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8 愛は、死にますか?
8ー6 生命の書、現る
しおりを挟むオークさんが立っていた後ろに扉があるのに、僕らは気づいた。
僕は、歩み寄るとそのドアノブへと手を伸ばした。
ドアノブに触れた途端に、僕の体に電流のようなものが流れた。
『なぜ、ここにきた?』
何かが僕に話しかけてきたのがわかった。
アリアの方を見ると、アリアにも、この声が聞こえている様だった。
僕は、答えた。
「あの・・暇だったから・・」
『はい?』
声の主が驚愕を隠せずに言った。
『暇って・・こんな地下の人の近寄らない場所に来た理由が、暇って・・まあ、いいわ。我が眠りを妨げるものには、みな、我が餌食となってもらう』
「餌食?」
僕は、訊ねた。
「餌食って・・具体的には?」
『それは・・』
声の主が焦った様子で言った。
『魂を喰らい、その肉体を永劫の闇の中へと閉じ込めてやろうか』
「ええっ?」
僕は、言った。
「ゾンビになっちゃうってこと?」
「・・それは、嫌だな・・」
アリアが言ったので、僕は、声の主に言った。
「却下で。別の案は?」
『べ、別の案、だと?』
声の主が言った。
『ならば・・』
僕らは、そのままずっと声の主の提案を却下し続けた。
最終的には、声の主が、こう提案した。
『お前たちを裸に引き剥いて、ちょうどいい感じの暖かいお湯につけて、ふやかし、垢をすって、そのあげくに身体中を心地よくもみほぐしてやる!』
「仕方がないなぁ。どうしても何かしたいんだな。じゃあ、それで、いいよ。お願いします」
僕が言うと、声の主が溜め息をついた。
数十分後。
僕らは、突然現れた風呂に入ると、汗を流し、なんだかわからないけど黒い影のような人々に全身の垢擦りをされて、マットの上に横たわって、マッサージを受けていた。
『おかしい・・なぜ、こんなことに・・』
声の主が言うのを、僕らは、半分寝ながらきいていた。
すべてが終わって、元通り、服を着込むと、僕とアリアは、もう一度、ドアへと向かった。
「じゃ、開けるよ?」
『いや・・やめてぇっ!』
声の主が悲鳴をあげた。
『どうか、お願いします。なんでも言うことをきくから、そこは、開かないで!』
「なんでだよ?」
僕が聞くと声の主は、半泣きで言った。
『そこは、我の弱点である本体があるのだ』
「そうなんだ」
僕は、ほいっとドアノブを回してドアを開いた。
『いやぁあぁあっ!!』
そこには、一冊の古い誇りを被った本があった。
「えっ?これって、もしかして?」
「ああ。『生命の書』だな」
僕らに見つけられて声の主は、しくしく泣きながら言った。
『だから、嫌だって言ったのに・・酷い』
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