🗡️🐺Roda『The One Who Opens the Door to the World』(ローダ・世界の扉を拓く者)

🗡🐺狼駄(ろうだ)

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第5部『Resonant Fate(響命)』

第62話『FREEDOM(自由を掴め)』 A Part

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『皆も聴いてくれッ! 今そこでえらぶる化け物なんて流ッ! 奴が首元から下げてる金属片、あれを破壊するんだ。それさえ出来ればさっき迄のフィスチノより余程弱いッ!』

 扉の候補者ローダ・ファルムーンが晒したフィスチノの退化。
 スフィンクスは進化に在らず、人の座から滑り堕ちたけもの。神話が成し得た

 くすぶりが収まった炭化タングステンの剣を迷わず納刀したローダ、後は信頼する皆に全てを一任した。

 ローダ可能性の扉を拓いた鍵の女性、ルシア・ロットレンが天女の如く風の精霊術で宙を乱舞。
 ただのなる化け物の横っ面を蒼白い輝きまとった両拳と両脚でしたたかに蹴り散らした。
 氷の精霊グレイシャ鉱石の精霊オレリスで硬質化した合成術の輝き。

 その流麗りゅうれいさ、衣服の隙間すきまから白き手足がのぞ美麗びれいぶり。まさしく神が天からつかわし人に宿やどった女神そのものを思わす。
 賢士けんしルオラの偽物をずっと続けたルシアが遂に真実を爆発させた。

 抵抗出来ぬフィスチノスフィンクス、ルシアに打ち負かされ態勢をくずした処。
 黄色チャクラきらめく三節混さんせつこんが情け無用で後ろから首根を叩き潰した。

 我が地元ロッギオネを蹂躙じゅうりんされた怒り。
 心底愛する賢士けんしスオーラ・カルタネラに人の命を奪わせた激昂げきこう
 僧兵フィエロ・ガエリオ、『万死ばんしに値する!』戦之女神エディウス神に仕える最底辺の器が炸裂した。

 フィスチノが魔神ラウムの力を借り受け、己の石砦を石の傀儡ストーンゴーレムに再錬成れんせい
 それらを相手にするしかなかった戦之女神エディウス側の兵士達すら『我かんッ!』と勇敢ゆうかんさを取り戻して往く。

 その勢いたるや、物語の最終局面。颯爽さっそうたる音楽Endingが皆のBeatを熱く震わす。

「グッワッ! よ、よくも坊主僧兵如きガァッ!」

 屈辱くつじょくにじむフィスチノ、なれど黄色のチャクラ染みた三節混に殴られ成す術なく地面に顔を叩き付けらる瞬間。
 不意に暴発する地面、石のとりでを吹き飛ばした残りの火薬を兵達が有りったけ叩き込んだ。

 グッサッ! ブシュゥゥッ!!

 破裂した地面には既にはじけていた石畳いしだたみ、さらに火薬で吹き飛び剣山へ転じ、スフィンクスの首や顔を滅多めった刺しにした。飛び散るけがれた血飛沫ちしぶき化け物モンスターでも赤だった。人を喰らったの色か。

 上から振るったフィエロの三節混、何者かがこれを踏み台にする。途轍とてつもなき豪傑ごうけつが何処からともなく現れた。

「ふ、副長ッ!?」

「修道騎士副長、ルッソ・グエディエル。すいさんッ!」

 一度フィエロが負かした副長ルッソが自分の棒術の上を跳ねる蛮勇ばんゆう、自分の目を疑うフィエロ。褐色かっしょくのルッソがくのが大いに映えた。

 偃月刀シミターかかげ、スフィンクスの首元目掛け一直線に跳ぶ。ルシアがさずけた真空の刃風の精霊術で魔神ラウムを操る媒介触媒──首から下がった物に狙いを定めた。

 カシャンッ!

「やってやったぜッ! ルオラ様──いや戦之女神エディウス様も御照覧ごしょうらんあれッ!」

 これぞ千載一遇せんざいいちぐう
 スフィンクスの首が自分に届くこの機会チャンスをルッソは待ち続け、見事にこれを断ち切った。
 グエディエル姓──。
 150年前このロッギオネ生誕のおり、活躍した修道騎士の名誉挽回。今、此処に見事せた。

 スフィンクスの強さ、これは魔神ラウムの力を借り受けた欺瞞ぎまん。これを叩き斬り裂いたのは、よもやよもや、副長の座に胡坐あぐらいてたルッソであった落とし前。

 こればかりは皆が驚嘆きょうたんの叫びを上げるか、あるいは失った者すら現れた。
 然し誰よりも驚異きょういに震えた存在、語る迄もなくフィスチノスフィンクスに他ならない。

 執拗しつこいが魔神の力を喪失したのだ。絶望が彼女の魂を大いに揺らした。
 石くれ達ゴーレム共が一斉に崩れ散った。ラウムの力を失った必然。

ぜなさい、爆炎の精霊イグニスッ!」

 最早もはや戦意を喪失し掛けたスフィンクス。再び薄着の天女ルシアが膝蹴ひざげりで落ちた首を無理矢理かち上げてからの回し蹴り。
 赤い目を狙いました会心の一撃。その何れも爆炎はじけ人の5倍位ある巨体が激震げきしん。左目を完全に潰された。

 躍動やくどうめざましいルシア。然も女傑ヒロインの胸元が大きく揺れ、白一色の両脚が総ての視線に飛び込んだ。

 これには地上を往く男共──いや、女性陣すらその美しさと勇ましき姿形に心をしばらく釘付け。ぼう立ちするより他がなかった。

 一応、倒れながら火焔かえんを吐くフィスチノの悪足掻あがき。
 後方から争いの様子をながめるローダ、ルシアの純粋な強さに改めて舌を巻くのだ。

「これは思ったより早くカタがつきそうだな」

 余裕面、もう華麗かれい舞台Showでも観劇する気分であったローダの脇を猛然もうぜん藍色あいいろの風が駆け抜ける。

 ▷▷──パッパ、まさか今の?

 ルシアがくれた木の葉風の便りに意識を潜めていた娘ヒビキも気づいたらしい。父ローダに衝撃の気分を伝える。

「あ、嗚呼……ま、間違いない。──がっ、何故動ける!?」

 ローダとて今宵こよいで最たる信じ難い場面に遭遇そうぐうした気分に心駆られた。然もさっき迄よりも速い足取りであった。

「ハァァ……俺が必ず貴様に最期の一撃を見舞ってやるッ! スオーラの分までぇッ!」

 既に化け物狩りモンスターハンターですらなくなったフィスチノ退治。
 ただ巨大なだけの猛獣もうじゅうがルシアやフィエロに敵う道理がなき哀れ。

 地面で藻掻もがくフィスチノを目前に余裕でチャクラを高める呼吸を始めたフィエロ。
 まだ生きてる右眼を射抜いぬく為、流したチャクラの色は──緑を越えた青第5のチャクラ

 今、まさに飛び掛からんとした刹那せつな
 藍染あいぞめ六芒星攻勢の星──両腕を蒼い剣クオレスパーダに成した女性が華麗かれいに左脇を跳ねたのが見えた。

「す、スオーラッ!?」
つかみましょうフィエロ、誰でもない私達の手で自由をッ!」

 フィエロ、賢士けんしスオーラ三度目の復活劇の理由。最早思考を止め、共に笑顔で地面を蹴った!

 青い棒術と蒼白い心之剣クオレスパーダが夜空に新たな新星を生む。
 若者二人が描いた決して終わりなき超新星の輝き。強いきずなと愛がはぐくスバルだ。

「や、止めろォォッ!」

 巨大なフィスチノが情けなき命い、子供の如く駄々だだねるしか能のない堕落だらくよだれ代わりに火を撒き散らした。

「皆の分ッ! 私の分ッ! フィエロの分ッ!」
「うおぉぉッ! 喰らいやがれェェッ!」

 スオーラが両腕の剣をそろえ、前へを突き出す。
 ほぼ横並びであったフィエロの、僅かに遅れた。

 ズバッ!

 先んじた形に成ったスオーラがルシアが穿うがった左目へ躰毎飛び込み、心之剣クオレスパーダでフィスチノの後頭部迄刺しつらぬいた。

 ズドンッ!

 続いてフィエロ、青のチャクラスロートチャクラを流した棒毎、やはり己を投擲とうてきと成す。右目を刺す。そのまま貫き斜め下、フィスチノの首元を抜けた。

「くぅッ! み、皆ぁ! や、やったよ私ッ!」

「勝ったァッ!」

 スオーラとフィエロ、手応てごたえと云うかこれは躰応からだごたえと呼称すべきか?
 勝利を確信、互いに涙を流し、視線を絡め合った。

 横から二人の鮮烈せんれつを眺めたルシア──二人が描いた青き星の軌跡が十字にみえた。
 確かに力こそ貸した。だが二人の奇跡が呼び込んだ誓いの十字架ロザリオに思え、自由の復帰に笑顔がこぼれた。
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