下宿屋 東風荘 8

浅井 ことは

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浮遊城の水盆

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「そう言って、ノートの解読したやつはどうなの?」

「不完全ですが、日々の記録と、これを書いたものから見た陰陽師とは?って感じですかねぇ?体験談を書いてあるのかと思いますが、抜けてるところが多いのでまだ断定はしない方がいいでしょう。私、夜食作ってきますから、頑張ってくださいよ?」


楽しそうに広間を出ていったのはいいが、肝心のノートには『指ひとつで自分の分身を出し、あたかも本人と変わりなく動く姿は見ていて奇っ怪なものである。』と書いてあるので、式神のことだろうことだけは想像がつく。


「これってさ、前の本と違って、普段の陰陽師の生活が書かれてるとかかな?」

「航平ちゃん、それを僕にしろってことなら出来ないよ?」

「分かってるけど、なんだろ?ゾワゾワっとするんだよ」

「風邪ひいたのかな?」

「違うから!俺も続き早くやってしまうから、雪翔も分かるところだけ書き出してよ。那智さん達は進んでないみたいだから、この本だけでもやってしまわないと、冬弥さんが持ってきた本も気になるだろ?」

「うん」

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