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347.コルクはデビューの第一歩
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「クーラーボックスももちろんだけれど、あのコップ。
あれは画期的だったわ」
ジェン様はもうずっと微笑ましく見守るような眼差しを僕に向け続けてる。
ちょっと照れくさい。
それはさておき、実は僕が制作したのはクーラーボックスだけじゃない。
この世界では画期的ともいえるコップも発明したんだ。
「クーラーボックスはガウディ令息に聞いていたけれど、コップ?」
レイチェル様はジェン様のコップに反応した。
でも····おやおや?
僕は従兄様の呼び方が愛称呼びに変わってる方に反応しちゃう。
いつの間に?
これはもしや····。
従兄様はお仕事優先で結婚に発展しない範囲で常に恋人を切らした事はないみたいだけど、そろそろ意識はしてるんじゃないかな?
珍しく今恋人はいないみたいなんだ。
それに妹である僕の従姉様の暴走を間近に見てきたせいか、ある程度仲良くなっても愛称呼びは恋人以外に許す事はあまりない。
線引きをしてるって言うのかな。
だからある程度打ち解けてて、同じ次期当主でもあるジェン様に愛称呼びを許してないし、自分も呼ばない。
レイチェル様も社交界の花って言われてて、学園を卒業してからは自分で事業も起こしてる。
当然だけどそこらへんの若いだけの高位貴族の令嬢よりもよっぽど人気があるんだ。
ちなみに貴族の婚約者は早ければ12 才か13才くらいでいたりする。
女性の結婚適齢期は17才くらいから、22才くらい?
昔は20才くらいだったけど、社会進出する女性も増えてきているから、もう少し延びるかも。
男性はこの国の王太子が結婚どころかなかなかまともな婚約者がいなかったのもあってか、30才くらいでもいいんじゃないかって風潮になりつつあるみたい。
それはさておき、お見合いの釣り書は今でも沢山きてて、突然求婚された事も1度や2度じゃないんだって。
だけどずっと仕事一筋できてて、時々デートする男性は作っても恋人未満のお付き合いでの夜会のエスコート止まり。
だけどこっちもそろそろ結婚を意識はするようになったんじゃないかな?
僕の感覚だけどね。
どちらにしてもこの国の王太子の婚約者があと少しで発表されるのは確実らしいんだ。
状況とか世論的に次の婚約者とは早々に婚姻するだろうから、婚約が発表された段階でロイヤルウエディングブームは起こるんじゃないかな。
王太子夫婦のロイヤルベビーの将来の側近やお妃様として自分達の子供を作るのは貴族達のお家発展の常套手段だから。
ふふふ、従兄様がそういうのに乗っかって結婚したら、義母様に似た女の子が産まれるかもしれない。
んふふふふ、そうしたら僕は絶対可愛がっちゃうよね。
従兄様のお嫁さんは是非とも仲良くできる人がいいな。
「アリー?
どうしてそんなにきらきらした眼差しで私を見ているのかしら?」
「はっ、ついうっかり妄想が暴走を····。
ごめんなさい、レイチェル様」
「あら、私にもそんな目で見つめてくれていいのよ」
「えへへ、恥ずかしい」
フォローされると余計照れちゃうよ、ジェン様。
「はあ、何なの。
誘っているのかしら?」
「あら、気のせいではなくて。
でも····」
またのぼせたようにため息を吐くジェン様は何かのお誘いを受けてるのかな?
レイチェル様はそれが何か知ってるみたいだ。
「「やっぱりアリーを守りましょう!」」
えっと、固く頷き合っちゃってるけど、やっぱりって何から?
何故か今度はセバスチャンもニーア頷き合ってるのが視界に映るけど、だから何から?
「コホン、とりあえずコップですよね」
何となく僕だけわかってないのが気まずくて自分からお話を軌道修正する。
「そうそう、コップは初耳なの。
教えていただけて?」
「もちろん!
素材はコルクと木の樹脂を混ぜて作ったんです。
グレインビル領ではワインも作ってて、廃棄するコルクも沢山あったので、それを使う事でかなり低価格に作れました」
粉砕、洗浄、殺菌して樹脂を混ぜてプレスしてクーラーボックスにしちゃった。
ついでに樹脂の比率を高くしてコップも制作。
あちらの世界では洗うのにコツがいるコルク素材のコップも、この世界には魔法があるから簡単に綺麗にできるのがいい。
「浴槽のある温泉施設内ではガラスや陶器は温泉内で割れると危ないわ。
予定していた木製のコップより軽くて安いし、保冷保温性に優れてて温度差からくる結露も発生しなくて手に馴染むからお客様も温泉につかりながら買い求め安いはずなの。
評判が良ければコップだけではなく、コルクの食器をうちの領のお土産品として販売していくつもりよ」
んふふ、そうしてグレインビル領の廃棄問題も片づいて一石二鳥で毎度ありだね。
向こう3年はうちの領から優先的に廃棄コルクを買い取りする契約をしてるんだ。
最初は馬車のクッション材候補の1つとして集めてたんだけど、そっちは別の素材になったんだ。
だから何年か前のアルコールの在庫と同じで大量のコルクが残っちゃって。
でもこの2年くらいかな。
僕のムササビ飛行の練習に使う予定でコルクマット作りに没頭して地味に消費してた。
家族が納得する物ができたら、それを引いて階段の踊り場から下に飛び降りる練習してもいいんだよ。
やる気スイッチが入っちゃうよね。
それが今回はたまたま役に立ったんだけど、そろそろマットも納得の出来に仕上がるんだ。
ふっふっふ、あの時義父様に3年から4年に延長されたムササビな僕の華々しい滑空デビューへの確かな第一歩を踏み出すのだ!
※※※※※※※※※
後書き
※※※※※※※※※
本日は2話更新します。
次は夕方頃に。
あれは画期的だったわ」
ジェン様はもうずっと微笑ましく見守るような眼差しを僕に向け続けてる。
ちょっと照れくさい。
それはさておき、実は僕が制作したのはクーラーボックスだけじゃない。
この世界では画期的ともいえるコップも発明したんだ。
「クーラーボックスはガウディ令息に聞いていたけれど、コップ?」
レイチェル様はジェン様のコップに反応した。
でも····おやおや?
僕は従兄様の呼び方が愛称呼びに変わってる方に反応しちゃう。
いつの間に?
これはもしや····。
従兄様はお仕事優先で結婚に発展しない範囲で常に恋人を切らした事はないみたいだけど、そろそろ意識はしてるんじゃないかな?
珍しく今恋人はいないみたいなんだ。
それに妹である僕の従姉様の暴走を間近に見てきたせいか、ある程度仲良くなっても愛称呼びは恋人以外に許す事はあまりない。
線引きをしてるって言うのかな。
だからある程度打ち解けてて、同じ次期当主でもあるジェン様に愛称呼びを許してないし、自分も呼ばない。
レイチェル様も社交界の花って言われてて、学園を卒業してからは自分で事業も起こしてる。
当然だけどそこらへんの若いだけの高位貴族の令嬢よりもよっぽど人気があるんだ。
ちなみに貴族の婚約者は早ければ12 才か13才くらいでいたりする。
女性の結婚適齢期は17才くらいから、22才くらい?
昔は20才くらいだったけど、社会進出する女性も増えてきているから、もう少し延びるかも。
男性はこの国の王太子が結婚どころかなかなかまともな婚約者がいなかったのもあってか、30才くらいでもいいんじゃないかって風潮になりつつあるみたい。
それはさておき、お見合いの釣り書は今でも沢山きてて、突然求婚された事も1度や2度じゃないんだって。
だけどずっと仕事一筋できてて、時々デートする男性は作っても恋人未満のお付き合いでの夜会のエスコート止まり。
だけどこっちもそろそろ結婚を意識はするようになったんじゃないかな?
僕の感覚だけどね。
どちらにしてもこの国の王太子の婚約者があと少しで発表されるのは確実らしいんだ。
状況とか世論的に次の婚約者とは早々に婚姻するだろうから、婚約が発表された段階でロイヤルウエディングブームは起こるんじゃないかな。
王太子夫婦のロイヤルベビーの将来の側近やお妃様として自分達の子供を作るのは貴族達のお家発展の常套手段だから。
ふふふ、従兄様がそういうのに乗っかって結婚したら、義母様に似た女の子が産まれるかもしれない。
んふふふふ、そうしたら僕は絶対可愛がっちゃうよね。
従兄様のお嫁さんは是非とも仲良くできる人がいいな。
「アリー?
どうしてそんなにきらきらした眼差しで私を見ているのかしら?」
「はっ、ついうっかり妄想が暴走を····。
ごめんなさい、レイチェル様」
「あら、私にもそんな目で見つめてくれていいのよ」
「えへへ、恥ずかしい」
フォローされると余計照れちゃうよ、ジェン様。
「はあ、何なの。
誘っているのかしら?」
「あら、気のせいではなくて。
でも····」
またのぼせたようにため息を吐くジェン様は何かのお誘いを受けてるのかな?
レイチェル様はそれが何か知ってるみたいだ。
「「やっぱりアリーを守りましょう!」」
えっと、固く頷き合っちゃってるけど、やっぱりって何から?
何故か今度はセバスチャンもニーア頷き合ってるのが視界に映るけど、だから何から?
「コホン、とりあえずコップですよね」
何となく僕だけわかってないのが気まずくて自分からお話を軌道修正する。
「そうそう、コップは初耳なの。
教えていただけて?」
「もちろん!
素材はコルクと木の樹脂を混ぜて作ったんです。
グレインビル領ではワインも作ってて、廃棄するコルクも沢山あったので、それを使う事でかなり低価格に作れました」
粉砕、洗浄、殺菌して樹脂を混ぜてプレスしてクーラーボックスにしちゃった。
ついでに樹脂の比率を高くしてコップも制作。
あちらの世界では洗うのにコツがいるコルク素材のコップも、この世界には魔法があるから簡単に綺麗にできるのがいい。
「浴槽のある温泉施設内ではガラスや陶器は温泉内で割れると危ないわ。
予定していた木製のコップより軽くて安いし、保冷保温性に優れてて温度差からくる結露も発生しなくて手に馴染むからお客様も温泉につかりながら買い求め安いはずなの。
評判が良ければコップだけではなく、コルクの食器をうちの領のお土産品として販売していくつもりよ」
んふふ、そうしてグレインビル領の廃棄問題も片づいて一石二鳥で毎度ありだね。
向こう3年はうちの領から優先的に廃棄コルクを買い取りする契約をしてるんだ。
最初は馬車のクッション材候補の1つとして集めてたんだけど、そっちは別の素材になったんだ。
だから何年か前のアルコールの在庫と同じで大量のコルクが残っちゃって。
でもこの2年くらいかな。
僕のムササビ飛行の練習に使う予定でコルクマット作りに没頭して地味に消費してた。
家族が納得する物ができたら、それを引いて階段の踊り場から下に飛び降りる練習してもいいんだよ。
やる気スイッチが入っちゃうよね。
それが今回はたまたま役に立ったんだけど、そろそろマットも納得の出来に仕上がるんだ。
ふっふっふ、あの時義父様に3年から4年に延長されたムササビな僕の華々しい滑空デビューへの確かな第一歩を踏み出すのだ!
※※※※※※※※※
後書き
※※※※※※※※※
本日は2話更新します。
次は夕方頃に。
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