秘密多め令嬢の自由でデンジャラスな生活〜魔力0、超虚弱体質、たまに白い獣で大冒険して、溺愛されてる話

嵐華子

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186.カンガルーさんのブラッシング

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「んっふっふ~、んっふっふ~」
「じょう、じゃねえ、アリー嬢、むさ苦しいおっさんの耳と尻尾がそんなにいいのか····」
「当たり前です!
カンガルー属さんのお耳初めて!」
「····そ、そうか」

 僕は現在進行形ですこぶる上機嫌だ!
鼻歌なんか自然現象だよね。

 まずは髪の毛を軽くブラッシングして、大きめの縦長お耳も毛並みに沿ってブラシを入れる。

「そのブラシ気持ちいいな」
「帰りにお土産にしますね」
「いや、さすがにこれ以上は····」
「ブラシはまだストックしてますから!
ダンニョルさんにも差し上げてくださいね。
それに新作をまた作るので問題····」
「「アリー?」」
「····ちゃんとお休みしてから作るもの····」

 義兄様の息の合った言葉にちょっぴりお口を尖らせちゃった。
義兄様達は相変わらず僕の背後とヨンニョルさんと間を空けたお隣にいるよ。

 カンガルーさんのお耳は思ってたよりさらさら触感なんだね。
まだ触らぬお尻尾様に尖ったお口も平らになっちゃうよね。

「お兄さん達もアリーちゃんもぶれいないねえ」
「後頭部と右横からの圧がすげえ····」
「何か従弟達がごめんねえ」

 向かいに座るカイヤさん、従兄様とここにいるカンガルーさんが仲良く会話する。

 ちなみに他のメンバーは諸々のお話しの為に別室にいるよ。

 バリーフェのお話しもしてるはず。

 南と西のちょうど中間あたりの国に火山地帯があって、ブランドゥール国の友好国らしいんだ。
ウィンスさんもよく取り引きに訪れてるみたい。
バリーフェを捕まえに行くついでに獣人さんの多い国にルド様や留学生達を連れて行くのもいい経験になるからね。
何より今回七光り王子ご一行が多大に迷惑をかけたウィンスさんに、アボット商会として諸々の手配をしてもらえるようなら利益にもなるし。

 義兄様達も一緒にって言われたんだけど、僕のお目付け役だからって事で断固拒否。
僕ってば愛されてる。

 タイミング良く隣に来たニーアにブラシを預ける。

「では、お耳触ります!」
「おう!」

 気合いを入れて、さわさわ、もみもみ。

 初めて触るお耳様だからね。
最初からがっつくわけにはいかない。
獣人さんのお耳はデリケートだもの。

「どうですか?」
「もっと力を入れても大丈夫だ」
「では遠慮なく」

 もふもふもふもふ。

 おお、いい!
カンガルーさんのお耳様は厚みはそれなりだけど、大きめサイズで僕の手の平の窪みにフィット!

「アリーってば幸せそうな顔してる」
「本当に大好きなんだろうねえ」

 従兄様、カイヤさん、その通り!

 しばらくもふもふしつつ、耳ツボマッサージみたいに指の腹で揉んでいく。

 へっへっへ、こってますねえ、お客さん。

 なんて心でマッサージ屋さんをイメージしながらこりこりした部分を解す。

「アリー嬢、ゴッドハンドだな····やべえ、無茶苦茶いいな、これ」
「何だか顔の厳つさが和らいでないかい?」
「本当だ。
そういえばアンも前にそんな事言ってたよ」

 カンガルーさんにゴッドハンド呼びいただきました!
こっちからはカイヤさんと違ってお顔が見られないのが残念だけど、和らいでるのか。

 シル様もだけど、アン様は鍛えてるし職業柄体のケアもしっかりしてるからかお耳に凝りを感じた事無かったんだ。
従兄様に言うくらい気持ち良くなってくれてたのなら嬉しいな。

 はっ。
アリーのもふもふマッサージ屋さん出店したら流行るかな?
僕のもふもふゲージも満タンになるし、獣人さんも気持ち良いし、お互いウィン―ウィンだと····。

「「ダメだよ(ぞ)、アリー」」
「····」

 レイヤード義兄様の読心術をバルトス義兄様も習得したのかな?!
ぴったりシンクロしたよ?!
思わず無言になったからね?!
あっちに座る2人も笑顔のままで動き止まったよ?!

「こ、こほん。
次は尻尾ですね」

 よし、スルーしよう。

 預けたブラシを再び手にして最後に軽く乱れたお髪を整え、今度はカンガルーさんの隣に移動してやや斜めに座る。
カンガルーさんも他の人と同じく僕の方へ尻尾が来るようにちゃんと斜めに座り直してくれた。

 再びブラシを手にしてお尻尾様をブラッシング。

 うわぁー!
予想と違ってふわふわだー!
ちょっぴりもこもこしてるし、滑らか!

「アリー、その顔は崩れすぎだからもう少し力入れようか」
「そんなに気にいったのか?」

 いつもなら従兄様の失言を嗜めてくれる義兄様達が何も言わないって事はよっぽどなお顔しちゃってるんだろうな。
ダンニョルさんの言う通り、気に入りすぎてお顔の筋肉がゆるんじゃうよね!

「とってもいいです!」

 もちろん満面の笑みで答えちゃう。

「獣人の耳と尻尾をここまで気に入る貴族の嬢ちゃんは本当に珍しいな。
アリー嬢のお陰で国の食材に色んな可能性が広がったんだ。
好きなだけやってくれ!」
「喜んで!」

 ニカッと笑うカンガルーさん。
ワイルドだね!

 ブラシを横に置いてお耳様と同じく最初はソフトタッチ、様子を窺いながら次第に力を込めていく。

 もちろん義兄様達は僕をなでなでしてくれたり、お腰をぎゅっとしたりしてくれてるよ。

 幸せが過ぎるね!
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