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23.グレインビル家訪問前~sideレイヤード1
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「····何言ってるのかちょっとわからない」
「だから、レイの家に友人としてお邪魔して、たまたまいるはずのアリー嬢の怪しい料理を食べたい!」
ラルクと生徒会室に入った途端、予想通り商業祭で僕のアリーと兄上の邪魔をしてくれたらしいルドに意味不明な要望を突きつけられた。
先に作業をしてたマルスが奥で苦笑しているけど、目は面白がってるね。
そもそも僕の天使が怪しい料理を作るはずがないだろう。
雷の魔具を試し打ちしてやろうかな。
それでなくとも昨日は最後の魔術の実技授業で脳筋騎士(予定)であるラルクに付き合わされて遅くなった。
様子を見に帰りたかったのに。
季節の変わり目に人混みで長時間過ごした可愛い天使の体調が心配だ。
よくよく聞いてみれば今年初出店の商会が取り扱う、やけに塩辛い調味料の数々と、ベイという見たことのない白い粒状の穀物をアリーがたくさん買ったらしい。
アリーに会いに行きたいけど、王族に関わる事で魔力がないだの何だのと緒貴族にからまれたくないから来られても困る。
でもルド自体は嫌いではないから、僕の友人として家に来て偶然会ってしまうのならかまわないし、祭で購入した調味料を使った料理でもてなす約束をしたらしい。
(うーん····アリーはルドを適当にあしらおうとした感じかなぁ)
他にも気さくに孤児や商人と話していただの、護衛の獣人の耳や尻尾を嬉しげに触っていて可愛かっただの、あげくには自分も妹が欲しいだのと話が飛び始める。
この王子は何を言ってるんだろ?
能力的には王族の英才教育のお陰か優秀なのに、発想が残念すぎる。
余計な褒めちぎりをしてくれたお陰でマルスとラルクも便乗して会いたいなんて言い出したじゃないか。
何故会わせないといけないんだろう。
それより君達は僕と違ってルドや王太子の側近候補なんだから、もっとしっかり教育しなよ。
特にマルスは腹黒と名高い宰相の息子なだけに、アリーには会わせたくないんだけどな。
宰相は領の特産品や少し前に国で制定した特許をうちの領地で発案した経緯にアリーが関わっているのを疑っていると父上も言っていたし。
そもそも兄上は一緒についていながら、何でこんなふざけた話を事前に潰さなかったんだろ。
「とりあえず、家に帰ったらアリーにも聞いてみるよ」
「絶対だぞ!
絶対行くからな!」
適当に受け流し、さっさと生徒会の仕事を終わらせる。
寮に戻ってすぐに家へ転移してみれば、嫌な予感は的中してアリーは体調を崩してしまっていた。
その日はもういなくなってた兄上には後日、雷の魔具で落雷しておいた。
ーーーー
「アリー嬢は元気になったのか?」
「もう何度目か忘れたけど、まだだよ」
1日に1度、生徒会で顔を合わせる度に聞いてない?
そろそろ、ちょっとうざいよ。
「今回は高熱まで出したからね。
アリーの体調が落ち着くのに1ヶ月、まともに屋敷の中を動けるまでに回復するにはもう1ヶ月かかるはずだって何回言えばいいの。
初めての調味料や食材を試す時間も必要だから、冬まで待ってもらうしかないよ」
「それはわかっている。
そうではなくて····その、心配というか····」
「元々はかなり体が弱いし体調を崩しやすいって前から言ってたでしょ。
それでも昔よりずっと良くなってるから大丈夫。
心配してくれてるの?
ありがとう、ルド」
良い子ではあるんだよね。
でも王子という立場がある以上アリーには近づけたくない。
そもそも全く興味を持たれてないのはルドもわかっているはずなのに、どうしてそんなにからもうとするのかな····ドM?
アリーは天使だけど、隠れドSだから無意識に惹かれてるとか?
「ねえ、ルドはどうしてそんなにアリーを気にするのかな?」
「決まってるだろう。
俺に妹がいないからだ!」
うん、君もまだまだ子供なのはわかったよ。
僕はため息をついた。
「だから、レイの家に友人としてお邪魔して、たまたまいるはずのアリー嬢の怪しい料理を食べたい!」
ラルクと生徒会室に入った途端、予想通り商業祭で僕のアリーと兄上の邪魔をしてくれたらしいルドに意味不明な要望を突きつけられた。
先に作業をしてたマルスが奥で苦笑しているけど、目は面白がってるね。
そもそも僕の天使が怪しい料理を作るはずがないだろう。
雷の魔具を試し打ちしてやろうかな。
それでなくとも昨日は最後の魔術の実技授業で脳筋騎士(予定)であるラルクに付き合わされて遅くなった。
様子を見に帰りたかったのに。
季節の変わり目に人混みで長時間過ごした可愛い天使の体調が心配だ。
よくよく聞いてみれば今年初出店の商会が取り扱う、やけに塩辛い調味料の数々と、ベイという見たことのない白い粒状の穀物をアリーがたくさん買ったらしい。
アリーに会いに行きたいけど、王族に関わる事で魔力がないだの何だのと緒貴族にからまれたくないから来られても困る。
でもルド自体は嫌いではないから、僕の友人として家に来て偶然会ってしまうのならかまわないし、祭で購入した調味料を使った料理でもてなす約束をしたらしい。
(うーん····アリーはルドを適当にあしらおうとした感じかなぁ)
他にも気さくに孤児や商人と話していただの、護衛の獣人の耳や尻尾を嬉しげに触っていて可愛かっただの、あげくには自分も妹が欲しいだのと話が飛び始める。
この王子は何を言ってるんだろ?
能力的には王族の英才教育のお陰か優秀なのに、発想が残念すぎる。
余計な褒めちぎりをしてくれたお陰でマルスとラルクも便乗して会いたいなんて言い出したじゃないか。
何故会わせないといけないんだろう。
それより君達は僕と違ってルドや王太子の側近候補なんだから、もっとしっかり教育しなよ。
特にマルスは腹黒と名高い宰相の息子なだけに、アリーには会わせたくないんだけどな。
宰相は領の特産品や少し前に国で制定した特許をうちの領地で発案した経緯にアリーが関わっているのを疑っていると父上も言っていたし。
そもそも兄上は一緒についていながら、何でこんなふざけた話を事前に潰さなかったんだろ。
「とりあえず、家に帰ったらアリーにも聞いてみるよ」
「絶対だぞ!
絶対行くからな!」
適当に受け流し、さっさと生徒会の仕事を終わらせる。
寮に戻ってすぐに家へ転移してみれば、嫌な予感は的中してアリーは体調を崩してしまっていた。
その日はもういなくなってた兄上には後日、雷の魔具で落雷しておいた。
ーーーー
「アリー嬢は元気になったのか?」
「もう何度目か忘れたけど、まだだよ」
1日に1度、生徒会で顔を合わせる度に聞いてない?
そろそろ、ちょっとうざいよ。
「今回は高熱まで出したからね。
アリーの体調が落ち着くのに1ヶ月、まともに屋敷の中を動けるまでに回復するにはもう1ヶ月かかるはずだって何回言えばいいの。
初めての調味料や食材を試す時間も必要だから、冬まで待ってもらうしかないよ」
「それはわかっている。
そうではなくて····その、心配というか····」
「元々はかなり体が弱いし体調を崩しやすいって前から言ってたでしょ。
それでも昔よりずっと良くなってるから大丈夫。
心配してくれてるの?
ありがとう、ルド」
良い子ではあるんだよね。
でも王子という立場がある以上アリーには近づけたくない。
そもそも全く興味を持たれてないのはルドもわかっているはずなのに、どうしてそんなにからもうとするのかな····ドM?
アリーは天使だけど、隠れドSだから無意識に惹かれてるとか?
「ねえ、ルドはどうしてそんなにアリーを気にするのかな?」
「決まってるだろう。
俺に妹がいないからだ!」
うん、君もまだまだ子供なのはわかったよ。
僕はため息をついた。
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