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第3章
【38話】夏祭り※(複数)
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開け放たれた窓から吹き込む風が風鈴を鳴らしていた。涼やかな音とは裏腹に、この畳敷きの部屋では布団が敷かれ、卑猥な行為が繰り広げられていた。
「はっぅ…あ!ぁっ…」
耐えるように枕を抱えて尻だけを後ろに高く突き上げる姿で敦志は男を受け入れていた。もう何人目かも何回目かもわからない。
今日は祭りということで休日集まったのだがこれのどこが祭りなんだ?と敦志は快楽に唇を噛み締めた。
全員甚平着用という、笹山のワケの分からない提案で敦志も甚平を着ていたはずだったがもはや下は穿いていないし、上だって肩にかかってるだけだ。足首の包帯だけが痛々しく目に映る。
また1人、敦志の前に立ったかと思うと
「しゃぶれよ」
と下卑た笑いを浮かべる。犯される敦志を見ていたらまた勃ってしまったのだろう。
「ぃ、やだっ…」
当然、敦志は拒絶を口にするが、それを許されるはずがない。耳元で何か囁かれると屈辱に耐えるような表情で、恐る恐るそれに手を伸ばして口を開けた。
「はーっ…まじでエロいな」
「んっ…ん、……んぁっあ!」
上目遣いの口淫に恍惚としながら上岡が吐息混じりに言うと、敦志の頬がカアッと赤に染まる。
その間も後ろから突き上げられて、うまく口に入れていることも手も疎かになって喘いでしまう。
目が潤み始めた頃、外村の視線に気付く。
外村はいつも誰かに抱かれる敦志をただ見ていて、目が合うとゾクッと身体が震えてしまい、すぐ逸らした。
「あ!ぁっ…」
達することが許されていない敦志は、快楽に敏感になり、オンナのように喘いでいた。
そんな、心とは裏腹に快楽に抗えない姿に外村は、安堵すら覚えていた。
これだけ穢されれば、他の男が好きだなんて言えなくなるだろうと。
どのくらいそうしていたのだろう、流れる汗の感覚にすら嫌悪感を覚えるのに、そこを突き上げられていると喘ぐことをやめられない。
「んっあ!…ああぁっ」
「すっげ、締まるっ…」
敦志は背中を仰け反らせてビクビクと身体を震わせるが、縛り付けられた陰茎では射精も出来ない。ナカに注がれる刺激すら小さく喘いでしまい、誰ともなく好き者だなと嘲笑した呟きが聞こえた。
敦志は涙を滲ませながら唇を噛んだ。シーツを握り締めた指先が白くなる。
―――違うっ…好きでこんなっ
心とは裏腹に体は快楽を覚え、男の陰茎を受け入れて喘ぎ声を上げて勃起し、挙句に絶頂を迎える。それが悔しくて悲しくて涙が滲む
「善すぎて泣いてんぜ?こいつ~」
「はっまじっすか?」
「っーかお前もうイったじゃん代われよ」
「今代わりますって」
「次誰ヤんの~?」
「外村は?」
誰かの一声で全員の視線が柱に寄りかかってだるそうに見ているだけの外村に向けられた。
敦志もつられて何気なく目を向けて外村と目が合い、後悔した。
―――外村さんは、嫌だ
シーツを握りしめる指に更に力が篭る。外村に抱かれるのは何故か他の奴等のそれとは違う。もっと深い底に引き摺り込まれそうな怖さがある。
逃れられないからせめて枕にうつ伏せて、身体を丸めて俯いていると畳を軋ませ足音が無情にも敦志に近づいてきていた。
暫くすると突然手首を掴まれグイッと起き上がらせられた。
「あ…っ…」
腕を引かれるまま起き上がり、顔を上げると目が合う。
目が合うだけで、触れられるだけで、昂った身体がゾクッと震えて慌てて目を逸らす。
そんな反応に、ふ、と笑みを浮かべて外村が敦志の腰を抱き寄せて、顎も自分の方に向かせた。
そして震えたままの唇にくちづける。
「ふ、……ぁ…ん、んん!」
息苦しさに逃れようと、後ろに後退ろうとするが一層と腰を抱き寄せられ身体が近づく。
肌の温度すら感じそうな程近づくと、外村に欲情されている証を嫌でも感じさせられる。
どうにか、その身体を押し離そうとするものの、キスが深まるばかりで敦志の乱れた吐息だけが部屋に響いていた。
唇が離れると肩で息をしながら、敦志は手の甲で自らの唇を拭って外村を睨む。赤らんだ頬と潤んだ瞳ではなんの威力もない。
「やめろよっこんな…」
意味が分からない。こんなキスはまるで…今までしてきた行為と別物のようだ。
現に、笹山たちとキスなんてしたことはない。だからこそ、性欲処理に過ぎないと感じるのに、だ。
「…嫌なら、もっとしてやる」
「はっ?…ん、ん!…ふ、ぅっ」
今度は、両手で敦志の頬を包み込み、逃がさないように唇を重ねてくる。
何度か啄んだ後、舌が無理矢理入ってきて敦志は息を乱しながら、外村の胸元をギュッと掴む。
「…そろそろ、祭りに行こうぜ」
一方、完全に存在しないかのような扱いをされていたので笹山は咳払いをしてみるものの、外村は一瞥しただけでまるで興味もないようだ。
―――…の野郎っ
心の中でだけ悪態をつくと、さっさと甚平を直して、まだ何かグズグズ言ってる上岡を、奥野と引きずって出て行った。
「はっぅ…あ!ぁっ…」
耐えるように枕を抱えて尻だけを後ろに高く突き上げる姿で敦志は男を受け入れていた。もう何人目かも何回目かもわからない。
今日は祭りということで休日集まったのだがこれのどこが祭りなんだ?と敦志は快楽に唇を噛み締めた。
全員甚平着用という、笹山のワケの分からない提案で敦志も甚平を着ていたはずだったがもはや下は穿いていないし、上だって肩にかかってるだけだ。足首の包帯だけが痛々しく目に映る。
また1人、敦志の前に立ったかと思うと
「しゃぶれよ」
と下卑た笑いを浮かべる。犯される敦志を見ていたらまた勃ってしまったのだろう。
「ぃ、やだっ…」
当然、敦志は拒絶を口にするが、それを許されるはずがない。耳元で何か囁かれると屈辱に耐えるような表情で、恐る恐るそれに手を伸ばして口を開けた。
「はーっ…まじでエロいな」
「んっ…ん、……んぁっあ!」
上目遣いの口淫に恍惚としながら上岡が吐息混じりに言うと、敦志の頬がカアッと赤に染まる。
その間も後ろから突き上げられて、うまく口に入れていることも手も疎かになって喘いでしまう。
目が潤み始めた頃、外村の視線に気付く。
外村はいつも誰かに抱かれる敦志をただ見ていて、目が合うとゾクッと身体が震えてしまい、すぐ逸らした。
「あ!ぁっ…」
達することが許されていない敦志は、快楽に敏感になり、オンナのように喘いでいた。
そんな、心とは裏腹に快楽に抗えない姿に外村は、安堵すら覚えていた。
これだけ穢されれば、他の男が好きだなんて言えなくなるだろうと。
どのくらいそうしていたのだろう、流れる汗の感覚にすら嫌悪感を覚えるのに、そこを突き上げられていると喘ぐことをやめられない。
「んっあ!…ああぁっ」
「すっげ、締まるっ…」
敦志は背中を仰け反らせてビクビクと身体を震わせるが、縛り付けられた陰茎では射精も出来ない。ナカに注がれる刺激すら小さく喘いでしまい、誰ともなく好き者だなと嘲笑した呟きが聞こえた。
敦志は涙を滲ませながら唇を噛んだ。シーツを握り締めた指先が白くなる。
―――違うっ…好きでこんなっ
心とは裏腹に体は快楽を覚え、男の陰茎を受け入れて喘ぎ声を上げて勃起し、挙句に絶頂を迎える。それが悔しくて悲しくて涙が滲む
「善すぎて泣いてんぜ?こいつ~」
「はっまじっすか?」
「っーかお前もうイったじゃん代われよ」
「今代わりますって」
「次誰ヤんの~?」
「外村は?」
誰かの一声で全員の視線が柱に寄りかかってだるそうに見ているだけの外村に向けられた。
敦志もつられて何気なく目を向けて外村と目が合い、後悔した。
―――外村さんは、嫌だ
シーツを握りしめる指に更に力が篭る。外村に抱かれるのは何故か他の奴等のそれとは違う。もっと深い底に引き摺り込まれそうな怖さがある。
逃れられないからせめて枕にうつ伏せて、身体を丸めて俯いていると畳を軋ませ足音が無情にも敦志に近づいてきていた。
暫くすると突然手首を掴まれグイッと起き上がらせられた。
「あ…っ…」
腕を引かれるまま起き上がり、顔を上げると目が合う。
目が合うだけで、触れられるだけで、昂った身体がゾクッと震えて慌てて目を逸らす。
そんな反応に、ふ、と笑みを浮かべて外村が敦志の腰を抱き寄せて、顎も自分の方に向かせた。
そして震えたままの唇にくちづける。
「ふ、……ぁ…ん、んん!」
息苦しさに逃れようと、後ろに後退ろうとするが一層と腰を抱き寄せられ身体が近づく。
肌の温度すら感じそうな程近づくと、外村に欲情されている証を嫌でも感じさせられる。
どうにか、その身体を押し離そうとするものの、キスが深まるばかりで敦志の乱れた吐息だけが部屋に響いていた。
唇が離れると肩で息をしながら、敦志は手の甲で自らの唇を拭って外村を睨む。赤らんだ頬と潤んだ瞳ではなんの威力もない。
「やめろよっこんな…」
意味が分からない。こんなキスはまるで…今までしてきた行為と別物のようだ。
現に、笹山たちとキスなんてしたことはない。だからこそ、性欲処理に過ぎないと感じるのに、だ。
「…嫌なら、もっとしてやる」
「はっ?…ん、ん!…ふ、ぅっ」
今度は、両手で敦志の頬を包み込み、逃がさないように唇を重ねてくる。
何度か啄んだ後、舌が無理矢理入ってきて敦志は息を乱しながら、外村の胸元をギュッと掴む。
「…そろそろ、祭りに行こうぜ」
一方、完全に存在しないかのような扱いをされていたので笹山は咳払いをしてみるものの、外村は一瞥しただけでまるで興味もないようだ。
―――…の野郎っ
心の中でだけ悪態をつくと、さっさと甚平を直して、まだ何かグズグズ言ってる上岡を、奥野と引きずって出て行った。
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