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423.お茶のお誘いからの、越権行為
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「お茶?」
「はい。
3日後、側妃殿下がこちらへ参られます。
グレインビル侯爵令嬢との親睦を深めたいと仰せに」
あの後暫くして、さっきの聖騎士をお供に、今度はエセ教皇がやってきた。
相変わらずの社会科の教科書的宣教師だ。
僕と対面に座る互いの背後にそれぞれの護衛を立たせてある。
それとなく僕のお顔をガン見するのは、僕が美少女だからかな?
僕は自分のお顔も過小評価も過大評価もしないよ。
「特に深める必要は感じられませんわ。
それに不仲であるこの国の王族と教会が、私を理由に落ち合われるのも、迷惑ですの。
私抜きで、やって頂けないかしら?」
「しかし側妃殿下の取り計らいで令嬢の教会の待遇が良いものに……」
「でしたらグレインビル侯爵令嬢としての私が、先に義理を通すべきは王妃殿下となりましてよ。
優先順位を他国の貴族が間違う事は、致しかねますわね」
「くっ……後悔、なさいますよ?」
今日はもう疲れちゃったから、エセ話に付き合いきれない。
言葉を遮って伝えれば、何だかまたつまらない脅しだよ。
「あら、またあの令息を?
そもそもあのように弱られているのは何故なのかしら?
一体、どなたの所業?」
「所業などと。
あの方はたまたまこちらに向かう際に、階段から足を滑らせてしまわれたのです」
「すぐに治癒魔法を使われましたの?」
ひとまず話には合わせてあげる。
けれど残念ながら僕の両眼の力は、そんな嘘は簡単に見抜いてしまっているんだ。
「残念ながら、教会の者が治癒魔法を行使するには手順がございます」
「そう。
例えば貢献度、かしら?」
「そうなりますね。
残念ながら、教会の運営も厳しい為、やはり貢献度の高い方が優先されます。
特に最近は、王妃殿下の生家のご両親の治癒、そして側妃殿下の体調管理に神官達を割いておりまして」
うわ、すんなりお布施が少ないからだって認めちゃった。
この国の教会は拝金主義ですって言ってるようなものだよ。
でも何だか引っかかる内容だ。
ずっとゼストゥウェル第1王子の母親である、この国の王妃の存在が気になってたんだ。
「まあ、王家にご縁の深い方々ね。
仲違いされているにも関わらず、ですの?」
「それはそれですな。
当然にそれだけの貢献を担って頂いておりますれば、やはりその方々を優先して神官達を割くのは当然かと。
そもそも我ら教会側は王家と戦争をしているわけではありません。
ただひとえに、この国の繁栄を願って王太子に相応しい後継者を推挙しているのです」
「左様ですか。
チナミにネルシス侯爵家は、どれ程貢献されているのかしら?」
「既にご子息を見限られ、追加の貢献はされませんでした」
「そう。
それはお気の毒ね。
ああ、でもそうだわ!」
良い事を思いついた、というようにわざとらしく手を打って、顔をほころばせる。
何だか聖騎士のほっぺたが赤くなった?
「正直、この教会の神官や聖女達は治癒魔法がとっても下手くそなの」
「……は?」
予想外の話題転換だったのかな?
エセ教皇が面食らったように声を漏らす。
聖騎士も驚いて目を見開いたね。
「貴方達が侮った私の専属侍女がいたでしょう?
彼女ですら治癒できる怪我が、治癒できなかったの」
何て言っても、ニーアはA級冒険者だし、グレインビル家でしっかり揉まれたからね。
そこらの神官や聖女候補よりも、よっぽど熟練した僕のできる護衛兼専属侍女だ。
この教会の人材ほ程度が低いと、わざとらしく言外に告げれば、ちゃんと伝わったみたい。
馬鹿にされたと判断したらしくて、あの聖騎士ですらムッとしたお顔になった。
「貢献度が低いというのなら、ネルシス令息に練習台として貢献して貰えばよろしいわね。
ちょうど練習台としても、最適な衰弱具合ですもの」
「ちょっ、何を言っているんだ?!」
「まあ、言葉遣いには気をつけなさい?
ニーア!」
扉の方に控えていたニーアに声をかける。
「これも1つのご縁ですもの。
王子や聖女、神官達にお声掛けして、あの令息で治癒魔法を練習するよう伝えてきなさい」
「はい」
「待ちなされ!
くっ、早いな?!
令嬢!
これは我が教会への越権行為ですぞ!」
何だかまた立場を弁えずに怒りを顕にしてくれるね。
疲れてきてるのに、イラッてしちゃうぞ。
「はい。
3日後、側妃殿下がこちらへ参られます。
グレインビル侯爵令嬢との親睦を深めたいと仰せに」
あの後暫くして、さっきの聖騎士をお供に、今度はエセ教皇がやってきた。
相変わらずの社会科の教科書的宣教師だ。
僕と対面に座る互いの背後にそれぞれの護衛を立たせてある。
それとなく僕のお顔をガン見するのは、僕が美少女だからかな?
僕は自分のお顔も過小評価も過大評価もしないよ。
「特に深める必要は感じられませんわ。
それに不仲であるこの国の王族と教会が、私を理由に落ち合われるのも、迷惑ですの。
私抜きで、やって頂けないかしら?」
「しかし側妃殿下の取り計らいで令嬢の教会の待遇が良いものに……」
「でしたらグレインビル侯爵令嬢としての私が、先に義理を通すべきは王妃殿下となりましてよ。
優先順位を他国の貴族が間違う事は、致しかねますわね」
「くっ……後悔、なさいますよ?」
今日はもう疲れちゃったから、エセ話に付き合いきれない。
言葉を遮って伝えれば、何だかまたつまらない脅しだよ。
「あら、またあの令息を?
そもそもあのように弱られているのは何故なのかしら?
一体、どなたの所業?」
「所業などと。
あの方はたまたまこちらに向かう際に、階段から足を滑らせてしまわれたのです」
「すぐに治癒魔法を使われましたの?」
ひとまず話には合わせてあげる。
けれど残念ながら僕の両眼の力は、そんな嘘は簡単に見抜いてしまっているんだ。
「残念ながら、教会の者が治癒魔法を行使するには手順がございます」
「そう。
例えば貢献度、かしら?」
「そうなりますね。
残念ながら、教会の運営も厳しい為、やはり貢献度の高い方が優先されます。
特に最近は、王妃殿下の生家のご両親の治癒、そして側妃殿下の体調管理に神官達を割いておりまして」
うわ、すんなりお布施が少ないからだって認めちゃった。
この国の教会は拝金主義ですって言ってるようなものだよ。
でも何だか引っかかる内容だ。
ずっとゼストゥウェル第1王子の母親である、この国の王妃の存在が気になってたんだ。
「まあ、王家にご縁の深い方々ね。
仲違いされているにも関わらず、ですの?」
「それはそれですな。
当然にそれだけの貢献を担って頂いておりますれば、やはりその方々を優先して神官達を割くのは当然かと。
そもそも我ら教会側は王家と戦争をしているわけではありません。
ただひとえに、この国の繁栄を願って王太子に相応しい後継者を推挙しているのです」
「左様ですか。
チナミにネルシス侯爵家は、どれ程貢献されているのかしら?」
「既にご子息を見限られ、追加の貢献はされませんでした」
「そう。
それはお気の毒ね。
ああ、でもそうだわ!」
良い事を思いついた、というようにわざとらしく手を打って、顔をほころばせる。
何だか聖騎士のほっぺたが赤くなった?
「正直、この教会の神官や聖女達は治癒魔法がとっても下手くそなの」
「……は?」
予想外の話題転換だったのかな?
エセ教皇が面食らったように声を漏らす。
聖騎士も驚いて目を見開いたね。
「貴方達が侮った私の専属侍女がいたでしょう?
彼女ですら治癒できる怪我が、治癒できなかったの」
何て言っても、ニーアはA級冒険者だし、グレインビル家でしっかり揉まれたからね。
そこらの神官や聖女候補よりも、よっぽど熟練した僕のできる護衛兼専属侍女だ。
この教会の人材ほ程度が低いと、わざとらしく言外に告げれば、ちゃんと伝わったみたい。
馬鹿にされたと判断したらしくて、あの聖騎士ですらムッとしたお顔になった。
「貢献度が低いというのなら、ネルシス令息に練習台として貢献して貰えばよろしいわね。
ちょうど練習台としても、最適な衰弱具合ですもの」
「ちょっ、何を言っているんだ?!」
「まあ、言葉遣いには気をつけなさい?
ニーア!」
扉の方に控えていたニーアに声をかける。
「これも1つのご縁ですもの。
王子や聖女、神官達にお声掛けして、あの令息で治癒魔法を練習するよう伝えてきなさい」
「はい」
「待ちなされ!
くっ、早いな?!
令嬢!
これは我が教会への越権行為ですぞ!」
何だかまた立場を弁えずに怒りを顕にしてくれるね。
疲れてきてるのに、イラッてしちゃうぞ。
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