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下宿人
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外に出て見送ってから、時計をみるともうすぐ朝の5時だった。
朝餉の用意には早いと思いながらも、土間へ行き久し振りに釜でご飯を炊くことに。
昨夜の食器なども片付けられており、全部綺麗に無くなっていたので、糠床から那須、胡瓜、大根を出して切って器に入れて蓋をする。
コンロの方で揚げを甘く煮、冷ましてから残りご飯にヒジキを混ぜて詰めていく。
ひじき稲荷の出来上がりだが、数は足りるだろうかと重箱に詰めていく。
勿論、秋彪様なのだが。
味噌汁は、大根と揚げにワカメ。今日は白味噌で少し甘めだが、いつも赤味噌も合せ味噌も使い飽きないようにはしている。
月末の家賃まで少しばかり日もあるので、暫くは簡単なもので我慢してもらおう……
六時をすぎると誰か起き始めるので、だし巻きに鮭を焼いて平皿に乗せていく。
それらを机に並べ、米を見てから火をかき出し、海苔や佃煮など全部並べてから、先に自分専用のお膳を用意しテレビを付けて食事を摂る。
__前にお伝えした神社取り壊しの件ですが、町の町民も古墳があることを知らず、神社には宮司もいない状態で荒れ果ててはいるものの、取り壊しはなくなり、新たな宮司を迎え神社の修復作業とともに、古墳の調査が行われることとなりました。
次のニュースです。
東冬町の__
何とか回避できたようで良かったと、お代わりをして味噌汁を飲んでいると、海都と隆弘が揃って起きてきた。
「あれ?早くない?」
「昨日はすいませんでしたねぇ。急な用事でして」
「それはいいんだけど、最近出かけるの多くない?」
「しばらく忙しくなりそうで皆さんには迷惑をかけますが、夕餉の支度はしますので」
「あんまり忙しかったらいいですよ?俺達も多少は作れるんで」
「野菜炒めとラーメンですか?」
「それを言われたら言い返す言葉もないけど、みんなでやれば何かしら出来ると……洗い物はみんな得意になりましたけど」
「では、少しの間できない時はお願いしましょうかねぇ」
「それとさ、俺明日学校休みなんだけど」
「なにかありましたっけ?プリントは私が保護者代わりに貰ってますが」
「入試だよ。二次試験の」
「なら、明日は手伝いでもしてもらいましょうか……」
「やるやる!何するの?」
「薪割りを」
ガクッと海都が肩を落とし、ポンポンと肩を叩き頑張れ!次の日は筋肉痛だと隆弘が笑っている。
みんな起きてごはんの準備を始めたので、揃ったところで口を開く。
「食べながらでいいので聞いてくださいね。来週末に、今度高校一年になる子がこの下宿に来ます。
親御さんの都合で引越しとなるので、早めに来ますが、みなさん仲良くしてあげてくださいね?」
「どんな子?」
「そうですねぇ、おとなしい感じの子でした。でも、海都のいい弟になりそうですね」
「その子ってうちの大学付属?」と聞かれ、合格発表が引越しの次の日だと思い出す。
「一先ず、私がついて見に行きますが……ご馳走はなしですよ?」
「なんで?歓迎会とかいつもしてるじゃん!」
「では、合格ならば歓迎会を兼ねてしましょう。もし駄目でも公立も受けるそうなので、勉強の邪魔はしては行けませんよ?後は、卒業祝い兼送別会のみです」
「よし、受かれよそいつ!」
「海都、お前ジュース飲みたいだけだろ?漫画ばっか買ってるから金がなくなるんだよ。うちの居酒屋でバイトするか?」
「母ちゃんがさ、三月の成績しだいだって!みんなに教えてもらわないと数学が本当にやばいんだよ俺」
「理数系は堀内さんか……」
「いいですよ?いる日だけになりますけど。ボード見てくださいね?」
「ありがとう!後化学もお願い!」
「冬弥さん、出来が悪かったらバイト料もらっていいでしょうか?」
「お小遣から取ってやってください。漫画禁止とかでジュース買えますよね?」
「そんなぁ……」
「頑張るしかないですねぇ。さっ、食事の終わった子から学校の支度をしなさい。そろそろ時間になりますよ?」
大学生は余裕があるようだが、高校生2人はヤバイとばかりに食器を持って流しにつけに行く。
鞄を持って「行ってきまぁーす」と元気に出ていくので見送り、みんなの予定の書いてあるボードの確認をしてから、洗い場へと膳を持っていき洗う。
ご馳走様でしたと大学生達も流しにつけに来たので、夕飯はどうします?と聞く。
二人はアルバイト。院生は荷物整理で大学へ行くだけだと言い、居酒屋でアルバイトしている菊池賢治だけ夕飯が要らないという。
天気が良いので洗濯物をし、空き部屋の掃除を始める。
「冬弥様、誰も居なくなったので手伝いを。残してきたものもだんだんと帰ってきています」
「なら、交代で秋彪のところに行ってくれないかい?稲荷が置いてあるから持って行っておくれ」
「分かりました。しかし、そうすると手伝えるものが……」
「この位はできるからいいよ。今は秋彪の回復の方が大事だからね」
洗い物を済ませてから畳をあげて窓から出し、叩いて埃を落として天日干しにする。
上げた畳の下の板を確認して掃除を済ませ、流しやトイレなども掃除・消毒して行く。
押し入れを開ける前に、8畳の畳も開けてから、すばやく拭き掃除を終わらせ、外の畳を中へ立て掛け、新しく8枚を外に出し叩く。
夕方まで干して中に入れて立てておけば、あとは換気でいいだろうと窓をすべて開けたまま部屋を後にする。
「冬弥様、使いが済みました。秋彪様は元気になられています。ほかの狐達もです」
「ご苦労だったねぇ」
「秋彪様からの伝言ですが、稲荷の中に変なものを入れるな。でも美味かった!今宵は来なくて大丈夫だ。との事です」
「そう……でも、そんなわけにはいかないよねぇ?今からみんな休んで、夜には3匹秋彪の所に行っておくれ。バレるだろうけど、追い出しはしないだろうよ」
「ですが、こちらの神社が手薄になってしまいます」
「ここは私一人でも十分。お前達を危険な目には合わせたくないですからねぇ」
「せめて、一尾お連れくださいませ!」
「好きにするといいですが、回復の子達は疲れてるだろうから、今日は出ちゃダメですよ?」
朝餉の用意には早いと思いながらも、土間へ行き久し振りに釜でご飯を炊くことに。
昨夜の食器なども片付けられており、全部綺麗に無くなっていたので、糠床から那須、胡瓜、大根を出して切って器に入れて蓋をする。
コンロの方で揚げを甘く煮、冷ましてから残りご飯にヒジキを混ぜて詰めていく。
ひじき稲荷の出来上がりだが、数は足りるだろうかと重箱に詰めていく。
勿論、秋彪様なのだが。
味噌汁は、大根と揚げにワカメ。今日は白味噌で少し甘めだが、いつも赤味噌も合せ味噌も使い飽きないようにはしている。
月末の家賃まで少しばかり日もあるので、暫くは簡単なもので我慢してもらおう……
六時をすぎると誰か起き始めるので、だし巻きに鮭を焼いて平皿に乗せていく。
それらを机に並べ、米を見てから火をかき出し、海苔や佃煮など全部並べてから、先に自分専用のお膳を用意しテレビを付けて食事を摂る。
__前にお伝えした神社取り壊しの件ですが、町の町民も古墳があることを知らず、神社には宮司もいない状態で荒れ果ててはいるものの、取り壊しはなくなり、新たな宮司を迎え神社の修復作業とともに、古墳の調査が行われることとなりました。
次のニュースです。
東冬町の__
何とか回避できたようで良かったと、お代わりをして味噌汁を飲んでいると、海都と隆弘が揃って起きてきた。
「あれ?早くない?」
「昨日はすいませんでしたねぇ。急な用事でして」
「それはいいんだけど、最近出かけるの多くない?」
「しばらく忙しくなりそうで皆さんには迷惑をかけますが、夕餉の支度はしますので」
「あんまり忙しかったらいいですよ?俺達も多少は作れるんで」
「野菜炒めとラーメンですか?」
「それを言われたら言い返す言葉もないけど、みんなでやれば何かしら出来ると……洗い物はみんな得意になりましたけど」
「では、少しの間できない時はお願いしましょうかねぇ」
「それとさ、俺明日学校休みなんだけど」
「なにかありましたっけ?プリントは私が保護者代わりに貰ってますが」
「入試だよ。二次試験の」
「なら、明日は手伝いでもしてもらいましょうか……」
「やるやる!何するの?」
「薪割りを」
ガクッと海都が肩を落とし、ポンポンと肩を叩き頑張れ!次の日は筋肉痛だと隆弘が笑っている。
みんな起きてごはんの準備を始めたので、揃ったところで口を開く。
「食べながらでいいので聞いてくださいね。来週末に、今度高校一年になる子がこの下宿に来ます。
親御さんの都合で引越しとなるので、早めに来ますが、みなさん仲良くしてあげてくださいね?」
「どんな子?」
「そうですねぇ、おとなしい感じの子でした。でも、海都のいい弟になりそうですね」
「その子ってうちの大学付属?」と聞かれ、合格発表が引越しの次の日だと思い出す。
「一先ず、私がついて見に行きますが……ご馳走はなしですよ?」
「なんで?歓迎会とかいつもしてるじゃん!」
「では、合格ならば歓迎会を兼ねてしましょう。もし駄目でも公立も受けるそうなので、勉強の邪魔はしては行けませんよ?後は、卒業祝い兼送別会のみです」
「よし、受かれよそいつ!」
「海都、お前ジュース飲みたいだけだろ?漫画ばっか買ってるから金がなくなるんだよ。うちの居酒屋でバイトするか?」
「母ちゃんがさ、三月の成績しだいだって!みんなに教えてもらわないと数学が本当にやばいんだよ俺」
「理数系は堀内さんか……」
「いいですよ?いる日だけになりますけど。ボード見てくださいね?」
「ありがとう!後化学もお願い!」
「冬弥さん、出来が悪かったらバイト料もらっていいでしょうか?」
「お小遣から取ってやってください。漫画禁止とかでジュース買えますよね?」
「そんなぁ……」
「頑張るしかないですねぇ。さっ、食事の終わった子から学校の支度をしなさい。そろそろ時間になりますよ?」
大学生は余裕があるようだが、高校生2人はヤバイとばかりに食器を持って流しにつけに行く。
鞄を持って「行ってきまぁーす」と元気に出ていくので見送り、みんなの予定の書いてあるボードの確認をしてから、洗い場へと膳を持っていき洗う。
ご馳走様でしたと大学生達も流しにつけに来たので、夕飯はどうします?と聞く。
二人はアルバイト。院生は荷物整理で大学へ行くだけだと言い、居酒屋でアルバイトしている菊池賢治だけ夕飯が要らないという。
天気が良いので洗濯物をし、空き部屋の掃除を始める。
「冬弥様、誰も居なくなったので手伝いを。残してきたものもだんだんと帰ってきています」
「なら、交代で秋彪のところに行ってくれないかい?稲荷が置いてあるから持って行っておくれ」
「分かりました。しかし、そうすると手伝えるものが……」
「この位はできるからいいよ。今は秋彪の回復の方が大事だからね」
洗い物を済ませてから畳をあげて窓から出し、叩いて埃を落として天日干しにする。
上げた畳の下の板を確認して掃除を済ませ、流しやトイレなども掃除・消毒して行く。
押し入れを開ける前に、8畳の畳も開けてから、すばやく拭き掃除を終わらせ、外の畳を中へ立て掛け、新しく8枚を外に出し叩く。
夕方まで干して中に入れて立てておけば、あとは換気でいいだろうと窓をすべて開けたまま部屋を後にする。
「冬弥様、使いが済みました。秋彪様は元気になられています。ほかの狐達もです」
「ご苦労だったねぇ」
「秋彪様からの伝言ですが、稲荷の中に変なものを入れるな。でも美味かった!今宵は来なくて大丈夫だ。との事です」
「そう……でも、そんなわけにはいかないよねぇ?今からみんな休んで、夜には3匹秋彪の所に行っておくれ。バレるだろうけど、追い出しはしないだろうよ」
「ですが、こちらの神社が手薄になってしまいます」
「ここは私一人でも十分。お前達を危険な目には合わせたくないですからねぇ」
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「好きにするといいですが、回復の子達は疲れてるだろうから、今日は出ちゃダメですよ?」
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