ゲームちっくな異世界でゆるふわ箱庭スローライフを満喫します 〜私の作るアイテムはぜーんぶ特別らしいけどなんで?〜

ことりとりとん

文字の大きさ
113 / 131

113.★★の回復薬

しおりを挟む
113.★★の回復薬


「★★ということは、表面に見える範囲の傷はほぼ治るんだ。かなり深くてもな。
それに、小さなヒビなら骨まで治ることもある。それがどれだけ大切なことか、分かるか?」


カストルさんの目つきが真剣どころじゃないくらいに真剣だ。


「★★にして、尚且つ効果の高い薬にするには、大きさを揃えて、ちょうど良いサイズで切って貰わなきゃいけないの。
だから、わざわざプロキオンを指名してるんだよ。他の人には難しいらしいから」


「そうだな、嫌がる奴も多いだろう。
だが、★★の回復薬の為ならやる。一本作るのに、どのくらい必要だ?」

「これくらいだよ」

一掴みを示して見せると。

「よし、分かった。暇を見つけてにはなるが、俺もできる限り生産しておこう。
作ってアカリに送れば良いな?」

「いや、私は経験値が欲しいから錬成させてもらってるけど、急ぎで必要なら錬成までやってもらってもいいよ?」


「今すぐ錬成が出来る奴を探す方が難しい。
ここにいる生産メンバーなら出来るだろうが、麻婆豆腐やポテサラも欲しいからな。
出来ることはやるぞ」


カストルさんがやる気を出してくれているのはとっても有難い。
素材が増えるのもそうだけど、このクランの中での生産の地位が上がってくれたら嬉しいんだよね。



「ちなみに、この前頼んだ素材なんだけど」

「ああ、今取りに行かせているぞ」

「ありがと。それ、この前頼んだよりも沢山欲しいんだよ。出来そう?」


「あれだけ沢山の★★回復薬を売ってもらったんだから、素材狩りくらいいくらでも行く。
どの程度必要だ?」


「この前お願いしたのの、五倍。いける?」


私の予想より、アルマクさんが積極的だったから。
もっと広げても良いかな、と思ったんだ。


「五倍か……。少し時間を貰えるか?
麻婆豆腐のおかげで、ルビー火山での素材はもう集まっているんだ。
だが、他のダンジョンはなかなか進んで居なくてな。
特に、次のスタンピード候補、エメラルド大森林の攻略が遅れている。ルビー火山の《鳳凰フラカン》ほどではないが、《世界樹テペトリ》も長く討伐出来ていない」


「長く、って具体的にどのくらい?」


「ボス復活から一ヶ月が勝負と言われている。その間なら、比較的楽に倒せるな。
だが、半年を越えると《鳳凰フラカン》のように、手が付けられなくなるから、それまでには討伐しなければならない」


「思ってたより短いね」

十年スパンなのかと勝手に想像してたけど、意外とすぐに成長しちゃうんだ。
野菜だって成長が速いんだから、迷宮ダンジョンも速いのかな。


「エメラルド大森林の《世界樹テペトリ》は前回討伐が半年前、倒してから一ヶ月は復活しないから、復活から五ヶ月ほど。そろそろまずい時期に差し掛かっているんだ」


「猶予が一ヶ月しかないのはツラいね。
二ヶ月に一度は討伐しないといけなくて、それが六ヶ所でしょ? 大変だあ」


そりゃあ、戦闘以外のことに目を向けられなくもなるよね。





しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます

腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった! 私が死ぬまでには完結させます。 追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。 追記2:ひとまず完結しました!

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました

腐ったバナナ
恋愛
異世界に転移した元会社員のミサキは、現代の調味料と調理技術というチート能力を駆使し、辺境の森で誰にも邪魔されない静かなスローライフを送ることを目指していた。 しかし、彼女の作る絶品の料理の香りは、辺境を守る冷酷な「鉄血」騎士団長ガイウスを引き寄せてしまった。

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

現代知識と木魔法で辺境貴族が成り上がる! ~もふもふ相棒と最強開拓スローライフ~

はぶさん
ファンタジー
木造建築の設計士だった主人公は、不慮の事故で異世界のド貧乏男爵家の次男アークに転生する。「自然と共生する持続可能な生活圏を自らの手で築きたい」という前世の夢を胸に、彼は規格外の「木魔法」と現代知識を駆使して、貧しい村の開拓を始める。 病に倒れた最愛の母を救うため、彼は建築・農業の知識で生活環境を改善し、やがて森で出会ったもふもふの相棒ウルと共に、村を、そして辺境を豊かにしていく。 これは、温かい家族と仲間に支えられ、無自覚なチート能力で無理解な世界を見返していく、一人の青年の最強開拓物語である。 別作品も掲載してます!よかったら応援してください。 おっさん転生、相棒はもふもふ白熊。100均キャンプでスローライフはじめました。

【完結】奇跡のおくすり~追放された薬師、実は王家の隠し子でした~

いっぺいちゃん
ファンタジー
薬草と静かな生活をこよなく愛する少女、レイナ=リーフィア。 地味で目立たぬ薬師だった彼女は、ある日貴族の陰謀で“冤罪”を着せられ、王都の冒険者ギルドを追放されてしまう。 「――もう、草とだけ暮らせればいい」 絶望の果てにたどり着いた辺境の村で、レイナはひっそりと薬を作り始める。だが、彼女の薬はどんな難病さえ癒す“奇跡の薬”だった。 やがて重病の王子を治したことで、彼女の正体が王家の“隠し子”だと判明し、王都からの使者が訪れる―― 「あなたの薬に、国を救ってほしい」 導かれるように再び王都へと向かうレイナ。 医療改革を志し、“薬師局”を創設して仲間たちと共に奔走する日々が始まる。 薬草にしか心を開けなかった少女が、やがて王国の未来を変える―― これは、一人の“草オタク”薬師が紡ぐ、やさしくてまっすぐな奇跡の物語。 ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜

奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。 パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。 健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。

貴族令嬢、転生十秒で家出します。目指せ、おひとり様スローライフ

ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞にて奨励賞を頂きました。ありがとうございます! 貴族令嬢に転生したリルは、前世の記憶に混乱しつつも今世で恵まれていない環境なことに気が付き、突発で家出してしまう。 前世の社畜生活で疲れていたため、山奥で魔法の才能を生かしスローライフを目指すことにした。しかししょっぱなから魔物に襲われ、元王宮魔法士と出会ったり、はては皇子までやってきてと、なんだかスローライフとは違う毎日で……?

処理中です...