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第一章
第六話 殲滅
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リオはゆっくりと立ち上がり、奥で壁にもたれ掛かるベイジのもとに向かう。目の前まで近づくと、かすかに呼吸音が聞こえてくる。その音を聞いて安心すると、小さく笑みを浮かべる。
「……よかった」
一言呟くと、ベイジに背を向け、歩き出す。目的は決まっていた。村を地獄に変えた、魔物たちを一匹残らず殺し、レインのもとに向かう。それだけだった。
外に出ると、数体のゴブリンと狼のような四足の獣が待ち構えていた。こちらを見つけると、唸り声を上げ始め、刺さるような殺気を感じる。
「……良くも好き勝手やってくれたな」
拳を力強く握りしめる。鼓動が高鳴り、感情が怒りで染まる。そして、リオの瞳が竜の瞳のように変化しており、細く輝いていた。
リオが右腕を上に掲げる、小さく言葉を紡ぎ、魔法を詠唱する。すると、リオの手の平に小さな炎が現れる。徐々に炎は集まっていき、空中にはいくつもの炎の塊ができる。それを見た魔物たちは咆哮すると一斉に襲いかかってくる。
リオは腕を振り下ろす。炎の塊が魔物たちに降り注ぐ。炎は魔物に直撃すると、一瞬で炎に包まれる。断末魔を上げる間もなく、燃え尽きていく。それでも魔物が炎の隙間を縫ってリオに突撃してくる。リオは避けようとはしなかった。放った炎が意思を持ったように動き出し、突撃してくる魔物を包み込み焼き払う。リオはその炎を操り、村中の魔物たちを次々と殺していく。荒々しく、今までのリオとは別人のように。
——リオは息を荒げながら、村の中心で立ち尽くす。一面には魔物たちによって破壊された家の瓦礫。血溜まり。そして、灰になった魔物の残骸。
リオはレインのもとに向かおうとした。その時ーー
奥の方から甲高い悲鳴が聞こえてくる。リオは振り向くと、生存者の姿が。その人は追い詰められ、泣き崩れた表情を浮かべ、今にも狼のような魔物に襲われそうになっていた。
リオは駆け出す。足元の瓦礫を蹴り、魔法を使おうと手を伸ばす。だが、届かない。魔物が飛びかかり、牙が喉元に噛み付く。だが、牙は届くことはなかった。魔物の頭は瓦礫の上を転がりながら落ちる。体からは血を吹き出して倒れ、数秒、痙攣すると動かなくなる。
リオは、足を止める。魔物の死体の奥を見つめる。魔物の死体の横に剣を持った男が立っていた。その男をリオは知っていた。
「アル……おじさん?」
しかし、アルグレードはこちらを見ることなく、一点を見つめていた。剣を握っている拳は震えていた。リオは、アルグレードに近寄る。
「アルおじさん!」
再び名前を呼ぶと、アルグレードは声に気づきこちらを振り向く。様子が違うことに気づいたのか、リオのことを少しの間見つめる。そして、口が開く。
「無事じゃったか、リオ」
「うん、アルおじさんこそ」
リオは表情を緩め、安堵の息をつく。
「ベイジとレインも無事かの?」
聞かれた途端、リオは緩めた表情を再び引き締め、思い詰めた顔を浮かべた。
「ベイジは魔物に襲われて怪我をして、家の中で休んでる。でもレインは——」
「何かあったのか!?」
リオは言葉を詰まらせ、アルグレードに背中を見せるように振り返る。
「ごめん、アルおじさん。私、行かなきゃ」
そのまま、走り出す。
背後からアルグレードが呼び止める声が聞こえるが、振り返ることなく走り続けた。
レインのもとに向かう。それだけなのに、心の中は不安と焦りが膨らんでいく。そして、記憶が戻ったことによって今までの違和感の正体を理解し胸が締め付けられる。
息を切らし、血と瓦礫によって足が赤黒く染まっていく。それでも前に進み続ける。
――ついに、目的の場所に辿り着く。
リオは、ゆっくりと足を止め、息を整える。目の前の空間、中心には大きな木が生えており、その根元にレインの姿があった。レインはゆっくりとこちらを振り向く。
「……よかった」
一言呟くと、ベイジに背を向け、歩き出す。目的は決まっていた。村を地獄に変えた、魔物たちを一匹残らず殺し、レインのもとに向かう。それだけだった。
外に出ると、数体のゴブリンと狼のような四足の獣が待ち構えていた。こちらを見つけると、唸り声を上げ始め、刺さるような殺気を感じる。
「……良くも好き勝手やってくれたな」
拳を力強く握りしめる。鼓動が高鳴り、感情が怒りで染まる。そして、リオの瞳が竜の瞳のように変化しており、細く輝いていた。
リオが右腕を上に掲げる、小さく言葉を紡ぎ、魔法を詠唱する。すると、リオの手の平に小さな炎が現れる。徐々に炎は集まっていき、空中にはいくつもの炎の塊ができる。それを見た魔物たちは咆哮すると一斉に襲いかかってくる。
リオは腕を振り下ろす。炎の塊が魔物たちに降り注ぐ。炎は魔物に直撃すると、一瞬で炎に包まれる。断末魔を上げる間もなく、燃え尽きていく。それでも魔物が炎の隙間を縫ってリオに突撃してくる。リオは避けようとはしなかった。放った炎が意思を持ったように動き出し、突撃してくる魔物を包み込み焼き払う。リオはその炎を操り、村中の魔物たちを次々と殺していく。荒々しく、今までのリオとは別人のように。
——リオは息を荒げながら、村の中心で立ち尽くす。一面には魔物たちによって破壊された家の瓦礫。血溜まり。そして、灰になった魔物の残骸。
リオはレインのもとに向かおうとした。その時ーー
奥の方から甲高い悲鳴が聞こえてくる。リオは振り向くと、生存者の姿が。その人は追い詰められ、泣き崩れた表情を浮かべ、今にも狼のような魔物に襲われそうになっていた。
リオは駆け出す。足元の瓦礫を蹴り、魔法を使おうと手を伸ばす。だが、届かない。魔物が飛びかかり、牙が喉元に噛み付く。だが、牙は届くことはなかった。魔物の頭は瓦礫の上を転がりながら落ちる。体からは血を吹き出して倒れ、数秒、痙攣すると動かなくなる。
リオは、足を止める。魔物の死体の奥を見つめる。魔物の死体の横に剣を持った男が立っていた。その男をリオは知っていた。
「アル……おじさん?」
しかし、アルグレードはこちらを見ることなく、一点を見つめていた。剣を握っている拳は震えていた。リオは、アルグレードに近寄る。
「アルおじさん!」
再び名前を呼ぶと、アルグレードは声に気づきこちらを振り向く。様子が違うことに気づいたのか、リオのことを少しの間見つめる。そして、口が開く。
「無事じゃったか、リオ」
「うん、アルおじさんこそ」
リオは表情を緩め、安堵の息をつく。
「ベイジとレインも無事かの?」
聞かれた途端、リオは緩めた表情を再び引き締め、思い詰めた顔を浮かべた。
「ベイジは魔物に襲われて怪我をして、家の中で休んでる。でもレインは——」
「何かあったのか!?」
リオは言葉を詰まらせ、アルグレードに背中を見せるように振り返る。
「ごめん、アルおじさん。私、行かなきゃ」
そのまま、走り出す。
背後からアルグレードが呼び止める声が聞こえるが、振り返ることなく走り続けた。
レインのもとに向かう。それだけなのに、心の中は不安と焦りが膨らんでいく。そして、記憶が戻ったことによって今までの違和感の正体を理解し胸が締め付けられる。
息を切らし、血と瓦礫によって足が赤黒く染まっていく。それでも前に進み続ける。
――ついに、目的の場所に辿り着く。
リオは、ゆっくりと足を止め、息を整える。目の前の空間、中心には大きな木が生えており、その根元にレインの姿があった。レインはゆっくりとこちらを振り向く。
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