八百万の学校 其の弐

浅井 ことは

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奈良へ__

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あの力持ちとかいうテチさん。

どうしてもイカを焼いてる姿しか思い出せないが、彼がなにか役に立つのだろうか?

「今日は早めに寝た方がいい。明日は1日がかりだからな」

そう言う迦具土はしっかりとマッサージチェアに座って、「ぉぉおおお!」と言いながら、中に岩でも入っているのか?と不思議そうな顔をしている。

「何堪能してんだよ……」

「置いてあったから?」

「はいはい」

人には寝ろと言っておきながら、マッサージチェアを交代で座って堪能する神様二人。

明日は大丈夫何だろうか?

翌朝は朝食を済ませて直ぐにチェックアウトし、タクシーで興福寺へ。

その後は迦具土の力を使って法隆寺へと一気に飛ぶものの、外観を見て回ったあと中に入り、幾つか見て回る。

途中で椅子に座って休憩していると、ポケットに入れていた鈴が熱くなっているので取り出して、何かあるのかと二人に聞くと、同じ方を向いているので地図を見る。

「夢殿……あそこに石長さんがいるのかな?」

「翔平、夢殿にある救世観音はみたかな?えーと、いん……何とかと言うやつで」

「インターネット!見たけど……この法隆寺が聖徳太子の建てた日本最古の建造物で、救世観音は聖徳太子の姿って書いてあった」

「粗方合っておる。では今日見てきた中でなにか気づいたことは?」

「え?んー、特には……建物も多いし、仏像も凄いなぁって感じかな」

「おい、あの話してやったらどーだ?」

「あの話って?」

「聞いたらチビるぞ?」

「子供じゃないんだから」

「とっておきは大国様が来てからとなってるから、もう少し待とう。……あ、ちょっと待ってくれ」

そう言って頭に手を置いているので、周りから見れば頭を抱えたお爺さんを放っている孫二人の図にしか見えないだろう。

「迦具土、ちょっと……」

迦具土も気づいたのか、側に寄ってくれたので、周りからは仲の良い家族にしか見えないだろう。

バッと頭を上げたと思ったら、ペットボトルのお茶をぐーっと飲んだあと、「直ぐに夢殿へ」という。

「何かあったんですか?」

「大国様と八意様、テチが着いたそうだ。直ぐに夢殿を見てから来いと言うておる」

「あ、はい。でも何処に?」

「夢殿から飛ぶから驚くと思うぞ?」

道真さんについていき、夢殿を見るが中は見れず、周りだけを何周かしてから道真さんの指示で人気のない所から移動する。

ブワッとしたエレベーターで登ったような感覚の後、地面に足が着いたことが分かり目を開けると、昔のお殿さまでもいたのではないのかという畳の部屋。

広いが高さはそれほど無く、だだっ広い部屋の真ん中に重箱を並べ、お茶を配っている祖母と祖父。

「爺ちゃん、婆ちゃんも……どうしたの?」

「お昼を一緒にと言われて、みんなで食べるからって朝に言われてねぇ。急いで作ったから有り合わせだけど。そしたらいつの間にかここに。神様って便利ねぇ」

便利って……俺も思ってたけど、声に出して言う祖母はやはり最強だと思う。
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