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24.グレインビル家訪問~sideレイヤード2
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とうとうアリーの体調も元に戻り、料理長と楽しげに試作を始めた。
うちの料理人て職人気質すぎて料理仲間と上手くいかず、色々な貴族の厨房を渡り歩いてきた人間がほとんどだ。
だからこそ腕は良いし信頼という面においては安心なんだけど、扱いにくい。
料理長のガーヴもそんな1人だった。
彼の場合は年を取って丸くなり、腕だけじゃなく面倒見の良さも発揮されたことで荒ぶる料理人達も大人しく従う。
そんなガーヴに認められたアリーは、珍しい食材や調味料を手に入れては彼と厨房で楽しそうに創作料理にいそしむ。
端から見るとちょっと若いお爺ちゃんと孫が初めての料理に挑戦しているかのような微笑ましさだ。
「兄様達、そんなにぴったり監視しなくても無理はしないよ?
料理長もニーアもいるから大丈夫」
「父上からもちゃんと近くで見ておくように言われてる。
それにアリーの料理姿はまさに天使が降臨したかのように輝いている。
俺はいつまででも見ていられるから安心していいぞ」
「アリーの料理は試作段階でも美味しいから、できたてを食べたいんだ。
僕達の事は気にしないで」
兄上の発言はいつも変態じみてて、危ない人に思えるけど、見つめられながら作るのって緊張しちゃうよね。
でもそんな僕の天使も良いね。
そしていくつかの試作品を手際よく作り、遠巻きに眺めていた料理人達も混ざってお昼の賄いがてら試食していく。
その中から人気のあった料理をルド達に出したんだけど、かなりの高評価だった。
特に僕とマルスを除いた体力バカ達の食いつきにはアリーも目を丸くしてた。
僕やマルスみたいな人並みの胃袋しか見たことないから仕方ないけど、ポカンとした顔も可愛かったよ。
でもたくさん食べてくれるのが素直に嬉しかったみたいで終始にこにこと笑っていた。
時々ルドの護衛達とラルクにキラキラした視線を投げかけてたのはいただけないけどね。
そんなに耳や尻尾が好きなら、そういうのが生える魔具でも作ろうかな。
それにしても、マルスは父親の宰相から何か言われてたみたいだね。
アリーをずっと観察してた。
アリーも薄々は気づいてたみたいだけど、ルドとの今後の関係やアリー自身の価値を値踏みしている目には正直苛つく。
料理の説明後に気が緩んだのかな。
「もしやアリー嬢が全て考案したのか?!」
ルドの感嘆の言葉に正直に答えそうになって一瞬詰まったみたいだからフォローした。
その前の僕が可愛い発言で照れちゃって、フォローが出遅れそうになったから内心焦っちゃったよ。
ラルクは単純な好奇心かな。
獣人属って魔力や体力は人属以上な事が多いけど、好奇心も人属より多い気がする。
途中からルドと一緒に妹への渇望に変わったけど、耳と尻尾で釣ろうとするなよ。
君にも雷落とすよ?
そうだ、それより耳と尻尾の魔具を作ろう。
むしろアリーに生やしたい。
家に閉じ込めておきたいくらい可愛いはずだ。
皆の食事が終わりそうなあたりで口数が少なくなってたから眠いのかなと思ってたけど、最初の客室のソファに座ったあたりで僕の腕にもたれて必死に睡魔と戦い始めたアリーには萌え死にそうだった。
ニーアがお茶を置く頃には夢の中だったから、僕はそのまま膝枕をしてあげた。
気が利くニーアがすぐにブランケットをかける。
今日は雪がちらほら舞ってるくらい寒い。
アリーの部屋が完全に温まるまで、このままでいよう。
「眠っただけか?
熱は出てないのか?」
「熱はないし、アリーもそろそろ寝る時間だっただけだよ。
アリーの部屋がしっかり温まったら連れて行く。
寮に戻るのはもう少し待ってね」
ルドが心配そうに声をかけてくる。
僕の転移魔法で来たから、帰りも転移魔法で帰る。
上級魔法だけど、ちょっとアレンジしてあるから魔力消費は少なくて重宝している。
「アリー嬢はよく料理を作ってるの?
ジャカルタの食材を使った料理もだけど、最後の氷菓子は完全にアリー嬢の創作でしょ?」
「どうだろうね。
うちの料理人達はクセが強くて諸貴族の厨房を渡り歩いてたはずだから、腕だけじゃなく知識もあるんだ。
アリーは彼らとアイデア出しあって一緒に新作を考えるのが楽しいって言ってるよ」
「そうなんだ?
アリー嬢ってよく人を見てて会話も楽しいし、ルドの商業祭の話やシル殿達の耳や尻尾を触りたがったりしてて可愛いよね。
色々思いきりも良さそうだし発想も素敵だし、僕また会いたいな」
「マルス、抜けがけは駄目だ!
俺が先に目をつけたんだぞ!」
「次は私の耳と尻尾を触ってくれてもいいと伝えてくれ」
「ずるいぞ、ラルク!」
うん、絶対嫌だな。
特にマルスは確実に何か企みそうだ。
「グレインビルの冬は厳しくてアリーは体調を崩しやすくなるんだ。
少し前に熱で体力も体重も落ちた分、今年の冬は特に病気の予防にも気を使ってる。
春までは外の人間とあまり会わせられないし、僕達生徒会役員は春が特に忙しいはずだよ。
来年の夏までは難しいと思うけどな」
アリーの頭を撫でながら、言外に嫌だと伝える。
「ぐっ····それは····そうだったな」
「言われてみれば、僕達は生徒会役員····」
「えっ、春はそんなに忙しいのか····」
「ルドは今年入学だったから知らなくて当然だよ。
それに僕達は再来年が最終学年だ。
最後の生徒会の引き継ぎも兼ねた業務がついて回るんだ。
ラルクとマルスは生徒会本部役員で生徒会長にも抜擢されるかもしれないんだから、特に時間はないはずだけどな?
僕は補佐以外しないと公言して入ったから、まだマシだろうけどね」
マルスへにっこり笑いかける。
そもそも生徒会役員なんて面倒な事をするはめになったのは、マルスが頼み込んできたからだ。
そんな恨みがましい目で見ても駄目だよ。
「じゃあ、妹に会えるのは····」
「うん、ルドの妹じゃないからね。
次言ったら雷撃するよ。
まぁ早くて夏かなぁ」
のほほんと答えたけど、夏と言わずにずっと会わないでいただきたい。
ルドは半泣きになるほどアリーが気に入ったんだろうけど、マルスの前では特に執着を見せないで欲しい。
まあ僕のアリーは天使だから仕方ないのかな。
部屋が温まったみたいだからまずはアリーを自室のベッドへ連れていく。
アリー、もっと太らないと体力が戻らないよ。
今度王都で評判の焼き菓子を買って帰ろう。
その後僕は皆を連れて寮へ転移した。
うちの料理人て職人気質すぎて料理仲間と上手くいかず、色々な貴族の厨房を渡り歩いてきた人間がほとんどだ。
だからこそ腕は良いし信頼という面においては安心なんだけど、扱いにくい。
料理長のガーヴもそんな1人だった。
彼の場合は年を取って丸くなり、腕だけじゃなく面倒見の良さも発揮されたことで荒ぶる料理人達も大人しく従う。
そんなガーヴに認められたアリーは、珍しい食材や調味料を手に入れては彼と厨房で楽しそうに創作料理にいそしむ。
端から見るとちょっと若いお爺ちゃんと孫が初めての料理に挑戦しているかのような微笑ましさだ。
「兄様達、そんなにぴったり監視しなくても無理はしないよ?
料理長もニーアもいるから大丈夫」
「父上からもちゃんと近くで見ておくように言われてる。
それにアリーの料理姿はまさに天使が降臨したかのように輝いている。
俺はいつまででも見ていられるから安心していいぞ」
「アリーの料理は試作段階でも美味しいから、できたてを食べたいんだ。
僕達の事は気にしないで」
兄上の発言はいつも変態じみてて、危ない人に思えるけど、見つめられながら作るのって緊張しちゃうよね。
でもそんな僕の天使も良いね。
そしていくつかの試作品を手際よく作り、遠巻きに眺めていた料理人達も混ざってお昼の賄いがてら試食していく。
その中から人気のあった料理をルド達に出したんだけど、かなりの高評価だった。
特に僕とマルスを除いた体力バカ達の食いつきにはアリーも目を丸くしてた。
僕やマルスみたいな人並みの胃袋しか見たことないから仕方ないけど、ポカンとした顔も可愛かったよ。
でもたくさん食べてくれるのが素直に嬉しかったみたいで終始にこにこと笑っていた。
時々ルドの護衛達とラルクにキラキラした視線を投げかけてたのはいただけないけどね。
そんなに耳や尻尾が好きなら、そういうのが生える魔具でも作ろうかな。
それにしても、マルスは父親の宰相から何か言われてたみたいだね。
アリーをずっと観察してた。
アリーも薄々は気づいてたみたいだけど、ルドとの今後の関係やアリー自身の価値を値踏みしている目には正直苛つく。
料理の説明後に気が緩んだのかな。
「もしやアリー嬢が全て考案したのか?!」
ルドの感嘆の言葉に正直に答えそうになって一瞬詰まったみたいだからフォローした。
その前の僕が可愛い発言で照れちゃって、フォローが出遅れそうになったから内心焦っちゃったよ。
ラルクは単純な好奇心かな。
獣人属って魔力や体力は人属以上な事が多いけど、好奇心も人属より多い気がする。
途中からルドと一緒に妹への渇望に変わったけど、耳と尻尾で釣ろうとするなよ。
君にも雷落とすよ?
そうだ、それより耳と尻尾の魔具を作ろう。
むしろアリーに生やしたい。
家に閉じ込めておきたいくらい可愛いはずだ。
皆の食事が終わりそうなあたりで口数が少なくなってたから眠いのかなと思ってたけど、最初の客室のソファに座ったあたりで僕の腕にもたれて必死に睡魔と戦い始めたアリーには萌え死にそうだった。
ニーアがお茶を置く頃には夢の中だったから、僕はそのまま膝枕をしてあげた。
気が利くニーアがすぐにブランケットをかける。
今日は雪がちらほら舞ってるくらい寒い。
アリーの部屋が完全に温まるまで、このままでいよう。
「眠っただけか?
熱は出てないのか?」
「熱はないし、アリーもそろそろ寝る時間だっただけだよ。
アリーの部屋がしっかり温まったら連れて行く。
寮に戻るのはもう少し待ってね」
ルドが心配そうに声をかけてくる。
僕の転移魔法で来たから、帰りも転移魔法で帰る。
上級魔法だけど、ちょっとアレンジしてあるから魔力消費は少なくて重宝している。
「アリー嬢はよく料理を作ってるの?
ジャカルタの食材を使った料理もだけど、最後の氷菓子は完全にアリー嬢の創作でしょ?」
「どうだろうね。
うちの料理人達はクセが強くて諸貴族の厨房を渡り歩いてたはずだから、腕だけじゃなく知識もあるんだ。
アリーは彼らとアイデア出しあって一緒に新作を考えるのが楽しいって言ってるよ」
「そうなんだ?
アリー嬢ってよく人を見てて会話も楽しいし、ルドの商業祭の話やシル殿達の耳や尻尾を触りたがったりしてて可愛いよね。
色々思いきりも良さそうだし発想も素敵だし、僕また会いたいな」
「マルス、抜けがけは駄目だ!
俺が先に目をつけたんだぞ!」
「次は私の耳と尻尾を触ってくれてもいいと伝えてくれ」
「ずるいぞ、ラルク!」
うん、絶対嫌だな。
特にマルスは確実に何か企みそうだ。
「グレインビルの冬は厳しくてアリーは体調を崩しやすくなるんだ。
少し前に熱で体力も体重も落ちた分、今年の冬は特に病気の予防にも気を使ってる。
春までは外の人間とあまり会わせられないし、僕達生徒会役員は春が特に忙しいはずだよ。
来年の夏までは難しいと思うけどな」
アリーの頭を撫でながら、言外に嫌だと伝える。
「ぐっ····それは····そうだったな」
「言われてみれば、僕達は生徒会役員····」
「えっ、春はそんなに忙しいのか····」
「ルドは今年入学だったから知らなくて当然だよ。
それに僕達は再来年が最終学年だ。
最後の生徒会の引き継ぎも兼ねた業務がついて回るんだ。
ラルクとマルスは生徒会本部役員で生徒会長にも抜擢されるかもしれないんだから、特に時間はないはずだけどな?
僕は補佐以外しないと公言して入ったから、まだマシだろうけどね」
マルスへにっこり笑いかける。
そもそも生徒会役員なんて面倒な事をするはめになったのは、マルスが頼み込んできたからだ。
そんな恨みがましい目で見ても駄目だよ。
「じゃあ、妹に会えるのは····」
「うん、ルドの妹じゃないからね。
次言ったら雷撃するよ。
まぁ早くて夏かなぁ」
のほほんと答えたけど、夏と言わずにずっと会わないでいただきたい。
ルドは半泣きになるほどアリーが気に入ったんだろうけど、マルスの前では特に執着を見せないで欲しい。
まあ僕のアリーは天使だから仕方ないのかな。
部屋が温まったみたいだからまずはアリーを自室のベッドへ連れていく。
アリー、もっと太らないと体力が戻らないよ。
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その後僕は皆を連れて寮へ転移した。
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