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魔界城
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「奏太様、移動しますって姫様が!」
「わかりました、ワゴンの兵の方も集まってください移動します」
全員左側に移動し準備を始めるが、間近で見るとかなり酷い状態だ。
「結月さん」
「あぁ、亡くなってるものも居るな……ニコル、ルーカスを呼んでくれないか?」
テレパシーで呼んだのかすぐにルーカスが来て回りを把握し、兵に指示を出す。
「特に瀕死の奴から見る。エマ、魔力はまだあるな?」
「はい、たっぷりと」
「ノア、シートを敷け。5もあれば良いだろう。エマ、そこに酷い状態のものから運んでくれ。ニコルもエマを手伝え。そのぐらいの魔法は使えるだろう?」
「勿論です。馬鹿王子よりかなりましかと思います」
「ならやって来い!奏太はそのまま配れ。万能薬が入ってるからマシにはなるはずだ」
みんなでそれぞれの役割を果たしている間、5つある敷物の上は結月の魔法と人間界の外科治療でバタバタとしていた。
結月が治療して、ノアとエマが包帯などを巻いていく。そのスピードはかなり早く、どんどんと治療の終わった兵がルーカスによって薬を飲まされていく。
「王子様、ほとんど配り終わりましたが」
「えっと、じゃぁ治療の終わった人で、食事のできそうな人に配ってもらえますか?一人で食べられない人には食べさせてあげてください。俺も一緒にいきます」
「王子様にそんなことまで……」
「肩書きは関係ないです。ルーカスさんも、姉の幻界の姫も同じことしてますから。ワゴンに乗せられるだけのせていきましょう」
それぞれワゴンをもって、一人で食べられる人には渡し、そうでない人にはスプーンで掬って口まで運ぶ。その繰り返しを何度か繰り返してやっと終わった頃には結月たちの方も全員の治療が終わっていた。
「終わったの?」
「まぁな。請求書も全員に渡したし、完璧だ!」
「うわぁ。最低だ!」
「私の治療だぞ?かなりまけたがな。一人一万魔通貨のお得なお値段にしておいた」
「だからってさ!」
「奏太、構わん。城で全部払う。結月回収してこちらに回せ」
「そうか?」と言った後すぐに手の上に請求書の束が現れる。
それをルーカスに渡し、腹が減ったと食堂まで勝手に歩いていくので、後について行く。
「ルーカスさん、あの外の人たちそのままでいいの?」
「他のものが天幕を張ってるから大丈夫だ。ノアも奏太も兵のためにありがとう」
「とんでもございません」
「だが、ノアがあそこまで補助系の魔法が使えるとは思わなかった」
「兄の真似でしかないのですが、魔力はそれほど多くはないと思うのですが、足りてよかったです」
「何をいっている。ユーリもかなりの魔力だが、ノアも大したものだ。これで治癒魔法ができればいいんだがな」
「まだ勉強中です。魔方陣があればできるのですが」
「なら先に言え!全部してしまっただろうが」
「わかりました、ワゴンの兵の方も集まってください移動します」
全員左側に移動し準備を始めるが、間近で見るとかなり酷い状態だ。
「結月さん」
「あぁ、亡くなってるものも居るな……ニコル、ルーカスを呼んでくれないか?」
テレパシーで呼んだのかすぐにルーカスが来て回りを把握し、兵に指示を出す。
「特に瀕死の奴から見る。エマ、魔力はまだあるな?」
「はい、たっぷりと」
「ノア、シートを敷け。5もあれば良いだろう。エマ、そこに酷い状態のものから運んでくれ。ニコルもエマを手伝え。そのぐらいの魔法は使えるだろう?」
「勿論です。馬鹿王子よりかなりましかと思います」
「ならやって来い!奏太はそのまま配れ。万能薬が入ってるからマシにはなるはずだ」
みんなでそれぞれの役割を果たしている間、5つある敷物の上は結月の魔法と人間界の外科治療でバタバタとしていた。
結月が治療して、ノアとエマが包帯などを巻いていく。そのスピードはかなり早く、どんどんと治療の終わった兵がルーカスによって薬を飲まされていく。
「王子様、ほとんど配り終わりましたが」
「えっと、じゃぁ治療の終わった人で、食事のできそうな人に配ってもらえますか?一人で食べられない人には食べさせてあげてください。俺も一緒にいきます」
「王子様にそんなことまで……」
「肩書きは関係ないです。ルーカスさんも、姉の幻界の姫も同じことしてますから。ワゴンに乗せられるだけのせていきましょう」
それぞれワゴンをもって、一人で食べられる人には渡し、そうでない人にはスプーンで掬って口まで運ぶ。その繰り返しを何度か繰り返してやっと終わった頃には結月たちの方も全員の治療が終わっていた。
「終わったの?」
「まぁな。請求書も全員に渡したし、完璧だ!」
「うわぁ。最低だ!」
「私の治療だぞ?かなりまけたがな。一人一万魔通貨のお得なお値段にしておいた」
「だからってさ!」
「奏太、構わん。城で全部払う。結月回収してこちらに回せ」
「そうか?」と言った後すぐに手の上に請求書の束が現れる。
それをルーカスに渡し、腹が減ったと食堂まで勝手に歩いていくので、後について行く。
「ルーカスさん、あの外の人たちそのままでいいの?」
「他のものが天幕を張ってるから大丈夫だ。ノアも奏太も兵のためにありがとう」
「とんでもございません」
「だが、ノアがあそこまで補助系の魔法が使えるとは思わなかった」
「兄の真似でしかないのですが、魔力はそれほど多くはないと思うのですが、足りてよかったです」
「何をいっている。ユーリもかなりの魔力だが、ノアも大したものだ。これで治癒魔法ができればいいんだがな」
「まだ勉強中です。魔方陣があればできるのですが」
「なら先に言え!全部してしまっただろうが」
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