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329.爆笑から始まる商会長さん達との再会
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「あっはっはっはっ。
ガウディード様とアリーちゃんが一緒に行動すると面白過ぎるわ!」
今、僕の目の前で大爆笑してるのは東の商会長さんであるカイヤさん。
「アリー嬢、痩せてしまったと聞いて心配してたけど、ひとまず元気そうで良かった」
優しい言葉とは裏腹に、何だか先日のジェン様を彷彿とさせる目になっているのはどうしてかな、ウィンスさん。
彼は西の商会を代表するアボット商会の会長さんだ。
「アリー嬢、この世には様々な趣味の御人がいる。
注意しておいた方がいい」
どうしてか心配そうなお顔で当たり前の事を言うのは隣国のであるゼストゥウェル=ザルハード第1王子。
『アリー、襲われてない?!
誰にでもついてっちゃダメだよ!』
他の人には見えてないけど、手のひらサイズの闇の精霊さんが王子の肩から僕のお顔にべちゃっとへばりつく。
うん、今現在進行形で襲われてる気がする。
誰にでもはついて行かないよ?
「アリーが眠った後が怖かった····。
東方の国の鬼っていう生き物はきっとああいうのをいうんだよ」
うーん、僕あっちの世界の鬼しか思い浮かばないけど、こっちには現実世界で鬼がいるのかな?
そんなやり取りから始まったこの場所は僕にあてがわれてる客室だよ。
丸テーブルを挟んで僕達5人は座ってる。
闇の精霊さんは僕の頭に移動した。
ゼストゥウェル王子が何だか寂しそうなお顔で僕の頭をちらちら見てるけど、僕の頭にうつ伏せでダイブして陣取っちゃった。
他の人には見えないモードの精霊さんは重さを全く感じさせないから負担ではないよ。
『ヒッ』
不意に頭の精霊さんがビクッと体を硬くした。
どうしたんだろう?
彼の視線の先には僕のできる専属侍女のニーア?
お客様に2つのコップをそれぞれ配り始めたから驚いたのかな?
コップの1つは葡萄の酵素ジュースだよ。
義父様に出した強炭酸風じゃなくて、普通の微炭酸風。
あとの1つは透明な液体が入ってて、このコップには気泡が見えてる。
それにしてもいつもと違って人口密度が高いや。
他にも従兄様が持参してくれたシュガーコートしたエディブルフラワーと、カットした春のクラシックケーキ2種を乗せた小皿も並び始めると、円卓が余計に狭くなっちゃってるね。
まあ元々数名がゆったり座るのを想定したテーブルだから仕方ないか。
ここは僕の滞在する客室で、応接室じゃないもの。
それでも貴族にあてがう客室だから寝室は奥にあるし、大人の男女5人とうちの使用人2人が入り乱れても余裕のある二間続きの構造だよ。
セバスチャンはすぐそこで僕とゼストゥウェル王子のコーヒーを淹れてくれてるんだ。
実は僕、お昼寝から起きたばかりなの。
お昼寝からの起き抜けはブラックコーヒーを飲みたいタイプで、王子もそれに便乗してきた。
何年か前に初めてコーヒーを試飲してもらった時の予想通り、王子はブラックコーヒー派だった。
ふふふ、僕と同じくコーヒー中毒になってるみたいだよ。
コーヒーの独特の香ばしい香りが漂い始めると、僕の後ろでコーヒーを淹れてるセバスチャンの手元をちらちら見るようになった。
今は闇の精霊さんよりコーヒーが勝ってるみたい。
いつぞやにモモンガな僕を醜態から救ってくれたリューイさんは、護衛する王子から少し離れた後ろにそっと立ってる。
「すっかりカハイの魅力に取り憑かれてるみたいだね。
ヨンニョルさんも喜ぶよ」
「グレインビル家の定番の飲み物になりましたからね」
優しげな風貌の虎属のウインスさんとムキムキ筋肉質なおじさんカンガルー属のヨンニョルさんは仲がいいんだ。
僕がそう言うと、自分の事みたいににこにこしてる。
ああ、揺れるそのお尻尾様をもふりたい。
ヨンニョルさんは南国のチャガン商会の商会長さん。
他国で商談があって今回は合流しないんだって。
あのカンガルーのお尻尾様に触れないのはとっても残念だけど、商人にとって忙しいのはいい事だ。
もう他国の貴族を相手にしたマナーもばっちりだし、頑張ってね。
「皆何日か前にファムント領入りしてたんだけどね。
アリーが熱を出してたから遠慮してたんだよ」
「そうなの?
気を使わせちゃったんだね」
ホエールウォッチング、じゃなかった。
バリーフェの生態調査を終えて滞在中のファムント侯爵邸に戻ってきてから僕は熱を出してしまったんだ。
といっても定期的に出る発熱で、命に別状はないよ。
4日目には微熱になって、5日目の今日は平熱に戻ったから。
お馬さん3兄妹が引く馬車か、セバスチャンにずっと抱っこされての移動だったはずなんだけど、貧弱な僕の体はやっぱりいくらか疲れたみたい。
おかげでまだ温泉には入れていないんだ。
あ、でもニーアが持ち帰った溶岩の砕いた欠片はこの部屋に備え付けの浴槽に沈めて入ってみたんだ。
心なしかお風呂から出た後のぽかぽかが持続してた。
あの後ジェン様と従兄様もあの溶岩を砕いて持ち帰ったんだって。
皆ぽかぽかだって高評価みたい。
「俺達がアリー嬢に会いたかったから気にしないで」
ウィンスさんてば、相変わらず優しいな。
他の皆も頷いてるし、僕の周りは優しい人達ばかりだね。
「どうぞ」
なんて感激してたらセバスチャンがコーヒーを差し出してくれた。
王子の前には既にセットされている。
いつの間に····。
ガウディード様とアリーちゃんが一緒に行動すると面白過ぎるわ!」
今、僕の目の前で大爆笑してるのは東の商会長さんであるカイヤさん。
「アリー嬢、痩せてしまったと聞いて心配してたけど、ひとまず元気そうで良かった」
優しい言葉とは裏腹に、何だか先日のジェン様を彷彿とさせる目になっているのはどうしてかな、ウィンスさん。
彼は西の商会を代表するアボット商会の会長さんだ。
「アリー嬢、この世には様々な趣味の御人がいる。
注意しておいた方がいい」
どうしてか心配そうなお顔で当たり前の事を言うのは隣国のであるゼストゥウェル=ザルハード第1王子。
『アリー、襲われてない?!
誰にでもついてっちゃダメだよ!』
他の人には見えてないけど、手のひらサイズの闇の精霊さんが王子の肩から僕のお顔にべちゃっとへばりつく。
うん、今現在進行形で襲われてる気がする。
誰にでもはついて行かないよ?
「アリーが眠った後が怖かった····。
東方の国の鬼っていう生き物はきっとああいうのをいうんだよ」
うーん、僕あっちの世界の鬼しか思い浮かばないけど、こっちには現実世界で鬼がいるのかな?
そんなやり取りから始まったこの場所は僕にあてがわれてる客室だよ。
丸テーブルを挟んで僕達5人は座ってる。
闇の精霊さんは僕の頭に移動した。
ゼストゥウェル王子が何だか寂しそうなお顔で僕の頭をちらちら見てるけど、僕の頭にうつ伏せでダイブして陣取っちゃった。
他の人には見えないモードの精霊さんは重さを全く感じさせないから負担ではないよ。
『ヒッ』
不意に頭の精霊さんがビクッと体を硬くした。
どうしたんだろう?
彼の視線の先には僕のできる専属侍女のニーア?
お客様に2つのコップをそれぞれ配り始めたから驚いたのかな?
コップの1つは葡萄の酵素ジュースだよ。
義父様に出した強炭酸風じゃなくて、普通の微炭酸風。
あとの1つは透明な液体が入ってて、このコップには気泡が見えてる。
それにしてもいつもと違って人口密度が高いや。
他にも従兄様が持参してくれたシュガーコートしたエディブルフラワーと、カットした春のクラシックケーキ2種を乗せた小皿も並び始めると、円卓が余計に狭くなっちゃってるね。
まあ元々数名がゆったり座るのを想定したテーブルだから仕方ないか。
ここは僕の滞在する客室で、応接室じゃないもの。
それでも貴族にあてがう客室だから寝室は奥にあるし、大人の男女5人とうちの使用人2人が入り乱れても余裕のある二間続きの構造だよ。
セバスチャンはすぐそこで僕とゼストゥウェル王子のコーヒーを淹れてくれてるんだ。
実は僕、お昼寝から起きたばかりなの。
お昼寝からの起き抜けはブラックコーヒーを飲みたいタイプで、王子もそれに便乗してきた。
何年か前に初めてコーヒーを試飲してもらった時の予想通り、王子はブラックコーヒー派だった。
ふふふ、僕と同じくコーヒー中毒になってるみたいだよ。
コーヒーの独特の香ばしい香りが漂い始めると、僕の後ろでコーヒーを淹れてるセバスチャンの手元をちらちら見るようになった。
今は闇の精霊さんよりコーヒーが勝ってるみたい。
いつぞやにモモンガな僕を醜態から救ってくれたリューイさんは、護衛する王子から少し離れた後ろにそっと立ってる。
「すっかりカハイの魅力に取り憑かれてるみたいだね。
ヨンニョルさんも喜ぶよ」
「グレインビル家の定番の飲み物になりましたからね」
優しげな風貌の虎属のウインスさんとムキムキ筋肉質なおじさんカンガルー属のヨンニョルさんは仲がいいんだ。
僕がそう言うと、自分の事みたいににこにこしてる。
ああ、揺れるそのお尻尾様をもふりたい。
ヨンニョルさんは南国のチャガン商会の商会長さん。
他国で商談があって今回は合流しないんだって。
あのカンガルーのお尻尾様に触れないのはとっても残念だけど、商人にとって忙しいのはいい事だ。
もう他国の貴族を相手にしたマナーもばっちりだし、頑張ってね。
「皆何日か前にファムント領入りしてたんだけどね。
アリーが熱を出してたから遠慮してたんだよ」
「そうなの?
気を使わせちゃったんだね」
ホエールウォッチング、じゃなかった。
バリーフェの生態調査を終えて滞在中のファムント侯爵邸に戻ってきてから僕は熱を出してしまったんだ。
といっても定期的に出る発熱で、命に別状はないよ。
4日目には微熱になって、5日目の今日は平熱に戻ったから。
お馬さん3兄妹が引く馬車か、セバスチャンにずっと抱っこされての移動だったはずなんだけど、貧弱な僕の体はやっぱりいくらか疲れたみたい。
おかげでまだ温泉には入れていないんだ。
あ、でもニーアが持ち帰った溶岩の砕いた欠片はこの部屋に備え付けの浴槽に沈めて入ってみたんだ。
心なしかお風呂から出た後のぽかぽかが持続してた。
あの後ジェン様と従兄様もあの溶岩を砕いて持ち帰ったんだって。
皆ぽかぽかだって高評価みたい。
「俺達がアリー嬢に会いたかったから気にしないで」
ウィンスさんてば、相変わらず優しいな。
他の皆も頷いてるし、僕の周りは優しい人達ばかりだね。
「どうぞ」
なんて感激してたらセバスチャンがコーヒーを差し出してくれた。
王子の前には既にセットされている。
いつの間に····。
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