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不調のオンパレード
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理想の結婚式と聞かれてアロンもどう答えればいいのかわからなかった。
そもそも結婚式のことはよくわからないうえに、基本こういう事はエルヴィス達に任せきりである。
「人員は多いほうがいいのか?それとも初めての時と同じように私達だけでいいのか?」
エルドの助け舟にアロンが心の中で感謝した。
「俺達だけでいい!」
「わかった。食べ物はきみの好物を用意しよう。他に装飾など希望は?好きな色、好きな花、なんでもいい」
「えーと、好きな色……は思いつかないからなんでもいいな。好きな花は……薔薇?それ以外は特に何も思いつかない」
「準備しよう。すぐに思いつかないだろうから、またゆっくり考えるといい。それから希望に合わせて調整する。いつでもできるから、急がなくていい」
「わ、わかった……ありがと」
「それじゃあ結婚式が延期ならそのまま生殖行為に入ろう!!」
「生……なんだって?って、おい!!」
エルヴィスはアロンの体を持ち上げるとそのままベッドに乗せた。
「心の準備くらいさせろよ!……そういえばライネスは?」
「ライネスなら軍部にいるよ」
「え?今日俺達の結婚式を挙げる予定だったんだろ?あいつ来ないのか?」
「あっ!別にアロンのこと嫌いとか避けているとかじゃないよ!ライネスは少し忙しいんだ。連絡入れたんだけど、どうしても手を離せなくてね、後日またおわびのプレゼントを持ってくる予定になっているんだ」
そういえば初めて結婚式を挙げた時はエルドがいなかった気がする。
アロンはもごもごと口を動かすとスッと指を4本立てて見せた。
「け、結婚式は……4人でやりたい……」
言いながら顔を真っ赤にする。
エルヴィスは「可愛いねっ!!」と叫んで抱きつき、エルドは「そうしよう」と言ってアロンの頭をなでた。
そうして1人と2体で熱い夜を過ごしたのである。
翌朝、アロンが怠惰的に目を覚ますと、ちょうど自分をはさむニ対の視線と目が合った。
「………お前達、いつまで見てるんだよ………」
「ずっと見ていたいなって思って!」
「ほざけ……まだ眠い……お前らも………」
お前らも寝ておけよ、と言おうとしたところ、エルヴィス達にはまだ仕事があることを思い出した。同時にアンドロイドは寝ないことも思い出した。
寝ないのであれば自分が寝ているあいだにこのふたりは何をしていたんだ?という疑問が湧いてきた。
「お前達、一晩中何していたんだ?」
確か昨晩の行為はアロンが早々に達してしまい、疲れも溜まったせいか、知らぬあいだに眠ってしまったはずである。
「一晩中きみをみーーむぐっ」
何かを言おうとしたエルヴィスの口を反対側から手を伸ばしたエルドがふさいだ。
「きみと同じように目を閉じて、機体を一時的にシャットダウンして睡眠体験をしていた」
「しゃっとだうん?いや、待て。今エルヴィスが一晩中俺を見ていたと言おうとしなかったか?」
「気のせいだ」
「本当か?」
「ああ。きみと同じように朝を迎えることができてよかった」
「よかったな……?」
エルヴィスの口をふさいでいた手が移動して、そのままアロンの頭を腕で囲むように引き寄せた。
するとエルヴィスも負けじとアロンの腰を引き寄せ、そのせいで体がふたりにそれぞれ抱かれてぐいっと曲がった。
「い、いい加減にしろ……っ」
なんとかふたりの腕から脱出してアロンは地面に脱ぎ捨てた服を拾い上げた。
が、腕を通そうとしたところ、怪しい汚れを見つけた。同じ白なせいか、発見が遅れてしまったのである。
アロンは顔を赤くして見なかったことにした。
「その、この服って……」
「大丈夫だ。クラックとイアンに任せれば問題ない」
他人任せにするのも気恥ずかしく、アロンは自分でやりたいと言ったが、これはクラックとイアンの仕事でもあると言ってエルドに却下された。
そしてクラックとイアンと言えばアロンは思い出したことがあった。
「そういや、あいつら体の調子が悪いみたいなことを言っていたな。大丈夫なのか?」
エルヴィスとエルドが一瞬だけ視線を合わせた。
先に口を開いたのはエルヴィスである。
「大丈夫だよ、アロン。メンテナンスをすれば直るから」
「本当か?俺に何か黙っていたりしないよな?」
アロンは先ほどのふたりの目線合わせが少し気になった。
「それより!昨晩アロンとの行為を全部映像として残したんだけど、ユスヴェルと共有してもいいかい?前回は怒られたから今回は許可をーーあぐっ!」
最初こそ口をあんぐりと開けて聞いていたアロンだったが、すぐさまエルヴィスのエリにつかみかかってぐらぐら揺らした。
「ふざけんじゃねぇ!!消せっ!全部消せっ!他人に一度でも見せてみろ!テメェの頭捻りつぶしてやる!!」
アロンは怒る一方で、頭のどこかで冷静に質問をはぐらかされていることに気づいていた。
はぐらかされるということは自分に知られたくない何かがあるということである。おそらく自分が知ったとしても何もできないことだろう。
そもそも機械のことは何もわからないので仮に不調の原因を知ったとしてもそこまてである。
エルヴィスにしろ、クラック達にしろ、最近は不調のオンパレードな気がする。
そもそも結婚式のことはよくわからないうえに、基本こういう事はエルヴィス達に任せきりである。
「人員は多いほうがいいのか?それとも初めての時と同じように私達だけでいいのか?」
エルドの助け舟にアロンが心の中で感謝した。
「俺達だけでいい!」
「わかった。食べ物はきみの好物を用意しよう。他に装飾など希望は?好きな色、好きな花、なんでもいい」
「えーと、好きな色……は思いつかないからなんでもいいな。好きな花は……薔薇?それ以外は特に何も思いつかない」
「準備しよう。すぐに思いつかないだろうから、またゆっくり考えるといい。それから希望に合わせて調整する。いつでもできるから、急がなくていい」
「わ、わかった……ありがと」
「それじゃあ結婚式が延期ならそのまま生殖行為に入ろう!!」
「生……なんだって?って、おい!!」
エルヴィスはアロンの体を持ち上げるとそのままベッドに乗せた。
「心の準備くらいさせろよ!……そういえばライネスは?」
「ライネスなら軍部にいるよ」
「え?今日俺達の結婚式を挙げる予定だったんだろ?あいつ来ないのか?」
「あっ!別にアロンのこと嫌いとか避けているとかじゃないよ!ライネスは少し忙しいんだ。連絡入れたんだけど、どうしても手を離せなくてね、後日またおわびのプレゼントを持ってくる予定になっているんだ」
そういえば初めて結婚式を挙げた時はエルドがいなかった気がする。
アロンはもごもごと口を動かすとスッと指を4本立てて見せた。
「け、結婚式は……4人でやりたい……」
言いながら顔を真っ赤にする。
エルヴィスは「可愛いねっ!!」と叫んで抱きつき、エルドは「そうしよう」と言ってアロンの頭をなでた。
そうして1人と2体で熱い夜を過ごしたのである。
翌朝、アロンが怠惰的に目を覚ますと、ちょうど自分をはさむニ対の視線と目が合った。
「………お前達、いつまで見てるんだよ………」
「ずっと見ていたいなって思って!」
「ほざけ……まだ眠い……お前らも………」
お前らも寝ておけよ、と言おうとしたところ、エルヴィス達にはまだ仕事があることを思い出した。同時にアンドロイドは寝ないことも思い出した。
寝ないのであれば自分が寝ているあいだにこのふたりは何をしていたんだ?という疑問が湧いてきた。
「お前達、一晩中何していたんだ?」
確か昨晩の行為はアロンが早々に達してしまい、疲れも溜まったせいか、知らぬあいだに眠ってしまったはずである。
「一晩中きみをみーーむぐっ」
何かを言おうとしたエルヴィスの口を反対側から手を伸ばしたエルドがふさいだ。
「きみと同じように目を閉じて、機体を一時的にシャットダウンして睡眠体験をしていた」
「しゃっとだうん?いや、待て。今エルヴィスが一晩中俺を見ていたと言おうとしなかったか?」
「気のせいだ」
「本当か?」
「ああ。きみと同じように朝を迎えることができてよかった」
「よかったな……?」
エルヴィスの口をふさいでいた手が移動して、そのままアロンの頭を腕で囲むように引き寄せた。
するとエルヴィスも負けじとアロンの腰を引き寄せ、そのせいで体がふたりにそれぞれ抱かれてぐいっと曲がった。
「い、いい加減にしろ……っ」
なんとかふたりの腕から脱出してアロンは地面に脱ぎ捨てた服を拾い上げた。
が、腕を通そうとしたところ、怪しい汚れを見つけた。同じ白なせいか、発見が遅れてしまったのである。
アロンは顔を赤くして見なかったことにした。
「その、この服って……」
「大丈夫だ。クラックとイアンに任せれば問題ない」
他人任せにするのも気恥ずかしく、アロンは自分でやりたいと言ったが、これはクラックとイアンの仕事でもあると言ってエルドに却下された。
そしてクラックとイアンと言えばアロンは思い出したことがあった。
「そういや、あいつら体の調子が悪いみたいなことを言っていたな。大丈夫なのか?」
エルヴィスとエルドが一瞬だけ視線を合わせた。
先に口を開いたのはエルヴィスである。
「大丈夫だよ、アロン。メンテナンスをすれば直るから」
「本当か?俺に何か黙っていたりしないよな?」
アロンは先ほどのふたりの目線合わせが少し気になった。
「それより!昨晩アロンとの行為を全部映像として残したんだけど、ユスヴェルと共有してもいいかい?前回は怒られたから今回は許可をーーあぐっ!」
最初こそ口をあんぐりと開けて聞いていたアロンだったが、すぐさまエルヴィスのエリにつかみかかってぐらぐら揺らした。
「ふざけんじゃねぇ!!消せっ!全部消せっ!他人に一度でも見せてみろ!テメェの頭捻りつぶしてやる!!」
アロンは怒る一方で、頭のどこかで冷静に質問をはぐらかされていることに気づいていた。
はぐらかされるということは自分に知られたくない何かがあるということである。おそらく自分が知ったとしても何もできないことだろう。
そもそも機械のことは何もわからないので仮に不調の原因を知ったとしてもそこまてである。
エルヴィスにしろ、クラック達にしろ、最近は不調のオンパレードな気がする。
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