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337.貸し切り1番風呂と試用期間と、無いな
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「ふう、気持ち良い」
僕は今、出来上がったばかりの貸し切り露天風呂の浴槽に浸かってほっとひと息つきながら、ゆったりと温泉を堪能している。
場所のイメージは貸し切り家族風呂みたいな感じかな。
このお風呂は和をイメージして作られてて、浴槽はあの溶岩プレートをタイル張りした石造り。
「お嬢様、何かあれば呼んで下さい」
「はーい」
ニーアはそう言ってここからも見える向こうのお部屋で待機だ。
せっかくだから一緒にって誘ってみたけど断られちゃったんだよね。
この世界の硝子は高価だから、木枠に蚊帳素材の布張りを施した網戸を使ってるんだ。
向こうからもこちらは見えてるから、僕がのぼせて倒れてもすぐわかるよ。
あのアドバイザーを承諾してから、更に半月が経った。
時間の経過って早いね。
あの試飲会の直後、僕は再び熱を出してしまったせいで、ウィンスさんのブラッシングができなかったんだ。
うちの執事長とできる専属侍女がいつの間にかベッドを整え、吸い飲みや氷嚢なんかの発熱セットを準備し終わっていたのはびっくりだ。
でも従兄様が枕元でやっぱりって言ってたから、何か予兆でもあったのかな?
対処が早かったからか、いつもより短い期間で熱が引いて良かった。
こうして湯治もできてるのもセバスチャンとニーアのお陰だね。
まずは一室だけって事でモデルにするのに急ピッチで完成させたこの浴槽のお試しと、アドバイザー料の現物支給でこの源泉かけ流しの本当の意味での1番風呂が堪能できるなんて幸せ。
「あ、スーパーモデル」
向こうのお部屋でニーアとジェン様が何かお話ししてる。
本当はジェン様も一緒に入る予定だったけど、従兄様やうちの執事長が強く反対したんだ。
一応は貴族令嬢だからね。
はしたないって思われたのかもしれない。
それでも一緒にって僕達2人で話してたんだけど、最後はカイヤさんがジェン様に何かを耳打ちしたら、やっぱり止めるって言われちゃった。
とっても残念そうなお顔するくらいなら一緒に入ればいいのに、どうしたのかな?
あ、僕の中身の性別問題はちゃんと体に布を巻いて解決済みだよ。
日本じゃないし、ここは貸し切り風呂だから怒られない。
「ジェン様ー、ニーアー。
あ、カイヤさんもきた」
女性3人が集まってこっちを布越しに見たからパシャパシャと水音をさせながら手を降る。
源泉だからやっぱり特有の臭いはするし濁りもある。
けれど水質は滑らかさのある温泉特有の肌感で、それがとってもいい。
あ、3人共手を振り返してくれた。
もちろん男性陣はここにはいないよ。
僕の外見の性別は一応女性だからね。
そうそう男性陣といえば、あの隣国の第一王子は先日卒業式を迎えたらしい。
僕が数日寝てる間にいなくなってた。
王子だし、まだぎりぎり学生だし忙しいんだろうなと思ってたら、卒業式に出席するのに学園に戻ってたんだって。
何かと縁があるし、僕も大切に想ってる闇の精霊さんのお友達だからお祝い何に何か贈ろうと思ってたんだけど、体調不良が過ぎて失念してた。
アドバイザーになったから一足先に教えてもらえたんだけど、予想通り隣国の第一王子として自国からこの領に流出する難民問題を担当していくって正式にザルハード国で決まったんだって。
それとこの国と西の諸国の交易にも携わるらしいよ。
でも最終的な任命は3年程様子を見て、その結果次第だって言ってた。
要は長い試用期間て事だね。
試用期間中は引き続き1年の半分以上をこの国の王城に仮住まいするって。
でも多分暫くは難民問題に時間を割くんじゃないかな。
一応辺境領地だから、王子がこのファムント邸で滞在してもいいようにしておくみたい。
でもこれって王位継承争いの何かしらが絡んでないかな?
だって今この国の学園にいる第3王子が卒業するのがあと3年でしょ?
第2王子は随分前に亡くなってるから、立太子はこの2人の王子のどちらかだもの。
実母が正妻で王妃とはいえ、生家の力が弱まってしまったせいか後ろ盾がほぼなく、実の両親である両陛下からも多分放置状態、自国で重要視される精霊かの守護がないとされていたゼストゥウェル第1王子。
側妃の子供とはいえ隣国では王家と権力を二分する教会の後ろ盾を持ち、ザルハード国では威光の塊として絶対視される光の精霊王が守護しているというキャッチコピーを持っていた第3王子。
そんな状況からか、亡くなった同母弟王子への想いからか、入学したばかりの頃の第1王子は焦りが募って闇の精霊さんを顧みずに失いかけ、友好国とはいえ他国の高位貴族令嬢だった僕に色々やらかしてくれたんだよね。
6年くらい前から何かしら付き合いのあった僕はあの頃を知ってるだけに、感慨深いよ。
中身が四捨五入して400才の僕は何だか成長した子供を見る親····うーん、親戚のオジサンやオバサン目線で微笑ましくなっちゃうな。
もちろん僕は無駄に巻きこまれ体質だから、なるべく王族関連との距離は取っておきたいけど、初対面で堂々と僕のグリーンカレーをカツアゲしようとした第3王子よりは期待してる。
一応この領に来る前にザルハード国の情報を事前収集したんだ。
ほら、従兄様のカフェメニューを一緒に考えるお約束してたからさ。
あちらの世界の小さな島国、日本でも東西で味の好みって違うでしょ?
温泉街計画には他国からのお客様も視野に入れてるし、陸続きの隣国からのお客様なら世情も含めてリサーチはしておくべきだよね。
ただ調べてみて、面白いけど無いなって感じたのが第3王子だったんだ。
僕は今、出来上がったばかりの貸し切り露天風呂の浴槽に浸かってほっとひと息つきながら、ゆったりと温泉を堪能している。
場所のイメージは貸し切り家族風呂みたいな感じかな。
このお風呂は和をイメージして作られてて、浴槽はあの溶岩プレートをタイル張りした石造り。
「お嬢様、何かあれば呼んで下さい」
「はーい」
ニーアはそう言ってここからも見える向こうのお部屋で待機だ。
せっかくだから一緒にって誘ってみたけど断られちゃったんだよね。
この世界の硝子は高価だから、木枠に蚊帳素材の布張りを施した網戸を使ってるんだ。
向こうからもこちらは見えてるから、僕がのぼせて倒れてもすぐわかるよ。
あのアドバイザーを承諾してから、更に半月が経った。
時間の経過って早いね。
あの試飲会の直後、僕は再び熱を出してしまったせいで、ウィンスさんのブラッシングができなかったんだ。
うちの執事長とできる専属侍女がいつの間にかベッドを整え、吸い飲みや氷嚢なんかの発熱セットを準備し終わっていたのはびっくりだ。
でも従兄様が枕元でやっぱりって言ってたから、何か予兆でもあったのかな?
対処が早かったからか、いつもより短い期間で熱が引いて良かった。
こうして湯治もできてるのもセバスチャンとニーアのお陰だね。
まずは一室だけって事でモデルにするのに急ピッチで完成させたこの浴槽のお試しと、アドバイザー料の現物支給でこの源泉かけ流しの本当の意味での1番風呂が堪能できるなんて幸せ。
「あ、スーパーモデル」
向こうのお部屋でニーアとジェン様が何かお話ししてる。
本当はジェン様も一緒に入る予定だったけど、従兄様やうちの執事長が強く反対したんだ。
一応は貴族令嬢だからね。
はしたないって思われたのかもしれない。
それでも一緒にって僕達2人で話してたんだけど、最後はカイヤさんがジェン様に何かを耳打ちしたら、やっぱり止めるって言われちゃった。
とっても残念そうなお顔するくらいなら一緒に入ればいいのに、どうしたのかな?
あ、僕の中身の性別問題はちゃんと体に布を巻いて解決済みだよ。
日本じゃないし、ここは貸し切り風呂だから怒られない。
「ジェン様ー、ニーアー。
あ、カイヤさんもきた」
女性3人が集まってこっちを布越しに見たからパシャパシャと水音をさせながら手を降る。
源泉だからやっぱり特有の臭いはするし濁りもある。
けれど水質は滑らかさのある温泉特有の肌感で、それがとってもいい。
あ、3人共手を振り返してくれた。
もちろん男性陣はここにはいないよ。
僕の外見の性別は一応女性だからね。
そうそう男性陣といえば、あの隣国の第一王子は先日卒業式を迎えたらしい。
僕が数日寝てる間にいなくなってた。
王子だし、まだぎりぎり学生だし忙しいんだろうなと思ってたら、卒業式に出席するのに学園に戻ってたんだって。
何かと縁があるし、僕も大切に想ってる闇の精霊さんのお友達だからお祝い何に何か贈ろうと思ってたんだけど、体調不良が過ぎて失念してた。
アドバイザーになったから一足先に教えてもらえたんだけど、予想通り隣国の第一王子として自国からこの領に流出する難民問題を担当していくって正式にザルハード国で決まったんだって。
それとこの国と西の諸国の交易にも携わるらしいよ。
でも最終的な任命は3年程様子を見て、その結果次第だって言ってた。
要は長い試用期間て事だね。
試用期間中は引き続き1年の半分以上をこの国の王城に仮住まいするって。
でも多分暫くは難民問題に時間を割くんじゃないかな。
一応辺境領地だから、王子がこのファムント邸で滞在してもいいようにしておくみたい。
でもこれって王位継承争いの何かしらが絡んでないかな?
だって今この国の学園にいる第3王子が卒業するのがあと3年でしょ?
第2王子は随分前に亡くなってるから、立太子はこの2人の王子のどちらかだもの。
実母が正妻で王妃とはいえ、生家の力が弱まってしまったせいか後ろ盾がほぼなく、実の両親である両陛下からも多分放置状態、自国で重要視される精霊かの守護がないとされていたゼストゥウェル第1王子。
側妃の子供とはいえ隣国では王家と権力を二分する教会の後ろ盾を持ち、ザルハード国では威光の塊として絶対視される光の精霊王が守護しているというキャッチコピーを持っていた第3王子。
そんな状況からか、亡くなった同母弟王子への想いからか、入学したばかりの頃の第1王子は焦りが募って闇の精霊さんを顧みずに失いかけ、友好国とはいえ他国の高位貴族令嬢だった僕に色々やらかしてくれたんだよね。
6年くらい前から何かしら付き合いのあった僕はあの頃を知ってるだけに、感慨深いよ。
中身が四捨五入して400才の僕は何だか成長した子供を見る親····うーん、親戚のオジサンやオバサン目線で微笑ましくなっちゃうな。
もちろん僕は無駄に巻きこまれ体質だから、なるべく王族関連との距離は取っておきたいけど、初対面で堂々と僕のグリーンカレーをカツアゲしようとした第3王子よりは期待してる。
一応この領に来る前にザルハード国の情報を事前収集したんだ。
ほら、従兄様のカフェメニューを一緒に考えるお約束してたからさ。
あちらの世界の小さな島国、日本でも東西で味の好みって違うでしょ?
温泉街計画には他国からのお客様も視野に入れてるし、陸続きの隣国からのお客様なら世情も含めてリサーチはしておくべきだよね。
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