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330.弾ける果実水と水
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「それじゃあ皆さん。
色のついた果実水から先に飲んでみて」
僕の言葉を待ってましたとばかりに、全員がまずは酵素ジュースから口をつける。
ふふふ、皆のお顔がぱあっと明るくなったね。
「そう、これ!
とっても美味しいし、何より口の中で弾けるんだ!」
「ウィンスさんの所にも贈られてたのかい!
これをしばらく飲んでたら何だか肌の調子が良くなってねぇ!」
会長さん達は仲良く話しはじめた。
酵素は女性のお肌の味方だよ、カイヤさん。
「これが噂の果実水!
美味しいな、ガウディード殿!」
「そうでしょ!
やっぱり美味しいよね!
後からでいいから、皆このシュガーコーティングした花を浮かべて飲んで感想教えて!」
あれ、いつの間にか従兄様ってば王子とため口で話すようになってる。
そういえば王族にはデビュタント式の後に贈られたお祝いを受け取って即お返ししたから、酵素ジュースじゃないやつを送ったんだっけ。
商会長さんや従兄様にはその後体調見ながらお返ししていったから、酵素ジュースにしたんだ。
思い出してから作ってみて、味見してからだからむしろお返しが少し遅くなったんだけど、気心知れた商会長さん達ならたまにはこういうのもいいかなって。
軽いお試し感覚だったんだ。
それにしても噂って何だろう?
『わあ、美味しい!
アリー、これ好き!』
ふふふ、頭から僕の手元のコップの近くに降りた闇の精霊さんも酵素ジュースを飲んだみたい。
お気にめしたみたいで良かった。
帰る時にお土産に渡そうっと。
なんて思いつつ、僕はセバスチャンの淹れてくれたコーヒーに口をつける。
やっぱり起きぬけはブラックコーヒーだ。
それにセバスチャンの腕前がまたあがっていて、豆の雑味が感じられないのはもちろん、ほんのり甘みまで感じる。
僕のできる専属侍女と後ろに控えたセバスチャンを軽く振り返って美味しいよも微笑んでみれば、皺のある目元がいくらか弛んだ。
「うん、このエディブルフラワーは見てても美味しい。
少し浮かべただけでは甘さの変化は少ないね」
「これ、多国籍カフェで使えばいい客引きになるんじゃないのかい」
「食べられる花か。
あるのは知ってはいたが、このような使い方をするとは。
少しずつ花の周りの砂糖が溶けるからか、甘さが時間と共に変化するのが面白い」
ウィンスさん、カイヤさん、王子が口々に感想を伝える。
『きれい!
ほんのり甘さが増すから味変だー!』
従兄様には闇の精霊さんのお声が聞こえないのが残念だけど、僕の耳にはしっかり可愛らしい声が届いてるよ。
「それじゃあ、そろそろそちらの透明なお水を飲んでみてください」
頃合いを見て促せば、皆一斉に口にした。
「「「「んん?!」」」」
よしよし、大成功。
皆目を見開いて驚いてくれたね。
『んひゃ!』
遅れて飲んだ闇の精霊さんが驚いてコップを····あ、僕のできる専属侍女がさっとコップを押さえてくれた。
さっきまでセバスチャンと後ろに並んで控えてたはずなのに、さすがだね!
もちろんニーアにもありがとうと微笑んでおくよ。
ニーアの侍女らしくすましたお顔が弛む。
へへへ、意思疎通ばっちりだね。
「アリー!
これ!
水なのに果実水より口の中で弾けるよ!」
おっと、ニーアに意識を持っていってたから従兄様の興奮して大きくなったお声にちょっぴりびっくりしちゃった。
「アリー嬢、これ····口の中がとてもさっぱりするし、先ほどの果実水と違って無味なのがいい」
王子ってやっぱり僕の家族達みたいに苦手とまではいかないけど、甘いのよりもこういう物のほうがいいんだろうね。
王子も少し興奮気味かな?
「アリーちゃん、この果実水といい、この水といい、どこから見つけてくるんだい?」
「アリー嬢、これは世紀の大発明だよ!」
驚きを通り越したように呟くカイヤさんに、何だかとっても褒めてくれてるウィンスさん。
「んふふ、皆さん驚いてくれたみたいで満足!」
あ、予想以上の反応についうっかり心の声が漏れちゃった。
「もう、アリーには驚かされっぱなしだよ!
それで、そろそろこの弾ける果実水や水の事、教えて欲しいな。
お願い、アリー」
あ、またまたあざといお顔だ!
でも好き!
「えへへ、そうですね。
皆揃ったし、そろそろ····」
教えてもいいかな。
そう告げようとしたところで、扉がバン、とけたたましく開く。
「ちょっと待ってちょうだい!」
慌てて駆け込んで来たのはスラッとしたスーパーモデルなお姉様。
ジェン様だ。
「酷いわ、アリー!
私だけのけものにしないで!」
うわあ、何だか目がギラギラして迫力満点だ!
んん?!
ニーアがいつの間にか駆け寄って来るジェン様と僕の間に····。
『アリー、逃げて!』
「んぶっ」
ちょ、闇の精霊さん?!
勢いよくお顔にへばりついたらそもそも逃げられないんじゃないかな?!
ていうか何から逃げるの?!
「ええ?!」
不意に浮遊感を感じたと思った瞬間、闇の精霊さんをお顔に引っつけたままセバスチャンにおこちゃま縦抱っこされてる?!
い、いつの間に?!
色のついた果実水から先に飲んでみて」
僕の言葉を待ってましたとばかりに、全員がまずは酵素ジュースから口をつける。
ふふふ、皆のお顔がぱあっと明るくなったね。
「そう、これ!
とっても美味しいし、何より口の中で弾けるんだ!」
「ウィンスさんの所にも贈られてたのかい!
これをしばらく飲んでたら何だか肌の調子が良くなってねぇ!」
会長さん達は仲良く話しはじめた。
酵素は女性のお肌の味方だよ、カイヤさん。
「これが噂の果実水!
美味しいな、ガウディード殿!」
「そうでしょ!
やっぱり美味しいよね!
後からでいいから、皆このシュガーコーティングした花を浮かべて飲んで感想教えて!」
あれ、いつの間にか従兄様ってば王子とため口で話すようになってる。
そういえば王族にはデビュタント式の後に贈られたお祝いを受け取って即お返ししたから、酵素ジュースじゃないやつを送ったんだっけ。
商会長さんや従兄様にはその後体調見ながらお返ししていったから、酵素ジュースにしたんだ。
思い出してから作ってみて、味見してからだからむしろお返しが少し遅くなったんだけど、気心知れた商会長さん達ならたまにはこういうのもいいかなって。
軽いお試し感覚だったんだ。
それにしても噂って何だろう?
『わあ、美味しい!
アリー、これ好き!』
ふふふ、頭から僕の手元のコップの近くに降りた闇の精霊さんも酵素ジュースを飲んだみたい。
お気にめしたみたいで良かった。
帰る時にお土産に渡そうっと。
なんて思いつつ、僕はセバスチャンの淹れてくれたコーヒーに口をつける。
やっぱり起きぬけはブラックコーヒーだ。
それにセバスチャンの腕前がまたあがっていて、豆の雑味が感じられないのはもちろん、ほんのり甘みまで感じる。
僕のできる専属侍女と後ろに控えたセバスチャンを軽く振り返って美味しいよも微笑んでみれば、皺のある目元がいくらか弛んだ。
「うん、このエディブルフラワーは見てても美味しい。
少し浮かべただけでは甘さの変化は少ないね」
「これ、多国籍カフェで使えばいい客引きになるんじゃないのかい」
「食べられる花か。
あるのは知ってはいたが、このような使い方をするとは。
少しずつ花の周りの砂糖が溶けるからか、甘さが時間と共に変化するのが面白い」
ウィンスさん、カイヤさん、王子が口々に感想を伝える。
『きれい!
ほんのり甘さが増すから味変だー!』
従兄様には闇の精霊さんのお声が聞こえないのが残念だけど、僕の耳にはしっかり可愛らしい声が届いてるよ。
「それじゃあ、そろそろそちらの透明なお水を飲んでみてください」
頃合いを見て促せば、皆一斉に口にした。
「「「「んん?!」」」」
よしよし、大成功。
皆目を見開いて驚いてくれたね。
『んひゃ!』
遅れて飲んだ闇の精霊さんが驚いてコップを····あ、僕のできる専属侍女がさっとコップを押さえてくれた。
さっきまでセバスチャンと後ろに並んで控えてたはずなのに、さすがだね!
もちろんニーアにもありがとうと微笑んでおくよ。
ニーアの侍女らしくすましたお顔が弛む。
へへへ、意思疎通ばっちりだね。
「アリー!
これ!
水なのに果実水より口の中で弾けるよ!」
おっと、ニーアに意識を持っていってたから従兄様の興奮して大きくなったお声にちょっぴりびっくりしちゃった。
「アリー嬢、これ····口の中がとてもさっぱりするし、先ほどの果実水と違って無味なのがいい」
王子ってやっぱり僕の家族達みたいに苦手とまではいかないけど、甘いのよりもこういう物のほうがいいんだろうね。
王子も少し興奮気味かな?
「アリーちゃん、この果実水といい、この水といい、どこから見つけてくるんだい?」
「アリー嬢、これは世紀の大発明だよ!」
驚きを通り越したように呟くカイヤさんに、何だかとっても褒めてくれてるウィンスさん。
「んふふ、皆さん驚いてくれたみたいで満足!」
あ、予想以上の反応についうっかり心の声が漏れちゃった。
「もう、アリーには驚かされっぱなしだよ!
それで、そろそろこの弾ける果実水や水の事、教えて欲しいな。
お願い、アリー」
あ、またまたあざといお顔だ!
でも好き!
「えへへ、そうですね。
皆揃ったし、そろそろ····」
教えてもいいかな。
そう告げようとしたところで、扉がバン、とけたたましく開く。
「ちょっと待ってちょうだい!」
慌てて駆け込んで来たのはスラッとしたスーパーモデルなお姉様。
ジェン様だ。
「酷いわ、アリー!
私だけのけものにしないで!」
うわあ、何だか目がギラギラして迫力満点だ!
んん?!
ニーアがいつの間にか駆け寄って来るジェン様と僕の間に····。
『アリー、逃げて!』
「んぶっ」
ちょ、闇の精霊さん?!
勢いよくお顔にへばりついたらそもそも逃げられないんじゃないかな?!
ていうか何から逃げるの?!
「ええ?!」
不意に浮遊感を感じたと思った瞬間、闇の精霊さんをお顔に引っつけたままセバスチャンにおこちゃま縦抱っこされてる?!
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