下宿屋 東風荘 8

浅井 ことは

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南の島のおじいちゃん

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広間には那智と航平と夏樹にバアバがいたが、流石にフリフリの服を着せるのに追いかけたりはしてなかったようで、みんなと一緒にお茶を飲んでいたので、お土産だけ渡して空いていた夏樹の横の席に座る。


撫で撫で撫で……



「夏樹さん?」

「おっと、すまん。雪翔見ると撫でるってイメージが着いてしまった」

「やっぱり将来の髪が心配だよ僕」

「その時は術で髪を生やしてもらえよ。薬屋の人知ってるんだろ?」

「夏樹さんも知ってるの?」

「人外専門の薬屋なんてそうないからみんな知ってる。確か天満堂だっけ?行けるやつはみんな買いに行ってるが、とにかく高い!俺は那智に頼むけどな」

「だから俺のツケが溜まってくんだ!払えよな。この前の薬代も」

「そうだ!その、薬屋さんで島のおじいちゃん治せないのかな?」

「雪翔……。確かにあの薬屋ならできないことは無いだろう。だが、どの世界も同じなんだが、それは理に反するんだ」

「理?」

「そう。あの薬屋も同じことを言うと思うが、寿命は全うさせるものだ。俺だって爺さんが元気になればとは思うが、今は少しでもみんなの顔を見せてやって、元気づけてやるくらいしかできん」

「夏樹さん……」

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