてと、次は東大寺に行こうか」
「道真さん、道真さんの姿はみんなに見えてるんでしょ?だから帽子かぶってないの?いつもの烏帽子みたいなの」
「あれは目立つし、人の姿として居るから翔平の祖父殿の真似をしてみたんだが……」
調べて見た東大寺の階段などのことを言うと、「慣れてるから平気」の一言で笑われ、興福寺を出て奈良公園を抜ける。
「うわぁ、鹿!鹿せんべい位はあげていいかな?って、なんで二人共もう囲まれてるんだよっ!」
手に持っているのは鹿せんべい。
それで寄ってきているのかと自分も一袋買って袋を開けると、直ぐに鹿が寄ってくる。
それも、じわじわとゆっくり……それが何気に怖い。
怖いんだが、可愛い顔をしているので、手から食べるのかなと持っていると、早くくれとばかりにつつかれるのでせんべいを上げて迦具土達のところへと逃げる。
「なんで逃げてくるんだよ!こっちに鹿が来るじゃねーか!」
「せんべい早くあげちゃってよ!地味に寄ってくるの怖いって」
そんな事を言いながら道真さんを見ると、「ほれほれー」と楽しそうに割った鹿せんべいをばら蒔いている。
「呑気だなー」
「らしいと言えばらしいがな。それより急がないと回ってから宿なんだろ?」
「あ……道真さんは宿どうするんだろ?」
「知らん」
「もー!道真さーん、今日の宿どうするんですかー?」
「お前達と同じ宿にした」と頭をトントンするので、何かしたのだろう。
こんな時は神様便利だなと思ってしまう。
鹿せんべいが無くなると、ないのが分かるのか直ぐにどこかへとまた歩いていくので、こちらも東大寺へと向かって急ぐ。
「うわ、でかい門!それに跨ぐのが高いんだけど」
「そうだな……で、ここでは何するんだ?」
「さぁ?」
「中門などにも毘沙門天などの像があるから、それぞれに鈴を向けて『力をお貸しください』と祈っていけば良い」
「それでどうなるんですか?こんなに小さな鈴なのに……」
「良いから。それと、御朱印帳は持っておるかね?」
「はい」
「折角だから貰っておくといい」
「はぁ。でもここを回るにしてもかなり広そうだけど」
「確かに。とにかく急ごう」
観光とも言うわけでは無かったが、道真さんの言う通りに念じながら道順通りに進み、四月堂、三月堂、そして二月堂の急な階段をなんとか登りきり、少し景色を楽しんだあとまた降りるのはいいが、手すりがないのが怖い。
そのまま若草山を通り過ぎて春日大社へと入り、一面の朱色にまたも驚く。
建物もそうなのだが、昔の建造物は凄い……その一言になってしまうが、せめて目に焼き付けておこうとあたりをキョロキョロと見回しながら進み、最後は浮見堂へ。
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