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346.アフタヌーンティーと炭酸水····弾泉水
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「さあさ、ご令嬢方。
そろそろお茶会を開始されてはいかがでしょう?」
僕を抱っこしたセバスチャンがセッティングされていた椅子にそっと僕を下ろす。
「そうね。
今日はお茶会と近況報告だったわ。
アリーに聞きたかった事もあるの」
そう言いながらレイチェル様も椅子に座ろうとする。
それを僕に膝かけをかけるセバスチャンの代わりに、ニーアが動きに合わせて椅子を引いてあげた。
給仕の人達は用意だけしたら部屋から出て行っちゃったんだ。
まあ密談も兼ねた女子会だものね。
テーブルにはあちらの世界にあるアフタヌーンティー風にクッキーやケーキ、マカロンなんかがセットされてる。
とっても可愛らしい感じの、映えのある光景だよ。
世界が違ってたらきっと、ここにいる美女2人も色々なSNSに写真を投稿するに違いない。
ふふふ、アフタヌーンティー····実はこの世界にはなかった文化なんだ。
従兄様の多国籍じゃない方のカフェで流行らせようと現在進行系で画策中だよ。
「この可愛らしいセットはアリーの発案なの?」
「今日のセッティングはガウディード様が指示されたものよ。
さっきまでレイチェル様と素敵な仕様だって話してたの」
社交界の花って言われてる艶女と、次期当主の教育を受けたスーパーモデルの感触は良い感じだ。
従兄様はこの日を狙ったみたいだね。
「この国のちょっとしたお茶会文化に浸透してくれればなって2人でお話してたんですが、素敵な仕様に従兄様がまとめたみたいです。
ふふふ、美味しそう。
でもその前に····ん~!
できたんですね、弾泉水!」
「そうなの!
わかってもらえたのね!」
お菓子はもちろんだけど、やっぱり最初はこの薄黄色の気泡のある液体が入った、氷の浮かぶ涼やかなグラスに口をつけるべきだよね。
「これ、こうやって浮かべると本当に綺麗ね。
この果実水は例の弾ける果実水と、この領の井戸から湧いてる弾泉水を混ぜたのでしょう?」
「ええ。
レイチェル様はアリーの果実水が気に入ったのですって」
艶女のレイチェル様がシュガーコートしたお花をお好みでパラパラ浮かべてうっもりしながら飲む姿は何だか色っぽい。
スーパーモデルなジェン様は相槌をうちつつ、そう教えてくれた。
「それに美容にも良いのではなくて?
アリーの贈ってくれた弾ける果実水を毎日飲んでたら、肌の調子がとっても良かったの。
保存方法にコツが必要みたいだけど、早くレシピを解禁して欲しいわ」
艶女が僕に物欲しそうな目を向けてる!
色っぽい!
でも僕も成人したんだからできるはず!
艶女に流し目をお返しだ!
「アリー····研鑽が足りないわ」
「むしろ背伸びした感が可愛らしくて私は好きよ」
「そんな?!」
艶女の目から色っぽさが消えて呆れた目に?!
スーパーモデルの微笑ましそうなうっとりした目が何だか痛い!
はっ、気づけばうちの執事長と専属侍女が微笑ましいのを通り越した生温かい目に?!
····解せない。
「その果実水の方は貴族向けの温泉施設ができた時の注目美容飲料として売り出したくて、私が待ってもらうようにお願いしているの」
「そう、待ち遠しいけれど、経営戦略は大事よね」
学生の頃から領地経営に携わる艶女も納得してくれたみたい。
貴族は特別感が好きだし、飲み物1つとっても平民との違いは明確にした方がいい。
とはいえ当初は酵素ジュースを弾泉水と別で身分関係なく、広く販売するはずだったんだ。
けれどどうしても長期的な販売となると、やっぱり保存方法がネックになったみたいでね。
冷蔵庫なんかの設備投資も必要だけど、安全を確保した物を大量販売となるとコストがかかる。
ほら、酵素ジュースは発酵が常に進んでしまうでしょ?
これから暑くなれば更に管理が難しくなるんだよ。
だからまずは貴族向けに販売って事になったけど、この領としてはあの井戸から湧く炭酸泉も貴族階級にうまく売り出したい。
だから2つをミックスするよう提案したんだ。
あ、そうそう。
井戸はちゃんと修繕して、専門家と一緒に源泉であるあの冷泉も含めてあの付近を整備したんだって。
まずは元々の温泉街予定地を軌道に乗せてからになるらしいけど、第2の温泉街計画の草案を構想中だよ。
井戸の水はまだ通年データが正確に取れてないから何とも言えないけど、一旦の安定供給の目処はたったみたい。
炭酸水は、弾ける冷泉の水って事で弾泉水と命名されて庶民にも販売されるよ。
従兄様達の多国籍カフェでは少し弛めに煮たジャムを弾泉水に溶かす事を提案した。
こちらの方が扱いは簡単だし、他国でのアレンジもしやすいでしょ。
逆に温泉では売り子さんを用意。
ほら、あっちの世界の野球観戦があるでしょう。
あのビールの売り子さんのイメージかな。
売り子さん達には最新デザインの水着を着てもらって、冷たい弾泉水を売ってもらうよ。
もちろんそれ用の箱も用意した。
冷蔵庫はもちろんだけど、魔石を使ったクーラーボックスをいくつも用意するのは初期費用がかかるし、消耗品になる。
不慣れな売り子さんが落としちゃう事も想定すると、ちょっとね。
それに温泉施設内は暑いし足場も濡れて滑りやすい。
物は軽ければ軽いほどいいし、弾泉水は冷たければ冷たい程いいんだ。
てことで、軽くて丈夫な簡易のクーラーボックスを作っちゃった。
そろそろお茶会を開始されてはいかがでしょう?」
僕を抱っこしたセバスチャンがセッティングされていた椅子にそっと僕を下ろす。
「そうね。
今日はお茶会と近況報告だったわ。
アリーに聞きたかった事もあるの」
そう言いながらレイチェル様も椅子に座ろうとする。
それを僕に膝かけをかけるセバスチャンの代わりに、ニーアが動きに合わせて椅子を引いてあげた。
給仕の人達は用意だけしたら部屋から出て行っちゃったんだ。
まあ密談も兼ねた女子会だものね。
テーブルにはあちらの世界にあるアフタヌーンティー風にクッキーやケーキ、マカロンなんかがセットされてる。
とっても可愛らしい感じの、映えのある光景だよ。
世界が違ってたらきっと、ここにいる美女2人も色々なSNSに写真を投稿するに違いない。
ふふふ、アフタヌーンティー····実はこの世界にはなかった文化なんだ。
従兄様の多国籍じゃない方のカフェで流行らせようと現在進行系で画策中だよ。
「この可愛らしいセットはアリーの発案なの?」
「今日のセッティングはガウディード様が指示されたものよ。
さっきまでレイチェル様と素敵な仕様だって話してたの」
社交界の花って言われてる艶女と、次期当主の教育を受けたスーパーモデルの感触は良い感じだ。
従兄様はこの日を狙ったみたいだね。
「この国のちょっとしたお茶会文化に浸透してくれればなって2人でお話してたんですが、素敵な仕様に従兄様がまとめたみたいです。
ふふふ、美味しそう。
でもその前に····ん~!
できたんですね、弾泉水!」
「そうなの!
わかってもらえたのね!」
お菓子はもちろんだけど、やっぱり最初はこの薄黄色の気泡のある液体が入った、氷の浮かぶ涼やかなグラスに口をつけるべきだよね。
「これ、こうやって浮かべると本当に綺麗ね。
この果実水は例の弾ける果実水と、この領の井戸から湧いてる弾泉水を混ぜたのでしょう?」
「ええ。
レイチェル様はアリーの果実水が気に入ったのですって」
艶女のレイチェル様がシュガーコートしたお花をお好みでパラパラ浮かべてうっもりしながら飲む姿は何だか色っぽい。
スーパーモデルなジェン様は相槌をうちつつ、そう教えてくれた。
「それに美容にも良いのではなくて?
アリーの贈ってくれた弾ける果実水を毎日飲んでたら、肌の調子がとっても良かったの。
保存方法にコツが必要みたいだけど、早くレシピを解禁して欲しいわ」
艶女が僕に物欲しそうな目を向けてる!
色っぽい!
でも僕も成人したんだからできるはず!
艶女に流し目をお返しだ!
「アリー····研鑽が足りないわ」
「むしろ背伸びした感が可愛らしくて私は好きよ」
「そんな?!」
艶女の目から色っぽさが消えて呆れた目に?!
スーパーモデルの微笑ましそうなうっとりした目が何だか痛い!
はっ、気づけばうちの執事長と専属侍女が微笑ましいのを通り越した生温かい目に?!
····解せない。
「その果実水の方は貴族向けの温泉施設ができた時の注目美容飲料として売り出したくて、私が待ってもらうようにお願いしているの」
「そう、待ち遠しいけれど、経営戦略は大事よね」
学生の頃から領地経営に携わる艶女も納得してくれたみたい。
貴族は特別感が好きだし、飲み物1つとっても平民との違いは明確にした方がいい。
とはいえ当初は酵素ジュースを弾泉水と別で身分関係なく、広く販売するはずだったんだ。
けれどどうしても長期的な販売となると、やっぱり保存方法がネックになったみたいでね。
冷蔵庫なんかの設備投資も必要だけど、安全を確保した物を大量販売となるとコストがかかる。
ほら、酵素ジュースは発酵が常に進んでしまうでしょ?
これから暑くなれば更に管理が難しくなるんだよ。
だからまずは貴族向けに販売って事になったけど、この領としてはあの井戸から湧く炭酸泉も貴族階級にうまく売り出したい。
だから2つをミックスするよう提案したんだ。
あ、そうそう。
井戸はちゃんと修繕して、専門家と一緒に源泉であるあの冷泉も含めてあの付近を整備したんだって。
まずは元々の温泉街予定地を軌道に乗せてからになるらしいけど、第2の温泉街計画の草案を構想中だよ。
井戸の水はまだ通年データが正確に取れてないから何とも言えないけど、一旦の安定供給の目処はたったみたい。
炭酸水は、弾ける冷泉の水って事で弾泉水と命名されて庶民にも販売されるよ。
従兄様達の多国籍カフェでは少し弛めに煮たジャムを弾泉水に溶かす事を提案した。
こちらの方が扱いは簡単だし、他国でのアレンジもしやすいでしょ。
逆に温泉では売り子さんを用意。
ほら、あっちの世界の野球観戦があるでしょう。
あのビールの売り子さんのイメージかな。
売り子さん達には最新デザインの水着を着てもらって、冷たい弾泉水を売ってもらうよ。
もちろんそれ用の箱も用意した。
冷蔵庫はもちろんだけど、魔石を使ったクーラーボックスをいくつも用意するのは初期費用がかかるし、消耗品になる。
不慣れな売り子さんが落としちゃう事も想定すると、ちょっとね。
それに温泉施設内は暑いし足場も濡れて滑りやすい。
物は軽ければ軽いほどいいし、弾泉水は冷たければ冷たい程いいんだ。
てことで、軽くて丈夫な簡易のクーラーボックスを作っちゃった。
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