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4 魔王様は、お年頃
4ー6 プロポーズ?
しおりを挟む「な、何、これ?」
僕が思わず声をあげると、アルゼンテが面白そうに笑い声をあげた。
「なんや、知らんかったんか?魔族の女に守り石をくれいうんは、プロポーズやねんで」
ぷ、プロポーズ?
僕は、信じられない思いでアルゼンテを見つめていた。
アルゼンテは、にこっと笑った。
「これで、うちらは、もう他人やない。婚約成立、や」
光が消えていく。
僕は、自分の首もとに触れてみた。
うん。
何も変化はないな。
「何もあらへんけど、契約の首輪はあるんやで。それでもって、契約を破ったときは、首輪がしまって裏切り者は、死ぬことになるねんで。よう、覚えときや、ユヅキはん」
はい?
どういうこと?
ハヅキ兄さんがアルセンテに向かって吠えた。
「貴様、魔族か?」
「そういうあんたさんも、お仲間やろ?」
2人は、睨みあっていた。
僕は、きょろきょろと辺りを見回した。
通りすがりの人たちの視線が痛い。
「とにかく」
僕は、言った。
「ホテルの部屋で話そう」
「お前たち、俺の弟を騙して嵌めたな?」
ハヅキ兄さんが今にも喰い付きそうな様子でアルゼンテとルヒテルに言った。
僕らは、ホテルの最上階にあるスウィートルームの中のリビングでソファに座って向き合っていた。
ナツキ兄さんは、面白そうに見てるし、カヅキ兄さんは、興味なさげに腰かけてオルガと『カピパランド』のパンフレットを見ながら明日乗るアトラクションの話をしていた。
「騙したなんて人聞きの悪い」
アルゼンテは、少しも悪びれることなく言った。
「うちは、ユヅキはんがうちの魔石を欲しがったさかいに、ええよって言うただけやし」
「知らなかったんだよ!」
僕は、言った。
「魔石をもらうことがプロポーズになるなんて」
というか。
なんで、魔族がこの国に入り込んでるの?
「アルゼンテ様、どうされるおつもりですか?」
ルヒテルが問うと、アルゼンテがくすっと笑った。
「せやなぁ、うちは、ユヅキはんのこと、気に入ったさかいに魔石を贈ったんやで」
はい?
僕は、目を丸くしてアルゼンテを見つめていた。
ルヒテルが言った。
「しかし、相手は、人間ですよ。ま・・アルゼンテ様」
「ええやないか」
アルゼンテが答えた。
「うちは、かまへんで」
「あの・・」
僕は、2人に訊ねた。
「僕は、あなた方が魔族だということも知らなかったんです。失礼は、お詫びしますから、その、婚約とかは、なかったことにしてもらえませんか?」
「あかんな」
アルゼンテが言った。
「うちは、これでも魔王やさかい、一度、婚約したもんを取り消すことはできへんわ」
はい?
僕たちは、一瞬、凍りついた。
魔王ですと?
「わぁっ!」
ルヒテルが立ち上がって叫んだ。
「なし、です!今の、なし!」
「何がや、アホウ!」
アルゼンテが冷ややかな目でルヒテルを見た。
「このうちが気に入ったいうとるんや。どないしてもユヅキはんは、魔界に連れていくで」
ええっ?
マジですか?
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