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9 いつか、そのときが
9ー3 結婚式
しおりを挟む春になって、帰国した新しい女王であるアリアをみな、歓迎した。
僕は、やっと普通の生活に戻れると思って、ホッとしていた。
だが、それも、宰相のセイル老が「そろそろ、婚約者との結婚をされるべきではないか?」
とか、言い出すまでのことだった。
僕は、三人の婚約者がいたけど、その中から誰か1人を選ぶつもりという軽い気持ちで婚約していた。
だけど。
時が経つにつれ、この3人の誰1人として手放すことができなくなっていることに気づかされていた。
だけど、アリアは、新しい女王となる人だ。
僕は、王配として相応しくはない。
そういって、僕がアリアとの婚約を解消しようとしたとき、僕に抗議したのは、オルガとアルゼンテだった。
「なんや、そんな器の小さいお人やったんか?ユヅキはん」
「アリアは、女王になるけど、女の子としても幸せにならなきゃダメだよ!」
僕も、アリアのことは、好きだ。
だけど、王配に他に妻がいては不味いんじゃないか?
「そないなこと、気にせんとき!」
アルゼンテが言った。
「うちかて、魔王やけど、ユヅキはん以外の男はんと結婚なんかしとうないし!」
「俺だって、ユヅキ以外と結婚なんてしたくない!だけど、ユヅキは、俺だけのものにできるような小さい男じゃないし」
オルガも言った。
「俺たちは、4人で家族なんだからな!」
そういうわけで、僕は、この春、3人の婚約者と同時に結婚することになった。
ホブゴブ、こと、アリシア・ホブエスは、美の伝道師として燃えに燃えた。
僕の3人の花嫁を完璧に磨きあげるために、すべての他の予約を断った。
そして、ホブゴブは、僕の3人の花嫁を完璧に仕上げた。
もちろん、『カンパニュラ』グループのアパレル部門を率いるアリーとフローラさんたちも黙ってはいなかった。
2人は、オートクチュールの花嫁衣装を用意してくれた。
そして、僕たちの結婚式は、全世界にラジオ放送され、その中で、世界の歌姫サリアが歌を歌うことになっていた。
世界中がお祭り状態だった。
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