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4 魔王様は、お年頃
4ー4 『カピパランド』だよ!
しおりを挟むいよいよ『カピパランド』のオープンの日がやってきた。
つまり、カンパニュラの街の街開きの日でもあった。
その日、僕とオルガと兄さんたちは、客として人々に混ざって街へと入っていった。
僕たちは、身分を隠してあくまでもただの客として街のホテルに部屋をとり『カピパランド』に入場した。
「ドキドキするな、ユヅキ」
オルガが魔法学園の紺の上着とスカートという制服姿で猫耳のカチューシャをつけて言った。
うん。
僕もドキドキしていた。
この娯楽の少ない世界にアミューズメントパークを作りたいと思ったのは、この世界の子供たちが学校にも行けずに子供の頃からずっと働いていることを知ったからだ。
もっとみんなに幸せになってもらいたい。
僕は、それで『カピパランド』を作ることにしたんだ。
入場口付近には、人だかりができていた。
賑やかなファンファーレが鳴り響き、一斉にゲートが開かれる。
入場口を入っていく客たちの前にプーティのキャラ『カピパラ』くんの着ぐるみをきたスタッフたちが現れ、楽しいダンスでみんなを迎えた。
それから僕たちは、いくつかのアトラクションに搭乗してみたけど、ジェットコースターにしろ、何にしろ、魔法を使ってのアトラクションは、完成度が半端ないな。
本物の夢の国だな。
僕は、魔法で動くメリーゴーランドにオルガと乗りながら思っていた。
これらのアトラクションには、核となる魔石があり、それに僕が魔法の回路を刻んで巨大な魔導具として作り上げていた。
スタッフが魔力を流すことによって、アトラクションは、動くのだ。
僕は、人々が驚いたり、歓声をあげたりしている姿を見て、ほんとに嬉しかった。
オルガが何度も僕とジェットコースターに乗ろうとするのだけは、いただけなかったけどな。
僕は、実は、こういう乗り物は苦手だった。
3回目までは、付き合っていたけど、4回目からは、僕は、ベンチで待っていることを選んだ。
仕方なくオルガは、ナツキ兄さんと2人でジェットコースターに乗っていた。
僕とハヅキ兄さんは、ベンチで休んでいた。
ベンチに座って楽しそうに行き交う人々のことを眺めているだけで、僕は、幸せだった。
僕は、カピパラのぬいぐるみを抱いた恋人同士と思われる二人組に目を止めた。
少し。
女の子の横顔がマチカに・・マリアンヌに似ている。
どうやら女の子が何やら駄々をこねているようだった。
「ダメですって、ま・・アルゼンテさ・・いや、アルゼンテ、そんなワガママ言わないで」
「何がワガママやねん。うちは、ただ、もう一日、ここで遊んでいきたい言うとるだけやないか!」
黒髪を三つ編みにした女の子が言う。
あれ?
関西の人?
女の子が頭を振って叫んだ。
「うちの言うことがきけへんのんか?ルヒテル」
「しかし、ま・・いや、アルゼンテ。我々は、この『カピパランド』の入場券を手に入れるのが精一杯で宿までは、予約できなかったのですよ」
「せやけど」
女の子が涙ぐんだ。
「もう、2度と来れへんかもしれへんねんで」
僕は、ハヅキ兄さんと見つめあっていたが、兄さんに向かって頷いた。
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