52 / 80
第4章 クラブ編
6 男と女が一緒にいるだけでカップルにみられる現象
しおりを挟む
ジャズバー兼クラブのオーナーであるブラッドは、今夜はステージにあがらないのだろうか?
着ているTシャツはマーベルのキャラクターペイントがされている。
擦り切れたダメージジーンズを履き、こなれたリラックスタイムを事務所で満喫しているような格好をしていた。
「おお! ミサオ! なかなか来ないからどうしたのかと思ってたぞ」
「すいません。連れがいたので……」
俺はソフィアを見た。
「そうかー、まさか可愛いお連れ様がいたとはな」
ブラッドは人懐っこい笑みで歩み寄ると正面のソファに座った。
この犬ような笑顔は父親であるアランの血を受け継いでいる。
コンクールで審査員長をしていたアランの息子であるブラッドは、果たしてソフィアを知っているのだろうか。
「はじめまして、ソフィアと申します」
可愛いお連れ様であるソフィアは丁寧に立ち上がると、ここはまるで社交会場かのような立ち振る舞いでお辞儀をした。
ブラッドは、若干恐縮しながらソフィアの顔をじっと覗き込んだ。
そして、気づいたようだ。
俺がどっかの若い娘を連れてきたと思っていたみたいだ。
たしかに、ぴちっとしたデニムにへそ出しピンクフリルの格好をしたソフィアは、その辺の若い娘となんらそん色はない。
だが、その辺の娘ではなかった。
よく見ると目の前にいるのは、コンクールで優勝した美人ピアニストなのだ。
だからブラッドの驚愕ぶりは、
「え! うそ! まじかよ、ソフィアちゃんじゃないか!」
と、まるでアイドルに会ったファンのように喜ぶほどだった。
「会えて嬉しいぜ! ソフィアちゃんコンクール優勝おめでとう。俺は観に行けなかったけど、あとで親父から聞いたぜ」
俺はブラッドはちょっとミーハーなところがあるのかなと思った。
たしかブラッドはケリーと音大で同級生だった。
よって年齢は37才、男として脂ののった時期だ。
だが、それは今後いい男になるかどうかの分かれ道でもある。
いつまでも若い男か、おっさん一直線の男かだ。
それは残酷なくらい差がつく。
ブラッドは中肉中背ではあるもののお洒落で清潔感もあり割と前者だ。
トレードマークのドレッドヘアを揺らしながらジャズピアニストの腕前を披露すれば女にモテるであろう。
さらにクラブのオーナーだから経済力もある。
だが、なぜだかいまだ未婚だ。
それはなぜなのか? 大人の男は何を考えてるのかわからない。
と、思考する俺の脳内で閃きのスパークがはじける。
あ、そういえば!
ケリーとブラッドは大学で一緒だった。ということは、もしや……。
俺はブラッドの顔をまじまじと見てから質問した。
「ねえ、ブラッドはソフィアのこと知ってるの?」
「ああ、知っているよ。モルガン先生のお孫さんだろ?」
ソフィアは、こっくりとうなずく。
その目は、はて? どこかでお会いしましたかしら? と疑念を宿していた。
だが、問いかける勇気はないのだろう。変わりに俺がたずねる。
「なんで知ってるの?」
「なんでって、俺が大学生だったころモルガン先生には色々お世話になったからな。ソフィアちゃんのことはモルガン先生の追悼式のときに見かけて知ってるんだ。俺の親父はよく言っていたよ。ソフィアちゃんはモルガン先生の生き写しだってな」
生き写しか……。
今まさに、転生という生き写しが俺とソフィアの関係を邪魔しようとしていた。
そうか、やはりだ。
ブラッドはモルガンを知っていた。
もしかすると、モルガンのピアノの演奏も聴いたことがあるかもしれない。
そうすれば、ソフィアの録音したピアノをブラッドが聴けば、ひょっとしたら何かわかるかもしれない。
そこで俺は一つ作戦を思いついた。ソフィアの協力がいるので様子をうかがう。
ソフィアは、作ったような笑顔でこの場をやり過ごそうとしていた。
わたしは臆病なところがあります……。
と言っていた通り、あまり知らない人への対応は苦手のようだ。
ブラッドが俺たちをじろじろ見て茶化す。
「にしても、ミサオも隅に置けないなー、コンクールで優勝を争うライバルだったはずのソフィアちゃんともうカップルになっているとは、まったく大した男だよ」
カップルという言葉に反応して頬を赤く染めるソフィアは、両手で顔を覆った。
俺は照れ笑いを浮かべながら、言い訳をする。
「あはは、今夜はソフィアに俺の曲を聴いてもらおうと思って連れてきたんだ。ソフィアはゲスト扱いとして無料でいいでしょ、ブラッド?」
「ああ、もちろん。ソフィアちゃん楽しんでってね」
「あ、はい」
ソフィアはうなずいて下を向く。
ブラッドはミサオに向けて満面の笑みを浮かべて耳もとでささやいた。
「聴かせたい女を見つけてよかったな、ミサオ!」
俺はさらに照れるしかなかった。
こういう時はどんな反応をするべきなのだろうか。
第三者から見ればカップルに見られるのかと思うとなんだか幸せな気持ちになる。
下を向いているソフィアの顔を覗き込んだ。
果たしてソフィアは俺の作った曲を聴いて楽しんでくれるかな?
恥ずかしがり屋のソフィアのために、曲の出始めは静かなゆったりとした旋律を奏でるようにした。
俺はクラシックしか弾いたことがなかった
だが、色々なジャンルの音楽を表現してみたらどうかとブラッドに教えられて作曲をしてみた。
俺は正直言って驚いた。
どうやら俺は音楽を作り出すことに喜びを感じるタイプらしい。
俺はあの日、ジャスミン先生と面談したのあとブラッドの経営するクラブ、つまりこの店に立寄った。
ブラッドは路地裏にいた。重そうなビール瓶の入ったケースを運んでいた。
声をかけると手伝えと言われた。持ち上げると重量は20キロはありそうだった。
クラブのオーナーであるブラッドが、なぜこんな下働きをしているのか尋ねると、何食わぬ顔をして筋トレだ、と答えた。
なるほどなと感心した。そして、この人なら悩みを相談できると思った。
さらに、作った曲を披露できる場所を提供してくれた。
そんなブラッドには感恩報謝をしっかりとしておきたいところだ。
俺はブラッドに頭を下げる。
「ブラッド、今日は出演させてくれてありがとう」
ブラッドは照れ臭そうに指で鼻をさわった。
「いいってことよ。おれもミサオの作った曲がどんなものか気になってるからな。期待してるよ。DJ MISA!」
ブラッドは、陽気に立ち上がった。パーテンションの奥に移動する。
姿が隠れる。
冷蔵庫が開けられる音がした。
喉でも乾いたのだろう。プシュッと炭酸の抜ける音が響く。
事務所の中は防音壁がしっかりとしておりクラブからの重低音だけは壁から漏れて聞こえてくるものの、こうやって会話をしたり人の生活する音を聞くこともできた。
よし! ここならソフィアの録音したピアノの音もブラッドの耳に届くだろう。
俺は作戦を実行に移した。
ブラッドに先入観を持たせないで聴かせようとしたのだ。
俺はソフィアに小さく指示をだす。
「ソフィア、ソフィア、いまスマホに録音したピアノの音を聴かせてくれないか?」
「え! いまですか?」
「ああ、さっきブラッドの話を聞いただろう。モルガン先生にお世話になったって」
「あ、はい」
「ということは、もしかしたらおじいちゃんの演奏を聴いたことがあるかもしれないよ! だから、それとなく聴かせてみようよ」
「わ、わかりました」
ソフィアは、ポーチからスマートフォンを取り出すと画面に顔を近づけた。
顔認証システムによってパスコードのロックが解除される。
そして、録音アプリを起動させ、
「じゃあ、いきますよ……」
とささやいた。
神妙に指先で再生ボタンを押す。
だが、しばらくしても何も聞こえてこない。
俺たちは目を合わせる。
本当に録音できているのか?
と、疑った瞬間!
クラブから漏れている重低音とは異世界のピアノの音が響いた。
まるで、大きな鐘が木槌で打ち鳴らされ、鳥が青空の彼方へと羽ばたいているかのような情景が浮かんでくるようだった。
事務所の殺風景な空間が一変して、上質なクラシック音楽の世界に包まれていく。
伸びのある甲高い和音の響きが奏でられると、さすがにブラッドが声をあげた。
「ん? なんだ?」
ブラッドの表情はパーテションで隠されていて見ることができない。
だが、何やら首を傾げる影が見える。
俺はブラッドが何か感じてくれることに期待した。
着ているTシャツはマーベルのキャラクターペイントがされている。
擦り切れたダメージジーンズを履き、こなれたリラックスタイムを事務所で満喫しているような格好をしていた。
「おお! ミサオ! なかなか来ないからどうしたのかと思ってたぞ」
「すいません。連れがいたので……」
俺はソフィアを見た。
「そうかー、まさか可愛いお連れ様がいたとはな」
ブラッドは人懐っこい笑みで歩み寄ると正面のソファに座った。
この犬ような笑顔は父親であるアランの血を受け継いでいる。
コンクールで審査員長をしていたアランの息子であるブラッドは、果たしてソフィアを知っているのだろうか。
「はじめまして、ソフィアと申します」
可愛いお連れ様であるソフィアは丁寧に立ち上がると、ここはまるで社交会場かのような立ち振る舞いでお辞儀をした。
ブラッドは、若干恐縮しながらソフィアの顔をじっと覗き込んだ。
そして、気づいたようだ。
俺がどっかの若い娘を連れてきたと思っていたみたいだ。
たしかに、ぴちっとしたデニムにへそ出しピンクフリルの格好をしたソフィアは、その辺の若い娘となんらそん色はない。
だが、その辺の娘ではなかった。
よく見ると目の前にいるのは、コンクールで優勝した美人ピアニストなのだ。
だからブラッドの驚愕ぶりは、
「え! うそ! まじかよ、ソフィアちゃんじゃないか!」
と、まるでアイドルに会ったファンのように喜ぶほどだった。
「会えて嬉しいぜ! ソフィアちゃんコンクール優勝おめでとう。俺は観に行けなかったけど、あとで親父から聞いたぜ」
俺はブラッドはちょっとミーハーなところがあるのかなと思った。
たしかブラッドはケリーと音大で同級生だった。
よって年齢は37才、男として脂ののった時期だ。
だが、それは今後いい男になるかどうかの分かれ道でもある。
いつまでも若い男か、おっさん一直線の男かだ。
それは残酷なくらい差がつく。
ブラッドは中肉中背ではあるもののお洒落で清潔感もあり割と前者だ。
トレードマークのドレッドヘアを揺らしながらジャズピアニストの腕前を披露すれば女にモテるであろう。
さらにクラブのオーナーだから経済力もある。
だが、なぜだかいまだ未婚だ。
それはなぜなのか? 大人の男は何を考えてるのかわからない。
と、思考する俺の脳内で閃きのスパークがはじける。
あ、そういえば!
ケリーとブラッドは大学で一緒だった。ということは、もしや……。
俺はブラッドの顔をまじまじと見てから質問した。
「ねえ、ブラッドはソフィアのこと知ってるの?」
「ああ、知っているよ。モルガン先生のお孫さんだろ?」
ソフィアは、こっくりとうなずく。
その目は、はて? どこかでお会いしましたかしら? と疑念を宿していた。
だが、問いかける勇気はないのだろう。変わりに俺がたずねる。
「なんで知ってるの?」
「なんでって、俺が大学生だったころモルガン先生には色々お世話になったからな。ソフィアちゃんのことはモルガン先生の追悼式のときに見かけて知ってるんだ。俺の親父はよく言っていたよ。ソフィアちゃんはモルガン先生の生き写しだってな」
生き写しか……。
今まさに、転生という生き写しが俺とソフィアの関係を邪魔しようとしていた。
そうか、やはりだ。
ブラッドはモルガンを知っていた。
もしかすると、モルガンのピアノの演奏も聴いたことがあるかもしれない。
そうすれば、ソフィアの録音したピアノをブラッドが聴けば、ひょっとしたら何かわかるかもしれない。
そこで俺は一つ作戦を思いついた。ソフィアの協力がいるので様子をうかがう。
ソフィアは、作ったような笑顔でこの場をやり過ごそうとしていた。
わたしは臆病なところがあります……。
と言っていた通り、あまり知らない人への対応は苦手のようだ。
ブラッドが俺たちをじろじろ見て茶化す。
「にしても、ミサオも隅に置けないなー、コンクールで優勝を争うライバルだったはずのソフィアちゃんともうカップルになっているとは、まったく大した男だよ」
カップルという言葉に反応して頬を赤く染めるソフィアは、両手で顔を覆った。
俺は照れ笑いを浮かべながら、言い訳をする。
「あはは、今夜はソフィアに俺の曲を聴いてもらおうと思って連れてきたんだ。ソフィアはゲスト扱いとして無料でいいでしょ、ブラッド?」
「ああ、もちろん。ソフィアちゃん楽しんでってね」
「あ、はい」
ソフィアはうなずいて下を向く。
ブラッドはミサオに向けて満面の笑みを浮かべて耳もとでささやいた。
「聴かせたい女を見つけてよかったな、ミサオ!」
俺はさらに照れるしかなかった。
こういう時はどんな反応をするべきなのだろうか。
第三者から見ればカップルに見られるのかと思うとなんだか幸せな気持ちになる。
下を向いているソフィアの顔を覗き込んだ。
果たしてソフィアは俺の作った曲を聴いて楽しんでくれるかな?
恥ずかしがり屋のソフィアのために、曲の出始めは静かなゆったりとした旋律を奏でるようにした。
俺はクラシックしか弾いたことがなかった
だが、色々なジャンルの音楽を表現してみたらどうかとブラッドに教えられて作曲をしてみた。
俺は正直言って驚いた。
どうやら俺は音楽を作り出すことに喜びを感じるタイプらしい。
俺はあの日、ジャスミン先生と面談したのあとブラッドの経営するクラブ、つまりこの店に立寄った。
ブラッドは路地裏にいた。重そうなビール瓶の入ったケースを運んでいた。
声をかけると手伝えと言われた。持ち上げると重量は20キロはありそうだった。
クラブのオーナーであるブラッドが、なぜこんな下働きをしているのか尋ねると、何食わぬ顔をして筋トレだ、と答えた。
なるほどなと感心した。そして、この人なら悩みを相談できると思った。
さらに、作った曲を披露できる場所を提供してくれた。
そんなブラッドには感恩報謝をしっかりとしておきたいところだ。
俺はブラッドに頭を下げる。
「ブラッド、今日は出演させてくれてありがとう」
ブラッドは照れ臭そうに指で鼻をさわった。
「いいってことよ。おれもミサオの作った曲がどんなものか気になってるからな。期待してるよ。DJ MISA!」
ブラッドは、陽気に立ち上がった。パーテンションの奥に移動する。
姿が隠れる。
冷蔵庫が開けられる音がした。
喉でも乾いたのだろう。プシュッと炭酸の抜ける音が響く。
事務所の中は防音壁がしっかりとしておりクラブからの重低音だけは壁から漏れて聞こえてくるものの、こうやって会話をしたり人の生活する音を聞くこともできた。
よし! ここならソフィアの録音したピアノの音もブラッドの耳に届くだろう。
俺は作戦を実行に移した。
ブラッドに先入観を持たせないで聴かせようとしたのだ。
俺はソフィアに小さく指示をだす。
「ソフィア、ソフィア、いまスマホに録音したピアノの音を聴かせてくれないか?」
「え! いまですか?」
「ああ、さっきブラッドの話を聞いただろう。モルガン先生にお世話になったって」
「あ、はい」
「ということは、もしかしたらおじいちゃんの演奏を聴いたことがあるかもしれないよ! だから、それとなく聴かせてみようよ」
「わ、わかりました」
ソフィアは、ポーチからスマートフォンを取り出すと画面に顔を近づけた。
顔認証システムによってパスコードのロックが解除される。
そして、録音アプリを起動させ、
「じゃあ、いきますよ……」
とささやいた。
神妙に指先で再生ボタンを押す。
だが、しばらくしても何も聞こえてこない。
俺たちは目を合わせる。
本当に録音できているのか?
と、疑った瞬間!
クラブから漏れている重低音とは異世界のピアノの音が響いた。
まるで、大きな鐘が木槌で打ち鳴らされ、鳥が青空の彼方へと羽ばたいているかのような情景が浮かんでくるようだった。
事務所の殺風景な空間が一変して、上質なクラシック音楽の世界に包まれていく。
伸びのある甲高い和音の響きが奏でられると、さすがにブラッドが声をあげた。
「ん? なんだ?」
ブラッドの表情はパーテションで隠されていて見ることができない。
だが、何やら首を傾げる影が見える。
俺はブラッドが何か感じてくれることに期待した。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…
美鈴
ファンタジー
俺は隼 豊和(はやぶさ とよかず)。年齢は15歳。今年から高校生になるんだけど、何を隠そう俺には前世の記憶があるんだ。前世の記憶があるということは亡くなって生まれ変わったという事なんだろうけど、生まれ変わった世界はなんと貞操逆転世界だった。これはモテると喜んだのも束の間…その世界の男女比の差は全く無く、男性が優遇される世界ではなかった…寧ろ…。とにかく他にも色々とおかしい、そんな世界で俺にどうしろと!?また誰とも付き合えないのかっ!?そんなお話です…。
※カクヨム様にも投稿しております。内容は異なります。
※イラストはAI生成です
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる