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312.眠りに落ちた従妹〜ガウディードside
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「ふ、そろそろ昼寝の時間だからね。
私の可愛いアリーは眠くなったのかな?」
「んー、でも····」
久々に会った従妹のアリアチェリーナは、やっぱり可愛らしかった。
昔から控えめに言っても庇護欲をそそる可愛らしさだったけど、ここ数年は可愛らしさの中に女性らしさも感じさせるようになった····気がする。
虚弱体質のせいでまともに食事ができない幼少期を過ごし、今でも体調を大きく崩すと大好きな甘味すら受けつけなくなる事があるせいか、体の成長は遅い。
成人したとは思えないくらいには華奢で小柄なんだ。
けれどこの子なりに少しずつ成長しているのも確かなんだよね。
赤子の時から何年か前までは幼子特有の柔らかな髪質だった白銀の髪の毛も、今では艷やかで滑らかな髪質へと変わり、色白な肌に唇の桃色が映えるようになってきた。
体型も以前よりはほんの少しだけ女性らしく、丸みを帯びたように見えなくもない。
「んー····」
そんな従妹は今、自分を膝に乗せる養父の肩口に顔を埋めて、必死に睡魔と戦っているらしい。
どう見ても父と娘がいちゃいちゃしているようにしか見えないけど、そもそも見た目はまだあどけない成人前の少女だし、俺の従弟にしてこの子の義兄でもあるあの悪魔達同様、これがこのグレインビル家の通常運転なんだ。
今更過ぎて何もつっこむ気にはならない。
むしろ下手につっこんで爆弾を投下される方が怖い。
アリーは俺とケーキや果実水について話そうと頑張っているんだろうな。
けど優しい従兄様としては、体の回復を優先して欲しいところ。
さっき何ヶ月ぶりかのの対面をした時、外気に曝されて体が冷えていったのか、徐々に顔色が青白くなっていったからこっそり心配してたんだよね。
叔父上が鬼の形相で転移してくるまでは。
さっさと邸の中にエスコートしやがれ、愛妻を模した顔で何ご機嫌取ってやがる、って顔をしてアリーの後ろに立つ叔父上は悪魔を通り越した魔王だ。
めちゃくちゃ怖かった。
「アリー、叔父上との話を先に済ませるから、一旦眠って体調を整えよう?」
「····んー」
生返事だ。
まだ粘るのかな?
そう思っていたけど、ぽんぽんと叔父上が背中を優しく叩いていると、とうとう意識を手放したらしい。
「おやすみ、私の可愛い娘」
叔父上が家族にしか見せない優しげな顔で耳元で囁く。
ややもすると規則正しい小さな寝息が聞こえ始めた。
どうでもいいけど、見た目が俺と同世代くらいに見える40半ばの叔父上は色気かダダ漏れしてないかな?
「叔父上、アリーは大丈夫なんですか?
秋頃より随分と体力が落ちたように見えますが····」
「そうだね、大丈夫とは言い難いかな」
叔父上は眠ってしまった血が繋がらなくとも溺愛する娘を抱えて小さな背中をそっとあやし続けている。
一昨年アリーはヒュイルグ国へ親善の為に短期間の滞在と銘打って渡航した。
実際はヒュイルグ国王からの内々の婚約打診を無かった事にする為だったらしいけど。
見た目に反して強かなアリーの事だから、その目的に関しては問題なく遂げたんだと思う。
しかし小耳に挟んだ話から、様々なハプニングに見舞われていたと知って正直ドン引きしたのは記憶に新しい。
当初は半年もしないうちに帰国して、その愛らしい顔をこの従兄様に見せてくれるはずだったんだ。
ついでに新作ケーキの助言だってしてもらうつもりでいた。
何ならヒュイルグ国で新たな食材でも見つけて教えてくれたら嬉しいな、なんて悠長に考えていた。
余談だけど俺は年端もいかない11才年下の可愛らしい従妹に甘える事に、一切の抵抗はないよ。
何なら一生この子に甘え続ける、情けなくも面倒を見てもらえる従兄様であり続けてもいいとすら考えているんだから。
なのに体の虚弱なこの子があの最北端の国で1年近くも滞在するとか、それ自体がふざけていると思っていた。
もちろんこれは年の離れた可愛い従妹の従兄様としての憤りだ。
そこは利益主義だからだろうと曲解しないで欲しい。
なのに現実は誘拐された挙げ句に怪我を負い、最北端の国と称される程めちゃくちゃ寒い外気に曝されたせいで死にかけたせいだったなんて。
詳しい経緯は秘密にされちゃったけど、それを聞いて後悔した。
滞在中、本当なら可愛いだけじゃなく大恩もあるアリーには、いざとなったら護衛も兼ねるフォンデアス公爵家の影をつけようとうちの家族は全員そのつもりで叔父上に話したんだ。
当たり前でしょう?
この子はうちの領だけじゃなく、フォンデアス公爵令嬢である俺達の家族の人生も救ってくれたんだから。
引き換えにフォンデアス公爵令嬢という存在を失ってしまったのは残念には思っているけどね。
ただそれは身内を切り捨てきれずに招いた俺達家族の甘さと、クラウディア本人の強い自己顕示欲や自惚れが招いた当然の結果だったと家族全員が納得している事だから感謝こそすれ、恨んでなんかいないよ。
だけど俺とは血の繋がった従弟で、アリーの義兄であるレイヤードがついて行くからって影は断られた。
叔父上からも止められたんだ。
だからあのレイヤードが遅れを取って溺愛する妹が拐われるって状況にまず驚いた。
でもあのグレインビルだろ?
半分はわざとなんじゃないかって怪しんでる。
もちろん怪我以外の話ね。
私の可愛いアリーは眠くなったのかな?」
「んー、でも····」
久々に会った従妹のアリアチェリーナは、やっぱり可愛らしかった。
昔から控えめに言っても庇護欲をそそる可愛らしさだったけど、ここ数年は可愛らしさの中に女性らしさも感じさせるようになった····気がする。
虚弱体質のせいでまともに食事ができない幼少期を過ごし、今でも体調を大きく崩すと大好きな甘味すら受けつけなくなる事があるせいか、体の成長は遅い。
成人したとは思えないくらいには華奢で小柄なんだ。
けれどこの子なりに少しずつ成長しているのも確かなんだよね。
赤子の時から何年か前までは幼子特有の柔らかな髪質だった白銀の髪の毛も、今では艷やかで滑らかな髪質へと変わり、色白な肌に唇の桃色が映えるようになってきた。
体型も以前よりはほんの少しだけ女性らしく、丸みを帯びたように見えなくもない。
「んー····」
そんな従妹は今、自分を膝に乗せる養父の肩口に顔を埋めて、必死に睡魔と戦っているらしい。
どう見ても父と娘がいちゃいちゃしているようにしか見えないけど、そもそも見た目はまだあどけない成人前の少女だし、俺の従弟にしてこの子の義兄でもあるあの悪魔達同様、これがこのグレインビル家の通常運転なんだ。
今更過ぎて何もつっこむ気にはならない。
むしろ下手につっこんで爆弾を投下される方が怖い。
アリーは俺とケーキや果実水について話そうと頑張っているんだろうな。
けど優しい従兄様としては、体の回復を優先して欲しいところ。
さっき何ヶ月ぶりかのの対面をした時、外気に曝されて体が冷えていったのか、徐々に顔色が青白くなっていったからこっそり心配してたんだよね。
叔父上が鬼の形相で転移してくるまでは。
さっさと邸の中にエスコートしやがれ、愛妻を模した顔で何ご機嫌取ってやがる、って顔をしてアリーの後ろに立つ叔父上は悪魔を通り越した魔王だ。
めちゃくちゃ怖かった。
「アリー、叔父上との話を先に済ませるから、一旦眠って体調を整えよう?」
「····んー」
生返事だ。
まだ粘るのかな?
そう思っていたけど、ぽんぽんと叔父上が背中を優しく叩いていると、とうとう意識を手放したらしい。
「おやすみ、私の可愛い娘」
叔父上が家族にしか見せない優しげな顔で耳元で囁く。
ややもすると規則正しい小さな寝息が聞こえ始めた。
どうでもいいけど、見た目が俺と同世代くらいに見える40半ばの叔父上は色気かダダ漏れしてないかな?
「叔父上、アリーは大丈夫なんですか?
秋頃より随分と体力が落ちたように見えますが····」
「そうだね、大丈夫とは言い難いかな」
叔父上は眠ってしまった血が繋がらなくとも溺愛する娘を抱えて小さな背中をそっとあやし続けている。
一昨年アリーはヒュイルグ国へ親善の為に短期間の滞在と銘打って渡航した。
実際はヒュイルグ国王からの内々の婚約打診を無かった事にする為だったらしいけど。
見た目に反して強かなアリーの事だから、その目的に関しては問題なく遂げたんだと思う。
しかし小耳に挟んだ話から、様々なハプニングに見舞われていたと知って正直ドン引きしたのは記憶に新しい。
当初は半年もしないうちに帰国して、その愛らしい顔をこの従兄様に見せてくれるはずだったんだ。
ついでに新作ケーキの助言だってしてもらうつもりでいた。
何ならヒュイルグ国で新たな食材でも見つけて教えてくれたら嬉しいな、なんて悠長に考えていた。
余談だけど俺は年端もいかない11才年下の可愛らしい従妹に甘える事に、一切の抵抗はないよ。
何なら一生この子に甘え続ける、情けなくも面倒を見てもらえる従兄様であり続けてもいいとすら考えているんだから。
なのに体の虚弱なこの子があの最北端の国で1年近くも滞在するとか、それ自体がふざけていると思っていた。
もちろんこれは年の離れた可愛い従妹の従兄様としての憤りだ。
そこは利益主義だからだろうと曲解しないで欲しい。
なのに現実は誘拐された挙げ句に怪我を負い、最北端の国と称される程めちゃくちゃ寒い外気に曝されたせいで死にかけたせいだったなんて。
詳しい経緯は秘密にされちゃったけど、それを聞いて後悔した。
滞在中、本当なら可愛いだけじゃなく大恩もあるアリーには、いざとなったら護衛も兼ねるフォンデアス公爵家の影をつけようとうちの家族は全員そのつもりで叔父上に話したんだ。
当たり前でしょう?
この子はうちの領だけじゃなく、フォンデアス公爵令嬢である俺達の家族の人生も救ってくれたんだから。
引き換えにフォンデアス公爵令嬢という存在を失ってしまったのは残念には思っているけどね。
ただそれは身内を切り捨てきれずに招いた俺達家族の甘さと、クラウディア本人の強い自己顕示欲や自惚れが招いた当然の結果だったと家族全員が納得している事だから感謝こそすれ、恨んでなんかいないよ。
だけど俺とは血の繋がった従弟で、アリーの義兄であるレイヤードがついて行くからって影は断られた。
叔父上からも止められたんだ。
だからあのレイヤードが遅れを取って溺愛する妹が拐われるって状況にまず驚いた。
でもあのグレインビルだろ?
半分はわざとなんじゃないかって怪しんでる。
もちろん怪我以外の話ね。
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