八百万の学校 其の弐

浅井 ことは

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お盆祭り

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「あのさ、そこってすっごいご利益のあるっていう神社だよね?」

「まぁ、祀られてるやつが凄いからな」

「縁切り寺だよね?」

「そうだな」

「そうだなじゃなくて、前にネットでも見たけど、怖いよ?」

「夜は最悪だと思うが、昼はそんなことはないと思うぞ?」

ダメだ。

迦具土は神様だから、俺と同じ感覚は持ってない。

迦具土の怖いものと言えば、改札くらいのものだろう。

「とにかく決まったことだから。それと、そこは縁切りでもあるが、縁結びでもある。俺も聞いた時は驚いたが、八坂神社に行くまでにいくつか回る聞いて、まぁ、納得はしてるから、準備だけしておいてくれ」

「分かった」

わかったとは言ったものの、どこを回るのかは書いてないので、パソコンで検索して近くの場所をチェックするが、さすがは京都。
小さなものまで含めるとかなりの数があって、見ているだけで迷いそうな感じがする。

それから三日目ですっかりと熱の下がった石長さんは、まだあと一日寝ていろと祖母に言われたのに、平気だからとちょこちょこ台所を覗き込んでは、迦具土に「俺の仕事を取るなー!」と言われ、なにか本でもと祖父の持っているミステリー小説を借りて読んでいたのはいいが、道真さんの女バージョンの様に読むのが早く、続きを……といそいそと祖父に借りては戻りを繰り返している。

お昼の冷やしそばの時に、読むのが早いと言ったら、昔からだと言っていて、「謎を解く時に考えるのが面白いのと、最後に答えがわかったスッキリ感が気持ちいい」などと言いながら、食後にまた読もうとしていたのを流石に祖母にとめられる。

そうだろうとも!

病み上がりで本ばかり読んでたらまた熱が出るぞ?

布団に行く前に、「神社に行く時に、鈴とお守りは必ず持っていった方がいい。それとうずめ様がもし踊ると言いはった時には、全力で阻止しないとまた裸に近い格好になってしまうし、一度踊ると長いから、そんな時は食べ物で釣ればいい」と教えてくれた。

うん。

神様って食べ物に弱い!

きっとりんご飴でも喜ぶんだろう……

行くまでにはまだまだ日にちがあるのでと、できるだけ先に進めておこうと頑張り、週末……

「翔平、お前はバカなのか?バカだろう?」と金曜の夜に来た兄に怒られまくり、確かに祭りに行く前に進めておきたかったと言い訳はしたものの、「そんなの頭に入らないだろう?」と当たり前だが怒られた。

「暗記物はもう一度やるよ」

「そうしろ。数学はとにかく解きまくれ。間違ってる公式全部!!!」とさらに課題を出され、家に数学の先生がいる錯覚に陥るほどにその日は厳しかった。

「あ……石長さんなんだけど、熱が引いてからも婆ちゃんがしっかり食事できるまではって客まで寝かせてるよ?」

「え?熱?」

「そう。兄貴熱」

「何だそれは……ちょっと見てくる」

それはダメだから!と言って、ご飯が食べたいからと二人で下に降りていくことにし、そこで兄貴は何故か赤面。

後ろでひとつに髪を括り、エプロンをして、料理を並べている石長さんに目が釘付け。

帰ってきた時には会っていなかったから驚いたことだろう。
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