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21.神の手触り再降臨
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レイヤード義兄様に手を引かれて一番奥のソファへ移動した僕は、もちろんモフりの都合上ソファは別だが殿下の隣となる。
この部屋は中央にテーブル、その四方を囲んでソファをセットしてあるから自然とこうなってしまう。
殿下と軽く目配せして、僕と殿下の真ん中に護衛の2人は配置替え。
一番近い黒尻尾が僕の左手にトントンと触れる。
目が合うとアン様はウィンクしてくる。
では、遠慮なく。
(やっぱり手触りが神!)
顔がふやける。
「アリアチェリーナ嬢はお2人と仲がよろしいのですね。
もしかしてルドの護衛中以外でも会った事があるのですか?」
「アリーとお呼び下さい。
皆様は侯爵位以上のご子息に加え、私より年上。
兄様のお友達ともお聞きしておりますので敬語も不要です」
「ならば俺達の事はルド、マルス、ラルクと呼んでくれ。
後ろの2人もあの祭の時のように呼ぶといい」
ラルク様の質問に答える前に殿下が割り入り、初対面2人が首を縦に振る。
「ラルク様、シル様とアン様とはルド様の護衛中以外にお会いしたことはありません。
獣人の方と触れ合う機会が少なくて、商業祭の時に思いきってお耳と尻尾に触らせていただけないかお願いしたんです。
とってもさわり心地が良くて、次にお会いした時も触らせていただけるとお約束しての、本日でしたの。
お2人とも私の我が儘にお付き合い下さるお優しい騎士様です」
「人属のご令嬢は獣人を怖がる方がほとんどだけど、君は怖くなかったの?
特にシル殿は近衛騎士団の中でも体格が大きくて厳ついよ」
マルス様、わかってないなぁ。
「お2人共、優しい目をしてらっしゃいます。
怖がる理由がありません。
それにお耳も尻尾もふわふわに、つるつるの手触りで気持ち良いです」
ふやけた顔が戻らないまま笑ってみる。
可愛いなぁ、と義兄様に頭をなでなでされた。
義兄様の顔を見てマルス様とラルク様が鬼の撹乱?! と口にしたのは黙認しておこう。
その後僕達は思い思いに会話を楽しむ。
マルス様が時々領地の特産品や特許権について聞いてくるけど、そこは義兄様が答えてくれた。
僕が少なからず関わってると気づいてるんだろうけど、教えるわけがない。
途中でアン様とシル様に立ち位置を入れ替わってもらい、尻尾にモフりつく。
「シル様、お耳はだめですか?」
「護衛中なので····う、まぁ、少しだけなら」
お断りされるかと思ったけど、かがんでくれた。
行儀は悪いがルド様達に背を向け、座面に膝立ちになって手を伸ばす。
やっぱりシル様のケモ耳は神の中でも神触り!
顔が緩みっぱなしで困っちゃうよ。
「アリー、ずり落ちないようにね」
「ふふふー、ありがとう、お兄様」
義兄様は行儀の悪さを指摘もせず、むしろ少し背中を支えてくれる。
「くそ、やっぱり妹が欲しい!
アリー、俺の妹になってくれ!」
「ルド、今すぐ出禁にされたい?」
「····俺の耳と尻尾はどうだろうか····」
「な?!
ラルクずるいぞ!」
「····俺もアリー嬢みたいな妹が欲しい。
男兄弟5人とかむさ苦しい····」
「アリー嬢モテモテだね」
「うん、皆雷に打たれようか」
何だか後ろが騒がしい。
ルド様の妹とか絶対嫌だ。
というか王子がずるいって。
マルス様は茶化したりするから雷に打たれ隊のメンバーになってるし。
にしてもラルク様の妹ならモフり放題····さっきお父様の騎士団長にも立派なお耳と尻尾があるって···しかもラルク様の下に私より年下の弟が2人····チビモフ····。
「アリー、ダメだからね」
「····もちろんでしてよ····へへっ」
やばい、義兄様にモフりの神の邪な声が聞こえたみたい。
うっかり変な笑いが出ちゃったよ。
ちっ、この機会にラルク様もモフりたかったけど、義兄様が危険だ。
「アリー嬢、俺のも触ってー」
「喜んで!」
アン様がシル様を押し退けて耳を差し出した。
つるつる手触りも神!
特に気にする様子もなく、シル様は立ち位置を譲る。
シル様は大人だね。
アン様はわざとラルク様の方を見てニッコリ笑うし、ラルク様はちょっと睨んだ?
何かあるのかな?
ふと、ドアがノックされた。
「夕食のご用意ができました。
ご指示通り、例の商会から購入された物で料理致しております」
執事のセバスチャンが呼びに来た。
「ぐっ、あれか。
本当にあれを使ったのかっ」
ルド様と護衛2人の顔が歪む。
「我々は護衛中の為、遠慮····」
「お前達も食べろ!
毒味は立場上必要だし、道連れだ!」
「えー····」
毒味は理解できるけど、道連れとか酷いなぁ。
アン様のえー、からのお耳ピクピクが可愛い。
でもその様子をみて他の2人もおどおどしてるのが面白い。
「え、どういう事?!
レイの罠かな?!」
「レイなら涼しい顔してやりかねん」
もちろん義兄様は僕が料理長と色々試作してたのを食べてるから涼しい顔なのは当然だけど、普段どれだけ悪戯してるんだろ。
いたずらっ子な義兄様も可愛いよ。
「護衛の方々もご用意しております。
当主は遅くなるとの連絡がございましたので、皆様は気を楽になさってお食事下さい」
セバスチャンが畳み掛ける。
ふふ、今度はシル様のお耳がピクピクしたね。
そこまで言われれば全員行くしかないだろう。
僕は義兄様にエスコートされて先頭を行く。
皆どんな反応をするか楽しみだなぁ。
この部屋は中央にテーブル、その四方を囲んでソファをセットしてあるから自然とこうなってしまう。
殿下と軽く目配せして、僕と殿下の真ん中に護衛の2人は配置替え。
一番近い黒尻尾が僕の左手にトントンと触れる。
目が合うとアン様はウィンクしてくる。
では、遠慮なく。
(やっぱり手触りが神!)
顔がふやける。
「アリアチェリーナ嬢はお2人と仲がよろしいのですね。
もしかしてルドの護衛中以外でも会った事があるのですか?」
「アリーとお呼び下さい。
皆様は侯爵位以上のご子息に加え、私より年上。
兄様のお友達ともお聞きしておりますので敬語も不要です」
「ならば俺達の事はルド、マルス、ラルクと呼んでくれ。
後ろの2人もあの祭の時のように呼ぶといい」
ラルク様の質問に答える前に殿下が割り入り、初対面2人が首を縦に振る。
「ラルク様、シル様とアン様とはルド様の護衛中以外にお会いしたことはありません。
獣人の方と触れ合う機会が少なくて、商業祭の時に思いきってお耳と尻尾に触らせていただけないかお願いしたんです。
とってもさわり心地が良くて、次にお会いした時も触らせていただけるとお約束しての、本日でしたの。
お2人とも私の我が儘にお付き合い下さるお優しい騎士様です」
「人属のご令嬢は獣人を怖がる方がほとんどだけど、君は怖くなかったの?
特にシル殿は近衛騎士団の中でも体格が大きくて厳ついよ」
マルス様、わかってないなぁ。
「お2人共、優しい目をしてらっしゃいます。
怖がる理由がありません。
それにお耳も尻尾もふわふわに、つるつるの手触りで気持ち良いです」
ふやけた顔が戻らないまま笑ってみる。
可愛いなぁ、と義兄様に頭をなでなでされた。
義兄様の顔を見てマルス様とラルク様が鬼の撹乱?! と口にしたのは黙認しておこう。
その後僕達は思い思いに会話を楽しむ。
マルス様が時々領地の特産品や特許権について聞いてくるけど、そこは義兄様が答えてくれた。
僕が少なからず関わってると気づいてるんだろうけど、教えるわけがない。
途中でアン様とシル様に立ち位置を入れ替わってもらい、尻尾にモフりつく。
「シル様、お耳はだめですか?」
「護衛中なので····う、まぁ、少しだけなら」
お断りされるかと思ったけど、かがんでくれた。
行儀は悪いがルド様達に背を向け、座面に膝立ちになって手を伸ばす。
やっぱりシル様のケモ耳は神の中でも神触り!
顔が緩みっぱなしで困っちゃうよ。
「アリー、ずり落ちないようにね」
「ふふふー、ありがとう、お兄様」
義兄様は行儀の悪さを指摘もせず、むしろ少し背中を支えてくれる。
「くそ、やっぱり妹が欲しい!
アリー、俺の妹になってくれ!」
「ルド、今すぐ出禁にされたい?」
「····俺の耳と尻尾はどうだろうか····」
「な?!
ラルクずるいぞ!」
「····俺もアリー嬢みたいな妹が欲しい。
男兄弟5人とかむさ苦しい····」
「アリー嬢モテモテだね」
「うん、皆雷に打たれようか」
何だか後ろが騒がしい。
ルド様の妹とか絶対嫌だ。
というか王子がずるいって。
マルス様は茶化したりするから雷に打たれ隊のメンバーになってるし。
にしてもラルク様の妹ならモフり放題····さっきお父様の騎士団長にも立派なお耳と尻尾があるって···しかもラルク様の下に私より年下の弟が2人····チビモフ····。
「アリー、ダメだからね」
「····もちろんでしてよ····へへっ」
やばい、義兄様にモフりの神の邪な声が聞こえたみたい。
うっかり変な笑いが出ちゃったよ。
ちっ、この機会にラルク様もモフりたかったけど、義兄様が危険だ。
「アリー嬢、俺のも触ってー」
「喜んで!」
アン様がシル様を押し退けて耳を差し出した。
つるつる手触りも神!
特に気にする様子もなく、シル様は立ち位置を譲る。
シル様は大人だね。
アン様はわざとラルク様の方を見てニッコリ笑うし、ラルク様はちょっと睨んだ?
何かあるのかな?
ふと、ドアがノックされた。
「夕食のご用意ができました。
ご指示通り、例の商会から購入された物で料理致しております」
執事のセバスチャンが呼びに来た。
「ぐっ、あれか。
本当にあれを使ったのかっ」
ルド様と護衛2人の顔が歪む。
「我々は護衛中の為、遠慮····」
「お前達も食べろ!
毒味は立場上必要だし、道連れだ!」
「えー····」
毒味は理解できるけど、道連れとか酷いなぁ。
アン様のえー、からのお耳ピクピクが可愛い。
でもその様子をみて他の2人もおどおどしてるのが面白い。
「え、どういう事?!
レイの罠かな?!」
「レイなら涼しい顔してやりかねん」
もちろん義兄様は僕が料理長と色々試作してたのを食べてるから涼しい顔なのは当然だけど、普段どれだけ悪戯してるんだろ。
いたずらっ子な義兄様も可愛いよ。
「護衛の方々もご用意しております。
当主は遅くなるとの連絡がございましたので、皆様は気を楽になさってお食事下さい」
セバスチャンが畳み掛ける。
ふふ、今度はシル様のお耳がピクピクしたね。
そこまで言われれば全員行くしかないだろう。
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