下宿屋 東風荘 8

浅井 ことは

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南での三日間

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「おはよう」



起きて部屋を見ると、みんなが布団を畳んでいるところで、朝の稽古はもう済んだと教えてくれる。

「周太郎さんも?」

「あれからずっと続けてるのですが、力が増すばかりでして、細かいことはどうにも苦手で叱られてばかりです」

「ほんとに、大木でも倒してしまいそうな怪力なので、受け止める我らも大変です」

「すいません。まだ力加減が出来なくて」

「凄いね!周太郎さんも強くなってるんだ」

「さ、坊ちゃんは顔を洗って朝餉の席へ。今日は馬に乗るのでしょう?」

「でも、重次さんまだ帰ってきてないし」

「こちらのご当主も夏樹様もかなりの乗り手ですから大丈夫です」


そうなんだ。そう言いながら、顔を洗いに行き、食堂まで行くと、既に朝のご飯はできており、おにぎりにちゃんと海苔が巻かれている。


「あ、団子汁もある」

「おはよう雪翔。たまにはバアバが作ってもいいでしょう?」

「作ってくれたの?」

「これだけはね、みんなが美味しいって言ってくれるのよ?他のおかずはみんなが作ってくれたけど、食は相変わらず細いって聞いてるから、量が分からなくて」

「小さなおにぎりなら三つは食べれるよ?これは……大きいけど……」

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