転生DKは、オーガさんのお気に入り~姉の婚約者に嫁ぐことになったんだが、こんなに溺愛されるとは聞いてない!~

トモモト ヨシユキ

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4 舞踏会の夜

4ー9 襲撃者

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 4ー9 襲撃者

 凄まじい地響きがしてなんども炎の柱が夜空に向かって伸びるのが見えた。
 サハード公爵の使う炎属性の魔法は、あまり土属性のゴーレムとは相性がよくない。
 しかし、圧倒的な力を持ってすれば動きを封じるぐらいのことは可能な筈だ。
 俺は、周囲に視線を走らせる。
 いったい誰がラナン殿下の命を狙ったのか?
 おそらく魔王国との和平を拒絶している連中のしわざだろうが。
 俺は、視覚の隅に何かが見えたような気がして目をこらした。
 俺たちの側の空間が歪んで黒ずくめの人物が姿を現した。
 「誰だ?」
 「私は、『終末機関』より遣わされた聖騎士マグダ。貴様は、シャル・アルマ・コンティーヌだな?」
 「そうだとしたら?」
 俺は、ラナン殿下たちを背後にかばいながらその黒ずくめの男に訊ねた。
 黒ずくめの男は、低い不気味な笑い声をあげた。
 「ふくくっ。売国奴の一味が。本来ならもっとはやくお前を殺しておく予定だったんだがな。まさか、こんなに強力な魔法使いになるとは思いもしなかったよ」
 はいっ?
 俺は、警戒レベルを上げた。
 もしかしてこいつらの狙いは、ラナン殿下ではない?
 てか、俺が目的なの?
 「なら、話がはやい」
 俺は、すっと手を上げて男をロックオンする。
 俺の周囲に光輝く白銀の魔方陣がいくつも現れる。
 「こんなことをしてただですむとは思ってないだろうな」
 白銀に光る魔方陣から次々に氷の刃が出てくる。
 「切り裂かれて地に沈むがいい!」
 氷の刃が黒ずくめの男を切り刻もうと襲いかかった。 
 男は、土の障壁で防ごうとするが防ぎきれる数ではない!
 「こ、これはっ!」
 男が無数の氷の刃に切り裂かれる。
 「ぎゃあぁっ!」
 崩れ落ちる襲撃者を見下ろすと俺は、サハード公爵が戦っているだろう方を見た。
 講堂は、燃え上がり辺りが煌々と照らし出されている。
 公爵は、大丈夫だろうか?
 小さな雪だるまたちが倒れた襲撃者を氷の蔦で縛って行くのを見下ろして俺は、ふん、と鼻を鳴らした。
 ゴーレムを操っていたのがこの男なら直にゴーレムは止まるだろう。
 俺は、燃え盛る講堂の方を見た。
 そろそろ火消しした方がいいかな?
 俺がそう思っていると、炎の中から一人の人影が現れる。
 明け方の空のような紫紺の髪をなびかせて、額には、2本の立派な角をいただいたオークが立っていた。
 燃えるような赤い瞳。
 俺は、胸が騒ぐのを感じていた。
 よかった。
 無事で。
 俺がホッとしているとそのオーガは、俺に静かに歩み寄るとその手を俺の頬に伸ばして触れた。
 「シャル」
 微笑みを浮かべたサハード公爵の胸を光の矢が射るのが見えた。
 声も出せないまま、俺は、倒れてくるサハード公爵を両手で受け止める。
 なんで?
 どうして?
 「フィオール!」
 ラナン殿下の悲鳴のような叫びが聞こえた。
 
  
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