八百万の学校 其の弐

浅井 ことは

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お盆祭り

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どうしたんだろう?と迦具土の見ている方を見ると、髭もじゃの大男と明らかに園児服姿の大国さんと睨み合いをしている場面が目に入り、迦具土に「逃げたい」とボソッと言ったら、「もう遅い」と言われてしまった。

ヨーヨーを片手に、「おーい!」と手を振ってくる大国さん。

それに答えなくてもいいのに、「よう!」と手を上げる兄。

「話聞いてた?ねぇ、兄貴聞いてた?」

「あ、そうだった」

今の今で辞めてくれ!

走ってくる大国さんを追いかける髭もじゃの男。
それが神様だと知らなかったら、ただの誘拐犯にしか見えない。

「助けろ翔平!」

「俺?俺限定は辞めて……」

「素戔嗚尊が虐めるんだ!何とかしろ!」

「いやいや、なんのイタズラしたんですか!」

「しとらんわー! 」

「その前に、何でここに居るんですか?」

「清水寺の俺のとこに行っただろ?うずめが、『ばーか!』って落書きしたからきた!こうして変装してな。この姿なら気づかれにくいと思ったのに……」

そういう問題じゃあない!

「でも、追いかけられたってことは、何かあったんですよね?」

「あー、俺の嫁……正妻が素戔嗚尊の娘だから?」

「え?義理のお父さん?」

「誰が呼ぶかー!!!」

「仕方ない。うずめも踊り出してるし、この程度の雑魚は五人ですれば早いだろ?その後ゆっくりと話そうか」

まともに仕切ってる迦具土に従うのが一番だと、食べ終わってから姿を見えないようにしてもらい、兄と二人で言われたところを見て周り、変なものを鈴の音で片付けていく。

「呆気ないというか……」

「いいんじゃないか?ほら、あっちなんて姿が見えないのに喧嘩しながら変な黒い塊とか蹴飛ばしてるし」

「その割にはすっごい勢いでいなくなってる」

「だな。ほら、待ち合わせの本殿へ行くぞ」

本殿で待っていたのはテチと腹を抱えて笑っているうずめ。

迦具土が顰めっ面をして壁にもたれかかってるということは、うずめさん達に何か話したのだろう。

その後、全員が集まり素戔嗚尊の家へと招かれたが、入るのを嫌がるのが一人。

大国さん、原因はあなたです……

和室で寛いでくれと言われてお茶がでたので、睨み合ってる二人を見ていると、「まさかだが、翔平。俺のことなんにも知らんのか?」と大国さんに聞かれ、元気に「知りません!」と答える。

「簡単に話しても長い話なんだが、昔、俺はオオナムジと呼ばれててな。因幡国に居たんだが、兄神たちである八十神 やそがみが因幡国のヤガミヒメに求婚したんだ。だが、ヤガミヒメはオオナムヂ……俺と結婚すると言ったもんだから、八十神は俺を恨み、殺すことにした。ここまでは良いか?」

「うん」

「その後、オレを伯岐国の手前の山麓につれて来て、「赤い猪がこの山にいる。我々が一斉に追い下ろすから、お前は待ち受けてそれを捕えよ」と命令してきた。俺が待ち構えていると、八十神は猪に似た大石を火で焼いて転がして落としてきやがって、それを捕えようとした俺は石の火に焼かれて死んだんだ。

俺の母親の刺国若比売サシクニワカヒメは俺の死を悲しんで高天原に上り、カミムスビに救いを求めた。カミムスビが遣わした貝比売 きさがいひめと蛤貝比売 うむぎひめの治療で俺は生き返ったんだ。

俺の復活を知った八十神は、懲りずにまた殺しに来たんだ。大木を切り倒して楔 くさびで割れ目を作って、その中に俺を入らせてから、楔を引き抜いて打ち殺しやがった。
母親は泣きながら俺を探して大木をみつけたそうだ。そしてすぐに木を裂いて取り出して生き返らせてくれた。その後母親に、「あなたはここにいたら、八十神に滅ぼされてしまうだろう」と言われ、木国のオオヤビコの所へ俺を行かせたんだ。

オオヤビコの所へ行くと、追ってきた八十神が俺の引き渡しを求めたんだが、オオヤビコは俺を木の股を潜り抜けさせて逃がし、スサノオのいる根の堅州国に向かうように言った」

大国さん二回も死んでたんだ……
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