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425.潜伏、後、キュイキュイ
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「それでは、グレインビル侯爵令嬢との取り成しが終わりましたら、お呼び致します。
世話係も身体検査を済ませたら、すぐにこちらへ寄越すと、教皇と側妃殿下より言伝てがございました」
「……わかった」
ガチャ、とドアが開く音と共に、そんな声が遠くで聞こえて意識が覚醒し始める。
あの声……僕のお顔に見とれてた、聖騎士かな?
もう1人は初めて聞く、凛とした女性の声。
何となく警戒した、硬い口調だったね。
あれからエセ教皇が、側妃とのお茶会を3日後に敢行しようとしたんだ。
それも王妃抜きだったのに、僕には黙ってた。
てことで寸前になって気づいた僕は、タマシロ君を起動。
そのせいでイタチになれちゃうのがベルヌにバレちゃった。
護衛としてすぐ後ろにいたからね。
でもベルヌは王妃の件も、僕が白い獣になれちゃうのも知ってたんじゃないかな?
ニーアもいたけど、そこは打ち合わせ通りにイタチ姿で僕だけ逃亡。
『お嬢様は人です!
服!』
うん、ベルヌをガードするニーアに、すれ違い様、叫ばれたけど着る暇ないよね?
でもちゃんと首の巾着には、お着替えセット入れてあるからね。
巾着はレイヤード義兄様が更に手を加えた収納魔巾着で収納容量がアップしてるんだ。
今はいつものきぐるみ服を着てるよ。
あれから1週間経過して、その間はずっと逃げたり隠れたりしてたからね。
ここに本殿と2つの離殿があって良かったよ。
あちこちウロウロしたり、隠れたりしてたから見つからなかった。
今は比較的お掃除されていた、小さい方の離殿の一室に忍びこんで、ソファの隅っこでお昼寝中。
だったけど、ぼんやりと目を開けるとお部屋が薄暗くなってる。
ほぼ夜になってたみたい。
もちろん僕の出てくる条件は側妃が帰るか、王妃が来るか。
で、一昨日かな。
とうとう王妃がここに来るって事になったらしいんだ。
キティと第3王子が窓から叫んでた。
ついでにあのお供な令息も命の危機は去ったって言ってた。
……猶予が延びただけだって、キティはいつ気づくのかな。
それはともかく一国の王妃を呼びつける教会って、どんなヤバイ教会なんだろう。
呼び出される王妃も王妃だし、国王の力はどうなってるんだか。
「はぁ、明かりもなしとは……」
妙齢の女性らしきため息混じりの声と、重い足取りらしきコツコツとなる靴音。
この人何だか疲れてる?
僕も疲れていたせいか、思っていたより深く寝入ったみたい。
すぐに頭が回転しなくて、近づく人影をぼうっと見てしまう。
逃亡生活も楽じゃないね。
「ふぅ……」
__ドサッ。
ため息と共に、すぐ隣に勢いよく腰を下ろした?!
僕の軽いイタチボディが、シーソーの原理で上にポン、と跳ねた。
「へっ?!」
突然の浮遊感に、うっかり声を出しちゃった。
そのまま座面にボディがバウンド。
慌てて座面に爪を立て、転がり落ちるのだけは、何とか免れる。
「何?!」
隣の誰かは僕の間抜けな声に驚いて、慌てて指を鳴らしてソファから腰を浮かす。
その瞬間、この人の出した魔法の明かりが光り、橙色の切れ長な目と視線が交わる。
「「…………」」
互いに見つめ合い、暫しの沈黙。
……マズい、イタチの鳴き声……どんなだったかな?
あちらは息をのんで僕を凝視してるよ。
「キュ……キュイ?」
とりあえずそれっぽく鳴いて、ただのイタチの顔して首を傾げてみる。
「……何故……鼠?
……鼠が鼠の……着ぐるみ?」
あ、忘れてた。
ただのイタチは無理だ。
かくなる上は……。
「キュイキュイ」
なるべく可愛く鳴きつつ、座面を歩いて近寄ってみる。
「……随分と……人慣れしている?」
その人は立ち上がったまま、そっと手の甲を出す。
僕は人畜無害なイタチ顔で、そこに軽く頭を擦りつけてみた。
「……お前……どこから迷いこんだの?
白い……何かしら……鼠?
胴が長い……鼠?
ここは危ないから、早く飼い主の所へお帰り。
といっても……どこから入ったのかしら?」
鼠じゃなくて、イタチなんだけど、知らないみたいだ。
なら鳴き声はもうキュイキュイでいいよね。
改めて光に照らされた彼女を見やり、その正体を察した。
世話係も身体検査を済ませたら、すぐにこちらへ寄越すと、教皇と側妃殿下より言伝てがございました」
「……わかった」
ガチャ、とドアが開く音と共に、そんな声が遠くで聞こえて意識が覚醒し始める。
あの声……僕のお顔に見とれてた、聖騎士かな?
もう1人は初めて聞く、凛とした女性の声。
何となく警戒した、硬い口調だったね。
あれからエセ教皇が、側妃とのお茶会を3日後に敢行しようとしたんだ。
それも王妃抜きだったのに、僕には黙ってた。
てことで寸前になって気づいた僕は、タマシロ君を起動。
そのせいでイタチになれちゃうのがベルヌにバレちゃった。
護衛としてすぐ後ろにいたからね。
でもベルヌは王妃の件も、僕が白い獣になれちゃうのも知ってたんじゃないかな?
ニーアもいたけど、そこは打ち合わせ通りにイタチ姿で僕だけ逃亡。
『お嬢様は人です!
服!』
うん、ベルヌをガードするニーアに、すれ違い様、叫ばれたけど着る暇ないよね?
でもちゃんと首の巾着には、お着替えセット入れてあるからね。
巾着はレイヤード義兄様が更に手を加えた収納魔巾着で収納容量がアップしてるんだ。
今はいつものきぐるみ服を着てるよ。
あれから1週間経過して、その間はずっと逃げたり隠れたりしてたからね。
ここに本殿と2つの離殿があって良かったよ。
あちこちウロウロしたり、隠れたりしてたから見つからなかった。
今は比較的お掃除されていた、小さい方の離殿の一室に忍びこんで、ソファの隅っこでお昼寝中。
だったけど、ぼんやりと目を開けるとお部屋が薄暗くなってる。
ほぼ夜になってたみたい。
もちろん僕の出てくる条件は側妃が帰るか、王妃が来るか。
で、一昨日かな。
とうとう王妃がここに来るって事になったらしいんだ。
キティと第3王子が窓から叫んでた。
ついでにあのお供な令息も命の危機は去ったって言ってた。
……猶予が延びただけだって、キティはいつ気づくのかな。
それはともかく一国の王妃を呼びつける教会って、どんなヤバイ教会なんだろう。
呼び出される王妃も王妃だし、国王の力はどうなってるんだか。
「はぁ、明かりもなしとは……」
妙齢の女性らしきため息混じりの声と、重い足取りらしきコツコツとなる靴音。
この人何だか疲れてる?
僕も疲れていたせいか、思っていたより深く寝入ったみたい。
すぐに頭が回転しなくて、近づく人影をぼうっと見てしまう。
逃亡生活も楽じゃないね。
「ふぅ……」
__ドサッ。
ため息と共に、すぐ隣に勢いよく腰を下ろした?!
僕の軽いイタチボディが、シーソーの原理で上にポン、と跳ねた。
「へっ?!」
突然の浮遊感に、うっかり声を出しちゃった。
そのまま座面にボディがバウンド。
慌てて座面に爪を立て、転がり落ちるのだけは、何とか免れる。
「何?!」
隣の誰かは僕の間抜けな声に驚いて、慌てて指を鳴らしてソファから腰を浮かす。
その瞬間、この人の出した魔法の明かりが光り、橙色の切れ長な目と視線が交わる。
「「…………」」
互いに見つめ合い、暫しの沈黙。
……マズい、イタチの鳴き声……どんなだったかな?
あちらは息をのんで僕を凝視してるよ。
「キュ……キュイ?」
とりあえずそれっぽく鳴いて、ただのイタチの顔して首を傾げてみる。
「……何故……鼠?
……鼠が鼠の……着ぐるみ?」
あ、忘れてた。
ただのイタチは無理だ。
かくなる上は……。
「キュイキュイ」
なるべく可愛く鳴きつつ、座面を歩いて近寄ってみる。
「……随分と……人慣れしている?」
その人は立ち上がったまま、そっと手の甲を出す。
僕は人畜無害なイタチ顔で、そこに軽く頭を擦りつけてみた。
「……お前……どこから迷いこんだの?
白い……何かしら……鼠?
胴が長い……鼠?
ここは危ないから、早く飼い主の所へお帰り。
といっても……どこから入ったのかしら?」
鼠じゃなくて、イタチなんだけど、知らないみたいだ。
なら鳴き声はもうキュイキュイでいいよね。
改めて光に照らされた彼女を見やり、その正体を察した。
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