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84.良い人
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84.良い人
「たっだいま~」
別に誰も居ないけど機嫌よく挨拶してみた。
何せ、話が上手くまとまったからね!
「アカリさま、良い方と巡り会えて良かったですね」
「あ、スピカちゃん。一緒に行ってたのに、全然出てこないし……。どうしてたの?」
確か、ミンタカやベテルギウスと挨拶した時にぽっけからぴょこっと出てきてただけな気が……。
「あら、言っていませんでしたか?
我々妖精族は、自分の得意分野に特化した種族で、厳密には生き物でもありません。
なので、自分の領域から離れた所へ行くと、本来持つ力を発揮出来ませんし、外で動き回るのにも多くの魔力を必要としてしまいます」
「そうだったんだ! 知らなくてごめんね。
でも、あれ? 前にクランのパーティーに行った時はおしゃべりしてなかった?」
「何も出来ないワケではありませんよ。
今回も、何か言いたいことがあれば出ていくつもりでしたし、そのためについて行ったんですからね。
しかし、ミンタカさまもベテルギウスさまも、とても良い方の様でしたから、私が口を挟まなくても大丈夫だと思ったのです」
「やっぱり二人とも良い人だったよね。
さすが、カストルさんがオススメしてくれるだけあったよ」
「カストルさまの目は確かなようですね。
それに、私は『良い人』かどうかが何となく分かるんです。
妖精族に限らず、魔力を使って動く物は人の本質をある程度見抜けますよ」
「スピカちゃん、そんな特技もあったんだ!」
「私だけでなく、土妖精や《綿羊》も似たようなものですから、こうしてアカリさまのもとに集まって来ているのですよ?
アカリさまは、世界を見守るケサランパサランからの御加護を得るだけあって、本当に良い人ですからね」
「え、私は結構普通だと思うけどな……。
良い人という程じゃないし」
「こうして、自分が得た知識を広く人々に知って貰おうと努力するだけでも、充分良い事ですよ。
それこそ、女賢者ベガさまよりも世界に貢献しているかも知れません」
「そう、かなぁ……。
もし本当にそうだったら嬉しいね!」
「そういう、前向きで明るいところもアカリさまの良い所だと思いますよ」
くるくると上機嫌に飛び回るスピカちゃんはやっぱりかわいい。
「えへへ、ありがと。
今回のお出かけは、ミンタカと会って麻婆豆腐の作り方を教えるだけのつもりだったけど、思いのほか収穫があったからね。
ベテルギウスと会えたし、向こうは自分達である程度良いようにしてくれそう」
「そうですね。この世界の過酷さは私達の予想以上のものがあるようですし、それを救うなど、アカリさま一人で背負い切れるようなものではありません。
チームで動いてくれる人が沢山居るということは有難いことだと思いますよ」
「だから、私は私にしか出来ないことをやろうと思うの。具体的には、新レシピの開拓ね。
その上、ミンタカやラムちゃんに教えられるように、今までに見つけてるレシピの材料をきちんと計量もしなくちゃいけないし。
やることいっぱいだあ!」
「それだけ楽しみも多いということではありませんか。良い事だと思いますよ」
ふふふ、と笑うスピカちゃんと一緒に、色んなことやっていけたらいいな。
やりたいことは沢山あるけど、一歩づつ進んで行こうと思ったよ。
「たっだいま~」
別に誰も居ないけど機嫌よく挨拶してみた。
何せ、話が上手くまとまったからね!
「アカリさま、良い方と巡り会えて良かったですね」
「あ、スピカちゃん。一緒に行ってたのに、全然出てこないし……。どうしてたの?」
確か、ミンタカやベテルギウスと挨拶した時にぽっけからぴょこっと出てきてただけな気が……。
「あら、言っていませんでしたか?
我々妖精族は、自分の得意分野に特化した種族で、厳密には生き物でもありません。
なので、自分の領域から離れた所へ行くと、本来持つ力を発揮出来ませんし、外で動き回るのにも多くの魔力を必要としてしまいます」
「そうだったんだ! 知らなくてごめんね。
でも、あれ? 前にクランのパーティーに行った時はおしゃべりしてなかった?」
「何も出来ないワケではありませんよ。
今回も、何か言いたいことがあれば出ていくつもりでしたし、そのためについて行ったんですからね。
しかし、ミンタカさまもベテルギウスさまも、とても良い方の様でしたから、私が口を挟まなくても大丈夫だと思ったのです」
「やっぱり二人とも良い人だったよね。
さすが、カストルさんがオススメしてくれるだけあったよ」
「カストルさまの目は確かなようですね。
それに、私は『良い人』かどうかが何となく分かるんです。
妖精族に限らず、魔力を使って動く物は人の本質をある程度見抜けますよ」
「スピカちゃん、そんな特技もあったんだ!」
「私だけでなく、土妖精や《綿羊》も似たようなものですから、こうしてアカリさまのもとに集まって来ているのですよ?
アカリさまは、世界を見守るケサランパサランからの御加護を得るだけあって、本当に良い人ですからね」
「え、私は結構普通だと思うけどな……。
良い人という程じゃないし」
「こうして、自分が得た知識を広く人々に知って貰おうと努力するだけでも、充分良い事ですよ。
それこそ、女賢者ベガさまよりも世界に貢献しているかも知れません」
「そう、かなぁ……。
もし本当にそうだったら嬉しいね!」
「そういう、前向きで明るいところもアカリさまの良い所だと思いますよ」
くるくると上機嫌に飛び回るスピカちゃんはやっぱりかわいい。
「えへへ、ありがと。
今回のお出かけは、ミンタカと会って麻婆豆腐の作り方を教えるだけのつもりだったけど、思いのほか収穫があったからね。
ベテルギウスと会えたし、向こうは自分達である程度良いようにしてくれそう」
「そうですね。この世界の過酷さは私達の予想以上のものがあるようですし、それを救うなど、アカリさま一人で背負い切れるようなものではありません。
チームで動いてくれる人が沢山居るということは有難いことだと思いますよ」
「だから、私は私にしか出来ないことをやろうと思うの。具体的には、新レシピの開拓ね。
その上、ミンタカやラムちゃんに教えられるように、今までに見つけてるレシピの材料をきちんと計量もしなくちゃいけないし。
やることいっぱいだあ!」
「それだけ楽しみも多いということではありませんか。良い事だと思いますよ」
ふふふ、と笑うスピカちゃんと一緒に、色んなことやっていけたらいいな。
やりたいことは沢山あるけど、一歩づつ進んで行こうと思ったよ。
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