転生3回目の天才魔法使いは、スパダリたちの執愛に翻弄されてます~ハードモードな今生で真実の愛を掴みたい!~

トモモト ヨシユキ

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5 愛と嫉妬と

5ー8 愛故に

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 5ー8 愛故に

 「何を不満げな顔をしている?サク」
 『憤怒の魔女』が僕を見つめている。
 今、ユーリスとフェイルは、王城へと登城していて僕と魔女の2人でユーリスの屋敷の中庭でお茶をしていた。
 『憤怒の魔女』は、僕が2人のものになったことを一目で見抜いた。
 「本当は、私がお前を夫として連れ帰るつもりだったが、そういうことなら仕方あるまい」
 『憤怒の魔女』は、ふぅっとため息をつく。
 「また、振られてしまったな」
 「大丈夫です!」
 僕は、魔女にマジで力説していた。
 「あなたほどの女性ならいくらでもいいお相手が見つかる筈です!」
 「そうか?」
 魔女は、ふっと笑みを浮かべる。
 「お前は、優しいな、サク」
 「僕・・優しくなんてないですよ?」
 うつ向いてぼそぼそと答える僕に『憤怒の魔女』が微笑んだ。
 「そんなことはないぞ。お前は、優しい。だからこそ、そうして怒っているのだろう?」
 はいっ?
 魔女を見つめると彼女は、なんともいえない慈愛の表情を浮かべている。
 「事情は、わからんがお前は、主と思っている者以外の者に抱かれたのだろう?性奴でありながら、それが許せないのは、お前が主を思いやってのことだろう。主は、お前を愛しているが、そうせざるを得なかった。お前には、それがわかっている。そして、お前は、その主の判断を許さざるを得ない。優しさと聡明さ故に、お前は、怒りを抱えている」
 「うぅっ・・」
 はっきりと言われるとなんだか、恥ずかしくなるな!
 確かに僕は、性奴で。
 主が命じれば誰にだって抱かれざるをえない。
 それにフェイルの気持ちもわかっている。
 僕を抱きたいと思っていながらも、ユーリスを介してそうするしかなかった勇者。
 それは、僕が勇者を失いたくないと思っているからだ。
 離したくない。
 だけど、勇者が欲しい。
 その矛盾した思いに答えるには、こうするしかなかった。
 それでも。
 僕の頬を涙が伝い落ちる。
 『憤怒の魔女』が優しく笑いかけた。
 「お前たちの抱えた事情は、私にはわかわらん。だが、お前たちがお互いを思いあっていることは理解できる。そんなにも思いあえる相手と出会うことなどそうそうありはしないだろう」
 僕は、すん、と鼻を鳴らした。
 愛している。
 勇者を。
 フェイルを。
 だから。
 失うことなく彼を感じるためには、こうするしかなかった。
 わかっているんだ。
 それでも。
 やり場のない思いに僕は、深いため息をつく。
 
 
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