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367.食虫植物探し
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「お嬢様、そろそろ散策は止めて戻りましょう」
昨日の従兄様達の邂逅から一夜明け、朝ご飯を食べた僕はニーアと源泉のあった山の、中腹あたりをお散歩中だ。
獣道みたいなのがたまにある道なき道だけど、多少は歩きやすくなるように木々を整えながら先頭を歩くニーアのお陰で、そこまでは疲れていない。
もちろん僕達は変装まではしていないけど、山歩きに相応しい格好はしてるよ。
今日は僕の可愛いお馬3兄妹の末子であるロドロアが近くまで運んでくれたんだ。
竜馬の外見なのに中身は魔馬みたいに気性が荒いけど、僕の前では他の兄姉と同じく甘えん坊。
今はどこかで草を食べてるか駆け回ってるかしてるけど、呼べばすぐに来てくれる。
向こうの方にはイタチ姿で入った大衆温泉施設が小さく見えてるくらいには快晴だし、見晴らしも良い。
今朝ジェン様が来て一緒に朝ご飯食べた時に聞いたんだけど、建築途中だった人工的な方の大浴場はもう完成して、いつ稼働させるかを温泉街の進捗状況を見ながら相談中なんだって。
いよいよだね。
そろそろ僕がグレインビル領に帰る日も近そうだ。
「うーん····でも今みたいに体調もいいうちに探したいんだ。
ここにしかない食虫植物なんて、貴重でしょう?
ジェン様の言う通り、よく一緒に生息してるっていう小さいお花はちょくちょく咲いてるから、そのうち見つかると思うんだ」
そう、僕がここに来たのは食事中にその事を教えられたから。
食虫植物って見た目はちょっとグロいのとかもあるけど、観察してるととってもキュート。
珍しいのを見つけるのが僕の趣味の1つ。
「前にバルトス義兄様がお城の図書館でこっそり撮影してくれた植物図鑑にも載ってたし」
王宮魔術師団副団長としてお城勤めのバルトス義兄様は、お城の中にある書庫に新しい植物図鑑や動物図鑑が入るとこっそり撮影して僕に見せてくれるんだ。
バレても撮影しちゃいけませんとは言われた事がないらしいから、問題はないんじゃないかって家族は言ってた。
その前は王都で働いてた義父様がよく撮影してくれてたけど、注意された事はやっぱりないらしいよ。
「ですがお嬢様なのに既に1時間も探しています」
「むー、過保護。
確かに普段の僕ならすぐにヘロヘロになっちゃうけど、本来僕の年ならそれ以上散策できるのが普通だよ?
昨日ヴァイが来たからしばらくは体調も落ち着いてるはずだもの」
ニーアもヴァイの事は知ってるから名前を出す。
「ならあと30分だけです。
今日の夕方にはレイヤード様もいらっしゃるのですから、1度戻って汗をながしたらお昼寝しましょう」
くっ、30分て短くない?!
「だからだよ。
セバスチャンも最近よく僕を抱っこしてくれるようになってるし、これにレイヤード兄様が来たら僕の抱っこの取り合いになっちゃうんだよ?
足腰弱っちゃう」
「断ればよろしいのでは?」
「え、無理だよ。
僕抱っこされるの大好きだもの」
「····」
できる専属侍女がジトッと見てくるけど、そこは無視しておこう。
ちなみにセバスチャンはそういう理由からお留守番してもらってる。
今は歩きたい。
一応レイヤード義兄様が来るらしいから、お部屋を整えてって言ってあるんだ。
今日は昨日のお部屋にまたお泊りになったから、一緒に家族風呂に入れるかもしれないね。
用意してた水着の活躍する時が近いかも。
日本人男性の記憶を持つ僕は兄妹で裸で一緒に入っても気にならないけど、義兄様はどうなんだろう?
どっちにしろ毎日連絡取ってても、実際会うのは何ヶ月かぶりだもの。
会えたらいっぱい甘えるつもりだよ。
そういえば姫様達一行はどうしてるのかな?
ふとアジアンビューティーな人達を思い出したけど、僕は知らないし、聞いてもいないんだ。
今朝ご飯を一緒に食べたジェン様も何も言ってなかったから、きっと秘密なんだろうね。
従兄様やコード令息は早朝からどこかに行っててお顔を合わせてない。
僕が起きるのを待っててくれてたみたいなんだけど、結局入れ違いでお仕事に行っちゃった。
起こしてくれても良かったんだけど、昨日寝るのが少し遅かったし、第3王子達とはち合わせして様子がおかしくなってたから気を遣ったんだと思う。
『セバスチャン、おはよう。
従兄様達は?』
『おはようございます。
既にお2人共ここを出られました。
それから何とは言えないまでも、よくよく礼を言っておいて欲しいと』
もちろん昨日会わせたあの2人の事は秘密だものね。
何とは言えない。
『ふふふ、喜んでくれてた?』
僕はあの2組の兄妹達に1度も会わず、お部屋についてたあのお風呂で寝落ちしてからずっと眠ってたからね。
そこは気になっちゃうよ。
『はい、とても。
昨日のお召し物に使われていた布生地は、タチバナ女官の生家で作られるらしく、コード令息の方から養父のコード伯爵を通じて折を見てアドライド国内に流通させる手はずを整えるようです。
ガウディード様も兎属であるハヤカワ女官から健康志向の薬膳料理なるものをお聞きになり、何かを思いつかれたようでした。
お嬢様へのこのお礼は近々必ずするとお2人共仰っておりましたよ』
思ってた通り感動の再会の後は兄と妹が入れ替わって、それぞれの分野で商談になったみたいだ。
昨日の従兄様達の邂逅から一夜明け、朝ご飯を食べた僕はニーアと源泉のあった山の、中腹あたりをお散歩中だ。
獣道みたいなのがたまにある道なき道だけど、多少は歩きやすくなるように木々を整えながら先頭を歩くニーアのお陰で、そこまでは疲れていない。
もちろん僕達は変装まではしていないけど、山歩きに相応しい格好はしてるよ。
今日は僕の可愛いお馬3兄妹の末子であるロドロアが近くまで運んでくれたんだ。
竜馬の外見なのに中身は魔馬みたいに気性が荒いけど、僕の前では他の兄姉と同じく甘えん坊。
今はどこかで草を食べてるか駆け回ってるかしてるけど、呼べばすぐに来てくれる。
向こうの方にはイタチ姿で入った大衆温泉施設が小さく見えてるくらいには快晴だし、見晴らしも良い。
今朝ジェン様が来て一緒に朝ご飯食べた時に聞いたんだけど、建築途中だった人工的な方の大浴場はもう完成して、いつ稼働させるかを温泉街の進捗状況を見ながら相談中なんだって。
いよいよだね。
そろそろ僕がグレインビル領に帰る日も近そうだ。
「うーん····でも今みたいに体調もいいうちに探したいんだ。
ここにしかない食虫植物なんて、貴重でしょう?
ジェン様の言う通り、よく一緒に生息してるっていう小さいお花はちょくちょく咲いてるから、そのうち見つかると思うんだ」
そう、僕がここに来たのは食事中にその事を教えられたから。
食虫植物って見た目はちょっとグロいのとかもあるけど、観察してるととってもキュート。
珍しいのを見つけるのが僕の趣味の1つ。
「前にバルトス義兄様がお城の図書館でこっそり撮影してくれた植物図鑑にも載ってたし」
王宮魔術師団副団長としてお城勤めのバルトス義兄様は、お城の中にある書庫に新しい植物図鑑や動物図鑑が入るとこっそり撮影して僕に見せてくれるんだ。
バレても撮影しちゃいけませんとは言われた事がないらしいから、問題はないんじゃないかって家族は言ってた。
その前は王都で働いてた義父様がよく撮影してくれてたけど、注意された事はやっぱりないらしいよ。
「ですがお嬢様なのに既に1時間も探しています」
「むー、過保護。
確かに普段の僕ならすぐにヘロヘロになっちゃうけど、本来僕の年ならそれ以上散策できるのが普通だよ?
昨日ヴァイが来たからしばらくは体調も落ち着いてるはずだもの」
ニーアもヴァイの事は知ってるから名前を出す。
「ならあと30分だけです。
今日の夕方にはレイヤード様もいらっしゃるのですから、1度戻って汗をながしたらお昼寝しましょう」
くっ、30分て短くない?!
「だからだよ。
セバスチャンも最近よく僕を抱っこしてくれるようになってるし、これにレイヤード兄様が来たら僕の抱っこの取り合いになっちゃうんだよ?
足腰弱っちゃう」
「断ればよろしいのでは?」
「え、無理だよ。
僕抱っこされるの大好きだもの」
「····」
できる専属侍女がジトッと見てくるけど、そこは無視しておこう。
ちなみにセバスチャンはそういう理由からお留守番してもらってる。
今は歩きたい。
一応レイヤード義兄様が来るらしいから、お部屋を整えてって言ってあるんだ。
今日は昨日のお部屋にまたお泊りになったから、一緒に家族風呂に入れるかもしれないね。
用意してた水着の活躍する時が近いかも。
日本人男性の記憶を持つ僕は兄妹で裸で一緒に入っても気にならないけど、義兄様はどうなんだろう?
どっちにしろ毎日連絡取ってても、実際会うのは何ヶ月かぶりだもの。
会えたらいっぱい甘えるつもりだよ。
そういえば姫様達一行はどうしてるのかな?
ふとアジアンビューティーな人達を思い出したけど、僕は知らないし、聞いてもいないんだ。
今朝ご飯を一緒に食べたジェン様も何も言ってなかったから、きっと秘密なんだろうね。
従兄様やコード令息は早朝からどこかに行っててお顔を合わせてない。
僕が起きるのを待っててくれてたみたいなんだけど、結局入れ違いでお仕事に行っちゃった。
起こしてくれても良かったんだけど、昨日寝るのが少し遅かったし、第3王子達とはち合わせして様子がおかしくなってたから気を遣ったんだと思う。
『セバスチャン、おはよう。
従兄様達は?』
『おはようございます。
既にお2人共ここを出られました。
それから何とは言えないまでも、よくよく礼を言っておいて欲しいと』
もちろん昨日会わせたあの2人の事は秘密だものね。
何とは言えない。
『ふふふ、喜んでくれてた?』
僕はあの2組の兄妹達に1度も会わず、お部屋についてたあのお風呂で寝落ちしてからずっと眠ってたからね。
そこは気になっちゃうよ。
『はい、とても。
昨日のお召し物に使われていた布生地は、タチバナ女官の生家で作られるらしく、コード令息の方から養父のコード伯爵を通じて折を見てアドライド国内に流通させる手はずを整えるようです。
ガウディード様も兎属であるハヤカワ女官から健康志向の薬膳料理なるものをお聞きになり、何かを思いつかれたようでした。
お嬢様へのこのお礼は近々必ずするとお2人共仰っておりましたよ』
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