八百万の学校 其の弐

浅井 ことは

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救出!

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「八意さん、爺ちゃんの時も少し神様の力みたいなのあげて、俺にもくれたんですよね?それとは違うんですよね?て事は、兄貴は神様になるんですか?」

「ならんならん。早々神にはならん。確かに、儂らの力を与えたものは多少寿命は長くなるが、それでも、代替わりで力は返してもらっておるから、普通の人のままじゃよ?今回の代替わりの後、祖父母殿にもほんのちょっと与えたから、更に寿命は延びておるが、人の範囲じゃ」

「でも兄貴は違うんですよね?その力を石長さんに返すって出来ないんですか?そしたら、石長さん元気になるんじゃ……」

「一瞬のことならの?今回は三日は気に触れておったし、石ちゃんが命をけずった結果じゃ。普通神はそんなことはしないのじゃ……じゃが、石ちゃんは純平を守りたかったのじゃろう。その想いが魂にも溢れておった。儂でもそればかりは取り切れん」

「少しは戻したってことですか?」

「表面的な部分は戻せれた。じゃから石ちゃんも時間はかかるがちゃんと力は戻る」

「良かった……」

兄を祖母と八意さんに任せ、大国さんと迦具土、テチと障子を開けて外を見ると、かなり空の色も戻り、もののけも少なくなってきている。

「翔平……あれが見えるか?」

大国さんが指をさしたところを見ると、龍の背に乗った道真さんが、明らかにウキウキしながら下に雷を落としまくっている。

乗ってたんだ……

「羨ましい……俺も今から乗りに「行かんでいいわ!」

迦具土のツッコミにしょぼんとしていたが、そんなに経っていないと思っていたのに、空が少しずつ明るくなり始めている。

「言ってる間に道真も戻ってくるだろう。迦具土と翔平はテチと何か握り飯でも作ってきてくれ。俺は明るくなり次第、夢殿の中に入る」

「危険じゃないんですか?」

「中は暗いからな。だが、あのまま何もしてこない訳には行かないから、術をかけてくる。それにしても、今回の件……何者か分からんが、姿も見せんとはな……」

「犯人探し……?」

「それは俺達がするからいい。腹が減ったから、スペシャルな握り飯を頼んだぞ」

テチと迦具土と一緒に、台所まで来たのはいいのだが、寝ている石長さんや兄貴、それに負傷しているという神様の食事がにぎりではまずいだろうとの話となり、起きられる神様たちには卵粥。

兄貴達はちゃんと目が覚めてからにしようということになり、おにぎりを、鮭・おかか・梅の三種類で握っていくが、スペシャルなおにぎりって何だろう?

「テチさん、大国さんの言っていたスペシャルなおにぎりって知ってます?」

「いや、沢山食べたいということでは無いのかなと……」

「違う違う。ほら、なんでもスペシャルに弱いだろ?全部混ぜて握りの中に入れればいいんじゃねーの?」

「それは美味しくないと思うんだけど」

普通でいいか!と沢山握って、お茶と一緒にお盆に乗せて持っていき、まずは看病してくれていた祖父母から配る。

その間に迦具土とテチがお粥を持って行ってくれたので、道真さん達がもどるのを待っていると、横から八意さんが、三つずつ包んでおいたらいいじゃろう?と言うので、それもそうかとラップでくるんで取り置きしておき、自分たちは次に何をさせられるのかわからないのでと先におにぎりを食べてしまう。
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