下宿屋 東風荘 8

浅井 ことは

文字の大きさ
上 下
41 / 90
南での三日間

.

しおりを挟む
夜は三郎と四郎と周太郎も部屋に来てもらい、みんなで持ってきたオセロゲームをして遊び、薬を飲んでそうそうに眠る。


※※※※※※

「雪翔は寝たかね?」

「はい。やはり疲れたのかぐっすりと」

「三郎、四郎。あの後に聞いた冬弥の話は本当なのかね?」

「はい。封印の後、何やら時折視線を感じると仰っていて、坊っちゃまに気づかれないように監視しておりましたが、我々にも気配は感じられず未だに何も……」

「新しい情報だ。水盆は知っておるか?」

「はい。以前浮遊城にて見せていただきました」

「冬弥が言うには、そういったものから見ているのではないかと。それならば気配を感じ取られそうになったら意識を外に出して逃げられるとか何とか……それならば、雪翔の力の一つ。まだ出来はしないようだが、遠見の法と言うものに似ておると。こちらの国に居るからとはいえ、雪翔に気づかれないように」

「ですが、勘のいい坊っちゃまです。いつ気付かれるか……」

「その前には東へ移動だろう?あちらには兄上もいる。こっちにも夏樹や私が居るとはいえ、用心に越したことはないから、普段通りに接し、おかしなことがあればすぐに報告を」

「御意」


※※※※※※
しおりを挟む

処理中です...