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第五章
おさげ
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「え?俺のこと覚えてないのか?」
言ってからキトウの仕業で自分の存在がみんなの記憶から抜けていることを思い出した。
周りに思い出したやつが増えていたせいか、そのことを忘れてしまいそうになる。
「いや、実は昔ヴォルテローノ領地の屋敷で働いたことあってさ、あんたに似た人がいた」
「嘘!私もそこで働いていたわ!じゃあ私が覚えていないだけなのね。ごめんなさいね」
記憶の中よりも大人びて見えたおさげにカナトはどこか感慨深くなった。
「いや、いいよ。俺めちゃくちゃ影薄いからみんなに忘れられてるんだ」
一応嘘ではない。現にほとんどの人から忘れられている。
しかしおさげはカナトを全身上から下、下から上へと見た。確かに万人に覚えられる容姿ではないが、かと言って忘れられるような存在感のなさもない。
なんなら今の血塗れの姿はおそらくこれから一生忘れそうにない。
「そうなの……まあ、とにかく無事みたいでよかった。まさかここで昔の同僚に会えるなんてね」
そこへ遠くから「おーい!」という男の声が聞こえてきた。
2人が声のほうを振り向くと、背は高いが少々痩せ気味の男が腕を振りながら近づいてきた。
「アンジュ、お待たせ……って、きみ血だらけじゃないか!」
おさげを見ていた男の目がふいにカナトの惨状をとらえた。
「ちょうどよかったわ。フェリック。実はさっき彼が空から落ちてきたの。血だらけみたいだけど、自分で動けるみたい。実は昔の同僚かもしれないから、なんとかうちで傷の手当てでもしてあげられないかしら」
「ぜひそうしよう!きみの昔の同僚なんだろ?じゃあうちにおいで。お店は繁盛しているし、薬も足りているし」
「よかった!」
おさげ改め、アンジュがカナトを振り返った。
「あらためて自己紹介するね。私はアンジュ。彼は夫のフェリックよ。あなたは?なんて呼べばいいの?」
「えと、カ……じゃなくて、ハルロ……」
以前偽物の親が名乗り出た時に呼ばれていた名前を使った。理由は単に本名を名乗りたくなかっただけである。
しかし後々考えた時、まだ魔女狩りが収まっていないらしいので、カナトが魔女だという噂が広がっているかも知れない状況を考えるに、これは正解だったのかもしれない。なんせ、あの劇場で貴族たちの前で自分が魔女だと認めたからである。
どこからカナトの名前が魔女の名前であるともれるのかわからない。
「そうなのね。ハルロか……なんだか似た名前を聞いたことあるような」
「そ、そうか?」
「やっぱり昔同じところで働いていたから記憶のどこかに残っていたかもね!」
「たぶんそうだ!」
「とりあえず私たちのお店に行こうよ。フェリック、ピクニックはまた別の日にしましょ?」
「そうだな」
2人の邪魔をしたみたいだな。
申し訳なく思いながらもカナトは2人が開いたという衣装店についていった。
そして傷を見てもらったが、胸の傷はすでに塞がって跡だけが残っており、他には空から落ちてきた時にできたと思われるかすり傷程度のみである。
だがなぜかフェリックの顔色が良くない。
カナトが新しく用意してもらった服を着込みながら首を傾げた。
「どうかしたのか?」
「え?あ、いや。なんでもない。先に出ている」
「ああ、わかった」
アンジュとフェリックが開いたお店は、店と居住部屋が繋がった建物で、カナトが現在いるのはフェリックの部屋らしい。
話によると、アンジュは有名衣装屋でしばらく働いたあと、今の夫フェリックと出会い、お金を貯める傍らでお店を開こうと考えていたらしい。
つい半年前に店を開く夢が叶い、夫婦手を取り合って今日までやってきたらしい。
「あの3人よく一緒にいるところ見るからなぁ。他の2人も結婚したか?」
おぼろげにボブカットのメイドとお団子のメイドの姿を思い出そうとするが、記憶がかなり曖昧になっている。
そして、カナトには気になったこともある。フレジアドが国王に就いたということは、アレストも宰相になったのではないだろうか?あの2人は協力関係だとアレスト自身が口にしている。
とすると、イグナスはもう……。
そこまで考えてカナトが思い切り頭を振った。
考えるな、考えるな。他のことを考えろ。そもそも今はどういう時間線だ?それを訊かないと。
震える指先で首もとのボタンを止め、部屋のドアを隙間程度に開けたところで「ダメだ!」というフェリックの声が聞こえた。
ん?なんだ。喧嘩か?
「あの人の体を見たが、傷だらけだった。あきらかに普通じゃない。きみの昔の同僚というのも信憑性に欠ける。やっぱり置いていけない。早く追い出すべきだ」
「でも……どうしても悪い人には……」
「本当に悪い人は顔に出さない。逆に俺たちをだましていない確証もないだろ?しかも魔女が死んだことで、その呪いが各地にまかれ、魔女にされた人々がいるって話だろ。あの……なんだっけ、そうカナト!お前の昔の主人の専属使用人に化けていた魔女が死んだことで、主人のほうも性格変わっただろ?」
「そう、だけど……やっぱりあの子は魔女じゃないと思う」
「アンジュ!俺の言うことを聞いてくれ。駐屯している兵士に言うんだ。あのハルロという男は怪しすぎる!魔女は捕まって拷問される。あの体の傷も拷問痕かもしれない。もし逃げた魔女だったらどうする?」
「………っ」
カナトはゆっくりとドアを閉めた。
……今、そういう話しになっているのか。アレストの性格が変わった?俺のせいか?
カナトが慌てて頭を振った。
ダメだ、考えるな。………逃げるか?このままおさげ……じゃなくて、アンジュたちに迷惑かけられないしな。
カナトは自分の衣服を見た。あの血だらけの服はもう着れない。この服をもらっていくしかない。何か金になりそうなものがないかと自分の所持品を見た。
が、逃げる時は無我夢中だったため、何も持っていなかった。
服に支払う対価がねぇ……!
絶望に固まっていると、後ろでドアが開けられた。
「ハルロ」
「え、アンジュ?」
「考え事中?お邪魔してごめんね」
「いやいや!大丈夫!どうしたんだ?」
「……実はね」
アンジュが後ろを気にしながらドアを閉め、サッとカナトと距離をつめた。
「実は早く逃げてと言いにきたの」
「え……?」
「フェリックがもうこの町に駐屯している兵士にあなたが魔女だって言いに行ってるわ。これ、少ししかないけど道中の足しにして」
そう言ってカナトの手に小袋を握らせた。
「お金?いや、いいって!この服だって」
「服もあげるわ。早く逃げて。私、どうしてもあなたが悪い人だとは思えない。それに、すごく懐かしく感じるの」
「………本当に、もらっていいのか?」
「もちろんよ!さあ、早く逃げて!」
カナトが戸惑いながら逃げようとした。だがはっとしてアンジュを見る。このままではアンジュが魔女を逃したとかで罪にならないか?と考えた。
「ドラマの中みたいにするか!」
「どら……え?」
「お前が疑われないように縛るんだよ!」
「え!」
「俺を逃したんじゃなくて、俺が無理やり逃げたってことにすればお前は安全なんだよ!」
何かとてつもなくいい案を思いついた、と言わんばかりの輝いた顔にアンジュは見覚えがある気がした。すぐに頭痛に顔をしかめ、その間にぐるぐるとカーテンで体を巻かれた。
「アンジュ、本当にありがとな。必ずお礼はするから」
アンジュは、それよりも逃げてほしいと言いたかったが、言葉が出なかった。
窓から飛び出すカナトの姿が、どうしようもなく懐かしく感じる。昔にもどこかで見たことあるような気がしてならない。
だが酷い頭痛にすぐにそんなことを考えられなくなった。
「逃げ切ってね、ハルロ」
なぜかその名前がしっくりこなかった。しかしそう感じる理由がわからない。
アンジュはカナトにこの魔女狩りが激しい領地から逃げ欲しい意味だったが、その願いを見事に裏切り、何も知らないカナトはただ隣町に来ただけであった。
ロンドール領のゲンべルにーー
言ってからキトウの仕業で自分の存在がみんなの記憶から抜けていることを思い出した。
周りに思い出したやつが増えていたせいか、そのことを忘れてしまいそうになる。
「いや、実は昔ヴォルテローノ領地の屋敷で働いたことあってさ、あんたに似た人がいた」
「嘘!私もそこで働いていたわ!じゃあ私が覚えていないだけなのね。ごめんなさいね」
記憶の中よりも大人びて見えたおさげにカナトはどこか感慨深くなった。
「いや、いいよ。俺めちゃくちゃ影薄いからみんなに忘れられてるんだ」
一応嘘ではない。現にほとんどの人から忘れられている。
しかしおさげはカナトを全身上から下、下から上へと見た。確かに万人に覚えられる容姿ではないが、かと言って忘れられるような存在感のなさもない。
なんなら今の血塗れの姿はおそらくこれから一生忘れそうにない。
「そうなの……まあ、とにかく無事みたいでよかった。まさかここで昔の同僚に会えるなんてね」
そこへ遠くから「おーい!」という男の声が聞こえてきた。
2人が声のほうを振り向くと、背は高いが少々痩せ気味の男が腕を振りながら近づいてきた。
「アンジュ、お待たせ……って、きみ血だらけじゃないか!」
おさげを見ていた男の目がふいにカナトの惨状をとらえた。
「ちょうどよかったわ。フェリック。実はさっき彼が空から落ちてきたの。血だらけみたいだけど、自分で動けるみたい。実は昔の同僚かもしれないから、なんとかうちで傷の手当てでもしてあげられないかしら」
「ぜひそうしよう!きみの昔の同僚なんだろ?じゃあうちにおいで。お店は繁盛しているし、薬も足りているし」
「よかった!」
おさげ改め、アンジュがカナトを振り返った。
「あらためて自己紹介するね。私はアンジュ。彼は夫のフェリックよ。あなたは?なんて呼べばいいの?」
「えと、カ……じゃなくて、ハルロ……」
以前偽物の親が名乗り出た時に呼ばれていた名前を使った。理由は単に本名を名乗りたくなかっただけである。
しかし後々考えた時、まだ魔女狩りが収まっていないらしいので、カナトが魔女だという噂が広がっているかも知れない状況を考えるに、これは正解だったのかもしれない。なんせ、あの劇場で貴族たちの前で自分が魔女だと認めたからである。
どこからカナトの名前が魔女の名前であるともれるのかわからない。
「そうなのね。ハルロか……なんだか似た名前を聞いたことあるような」
「そ、そうか?」
「やっぱり昔同じところで働いていたから記憶のどこかに残っていたかもね!」
「たぶんそうだ!」
「とりあえず私たちのお店に行こうよ。フェリック、ピクニックはまた別の日にしましょ?」
「そうだな」
2人の邪魔をしたみたいだな。
申し訳なく思いながらもカナトは2人が開いたという衣装店についていった。
そして傷を見てもらったが、胸の傷はすでに塞がって跡だけが残っており、他には空から落ちてきた時にできたと思われるかすり傷程度のみである。
だがなぜかフェリックの顔色が良くない。
カナトが新しく用意してもらった服を着込みながら首を傾げた。
「どうかしたのか?」
「え?あ、いや。なんでもない。先に出ている」
「ああ、わかった」
アンジュとフェリックが開いたお店は、店と居住部屋が繋がった建物で、カナトが現在いるのはフェリックの部屋らしい。
話によると、アンジュは有名衣装屋でしばらく働いたあと、今の夫フェリックと出会い、お金を貯める傍らでお店を開こうと考えていたらしい。
つい半年前に店を開く夢が叶い、夫婦手を取り合って今日までやってきたらしい。
「あの3人よく一緒にいるところ見るからなぁ。他の2人も結婚したか?」
おぼろげにボブカットのメイドとお団子のメイドの姿を思い出そうとするが、記憶がかなり曖昧になっている。
そして、カナトには気になったこともある。フレジアドが国王に就いたということは、アレストも宰相になったのではないだろうか?あの2人は協力関係だとアレスト自身が口にしている。
とすると、イグナスはもう……。
そこまで考えてカナトが思い切り頭を振った。
考えるな、考えるな。他のことを考えろ。そもそも今はどういう時間線だ?それを訊かないと。
震える指先で首もとのボタンを止め、部屋のドアを隙間程度に開けたところで「ダメだ!」というフェリックの声が聞こえた。
ん?なんだ。喧嘩か?
「あの人の体を見たが、傷だらけだった。あきらかに普通じゃない。きみの昔の同僚というのも信憑性に欠ける。やっぱり置いていけない。早く追い出すべきだ」
「でも……どうしても悪い人には……」
「本当に悪い人は顔に出さない。逆に俺たちをだましていない確証もないだろ?しかも魔女が死んだことで、その呪いが各地にまかれ、魔女にされた人々がいるって話だろ。あの……なんだっけ、そうカナト!お前の昔の主人の専属使用人に化けていた魔女が死んだことで、主人のほうも性格変わっただろ?」
「そう、だけど……やっぱりあの子は魔女じゃないと思う」
「アンジュ!俺の言うことを聞いてくれ。駐屯している兵士に言うんだ。あのハルロという男は怪しすぎる!魔女は捕まって拷問される。あの体の傷も拷問痕かもしれない。もし逃げた魔女だったらどうする?」
「………っ」
カナトはゆっくりとドアを閉めた。
……今、そういう話しになっているのか。アレストの性格が変わった?俺のせいか?
カナトが慌てて頭を振った。
ダメだ、考えるな。………逃げるか?このままおさげ……じゃなくて、アンジュたちに迷惑かけられないしな。
カナトは自分の衣服を見た。あの血だらけの服はもう着れない。この服をもらっていくしかない。何か金になりそうなものがないかと自分の所持品を見た。
が、逃げる時は無我夢中だったため、何も持っていなかった。
服に支払う対価がねぇ……!
絶望に固まっていると、後ろでドアが開けられた。
「ハルロ」
「え、アンジュ?」
「考え事中?お邪魔してごめんね」
「いやいや!大丈夫!どうしたんだ?」
「……実はね」
アンジュが後ろを気にしながらドアを閉め、サッとカナトと距離をつめた。
「実は早く逃げてと言いにきたの」
「え……?」
「フェリックがもうこの町に駐屯している兵士にあなたが魔女だって言いに行ってるわ。これ、少ししかないけど道中の足しにして」
そう言ってカナトの手に小袋を握らせた。
「お金?いや、いいって!この服だって」
「服もあげるわ。早く逃げて。私、どうしてもあなたが悪い人だとは思えない。それに、すごく懐かしく感じるの」
「………本当に、もらっていいのか?」
「もちろんよ!さあ、早く逃げて!」
カナトが戸惑いながら逃げようとした。だがはっとしてアンジュを見る。このままではアンジュが魔女を逃したとかで罪にならないか?と考えた。
「ドラマの中みたいにするか!」
「どら……え?」
「お前が疑われないように縛るんだよ!」
「え!」
「俺を逃したんじゃなくて、俺が無理やり逃げたってことにすればお前は安全なんだよ!」
何かとてつもなくいい案を思いついた、と言わんばかりの輝いた顔にアンジュは見覚えがある気がした。すぐに頭痛に顔をしかめ、その間にぐるぐるとカーテンで体を巻かれた。
「アンジュ、本当にありがとな。必ずお礼はするから」
アンジュは、それよりも逃げてほしいと言いたかったが、言葉が出なかった。
窓から飛び出すカナトの姿が、どうしようもなく懐かしく感じる。昔にもどこかで見たことあるような気がしてならない。
だが酷い頭痛にすぐにそんなことを考えられなくなった。
「逃げ切ってね、ハルロ」
なぜかその名前がしっくりこなかった。しかしそう感じる理由がわからない。
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