殺戮人形産のおいしい野菜はいかがですか?〜最強美少女はふつうの農家を目指してるけど、やっぱり最強だったみたい〜

ことりとりとん

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10.納品

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「これは、ギルドへ持っていけばいいのかしら?」

大型荷台に山盛りになった野菜と小麦。
小麦はまだ収穫したばかりで茎に付いたままの状態だが、どうすれば良いのかよく分からない。
魔導書は次の種まきを指示してくるが、あの苦労を考えたら今日は終わりにしたかった。

というか、寝てる間に作物が収穫時期に入ってしまうと大変だし。

「まあいいわ。ギルドへ行きましょう」

魔導荷台と共にトコトコとギルドへ向かう。
何度も往復することになるなら、この道の行き来の仕方も考えないとな、などと思いながら。

「おい、それは何だ?」

「あら、ガッツさん。お野菜が沢山採れたのだけれど、いる?」

「欲しいが……。そんなに早く出来たのか?」

「ええ。帰ってから種まきをして、ついさっき収穫したのよ」

「そんなに早いのか! 凄いな!」

「そうなのかしら? 要るなら渡すわよ。ほら」

「いや、先にギルドに納めないといけないぞ。商業権は取ってないんだろう?」

そういえば、そうだった。
無許可の商売禁止、そんなルールがあるんだ。
あんなに言われたのに、忘れるところだった。

「忘れてたわ、ありがとう。とりあえずギルドへ渡してくる!」

とはいえ、ギルドの扉は普通の人間用の大きさ。浮遊荷台が入るはずもない。

「あのー、収穫したものを持ってきたのだけれど、どうしたらいいかしら?」

「ん? どういうことだ?」

ドルクは魔法を使う時の魔力の大きさを見てはいたものの、ここまで早く育つほどだとは思っていない。
ティーファが絞りに絞った威力の魔法しか見ていないから。

「麦とお野菜があるのだけれど、あのあとどうしたらいいのか、分からないの。魔導書も教えてくれなかったし」

「もう収穫出来たのか! 早いな!」

「そうなのね……。普通じゃないなら、もっと遅くするように出来ないかしら?」

「いやいや、遅くするなんてそんなもったいない! 早ければ早いほど良いんだからな!」

普通になれるようにしたいのに、全力で止められてしまった。

まあ、《組織》でも仕事が早い方が良いとは言われていた。ティーファはとても早くに全てを破壊することが出来るから、あんなに高評価を貰えていたんだし。
早いに越したことはないはず。たぶん。

「で、収穫物はどこにあるんだ?」

「表に台車を停めてあるわ」

「すぐに見に行く」

扉のド真ん前に置かれた台車を見て。

「……ギルドへの納品は裏口から受け付けてるんだ。知らなかったのは仕方がないが、もう少し邪魔にならん所に停めろ」

たしかに、言われてみれば周りの冒険者たちが荷台の隙間を通って中へ入る羽目になっている。
魔力で動く浮遊荷台は所有者以外動かせないから、邪魔でもどうしようも無いのだ。

「あら、ごめんなさいね。すぐに動かすわ」

冒険者たちは、「これだから世間知らずのお嬢様は」と心の中で思ったとか。




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