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1ー6 聖者
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1ー6 聖者
僕は、焼き終えてから少し冷ましたくるみ入りチョコレートケーキを一切れ切り分けると紅茶と一緒にオーナーに差し出した。
「あら、美味しそうね」
きれいに切り分け白いお皿にのせて上に砂糖漬けのくるみを飾ったケーキをみてオーナーは、にっこりと微笑んだ。
「これ、カフェの商品にするのね?いいんじゃないかしら」
「ありがとうございます!」
褒められて嬉しくて。
ご機嫌だったから。
僕は、ケーキをそっと紙で包んで店の前でオーナーを警護しているグレイシス様にも差し出した。
「これ、よかったらどうぞ」
あのプロポーズの一件から当分店に出禁をくらったグレイシス様に僕は、そっけなく告げるとすぐに店の中に引っ込む。
なんだか胸がどきどきする。
顔も熱くて。
オーナーは、そんな僕に目を細めている。
「犬もいいけど、かわいい子猫ちゃんもいいかもしれないわね」
思わず背筋がぞくっとする。
いや。
僕は、子猫ちゃんじゃないし!
「それより王宮の方は、どうなってますか?」
僕は、話を変えようと話しかけた。
オーナーは、顎に指先をあててちょっと考え込んだ。
「そうねぇ。聖者様は、あなたに会いたがってるけど、回りの連中は、聖者様とあなたを会わせたくないみたい」
僕は、カフェの台所に戻ると自分の分のケーキを切り分けてからお茶をいれる。
「僕と会わせたくない?」
「ええ」
オーナーは、お茶を一口飲んでカップの縁を指先できゅっと拭う。
「歴代聖者様は、このグランティス王国の王太子の妃になることになっているから」
マジで?
僕は、目が飛び出しそうになるほど驚いていた。
だって、あの総一郎が?
アレクセイ王太子殿下の妃になる?
「無理だと思います」
僕は、ちょっと昔のことを思い出して顔を曇らせる。
「総一郎は、その、そういうの受け入れられないと思います」
「受け入れられない?」
オーナーがちらっと僕を上目使いに見る。
僕は、こくりと頷いた。
「総一郎は、同性とそういう関係になることを許せない人なので」
僕は、うつ向いて唇を噛んだ。
オーナーがふぅん、と僕を面白そうに見る。
「聖者が男がダメ?それは、ゆゆしき問題ね」
オーナーがふっと吐息を漏らした。
「聖者の癒しにしろ浄化の力にしろ、とても魔力が必要なの。だから、聖者は、この国でもっとも魔力保持量の多い王族と結ばれることになっているのよ。それが、無理となると、ね」
「どうなるんですか?」
僕が問うとオーナーがにこっと笑った。
「どうにも。聖者に王族を受け入れさせる方法なんていくらでもあるし。心配しなくても大丈夫よ、アイ」
僕は、焼き終えてから少し冷ましたくるみ入りチョコレートケーキを一切れ切り分けると紅茶と一緒にオーナーに差し出した。
「あら、美味しそうね」
きれいに切り分け白いお皿にのせて上に砂糖漬けのくるみを飾ったケーキをみてオーナーは、にっこりと微笑んだ。
「これ、カフェの商品にするのね?いいんじゃないかしら」
「ありがとうございます!」
褒められて嬉しくて。
ご機嫌だったから。
僕は、ケーキをそっと紙で包んで店の前でオーナーを警護しているグレイシス様にも差し出した。
「これ、よかったらどうぞ」
あのプロポーズの一件から当分店に出禁をくらったグレイシス様に僕は、そっけなく告げるとすぐに店の中に引っ込む。
なんだか胸がどきどきする。
顔も熱くて。
オーナーは、そんな僕に目を細めている。
「犬もいいけど、かわいい子猫ちゃんもいいかもしれないわね」
思わず背筋がぞくっとする。
いや。
僕は、子猫ちゃんじゃないし!
「それより王宮の方は、どうなってますか?」
僕は、話を変えようと話しかけた。
オーナーは、顎に指先をあててちょっと考え込んだ。
「そうねぇ。聖者様は、あなたに会いたがってるけど、回りの連中は、聖者様とあなたを会わせたくないみたい」
僕は、カフェの台所に戻ると自分の分のケーキを切り分けてからお茶をいれる。
「僕と会わせたくない?」
「ええ」
オーナーは、お茶を一口飲んでカップの縁を指先できゅっと拭う。
「歴代聖者様は、このグランティス王国の王太子の妃になることになっているから」
マジで?
僕は、目が飛び出しそうになるほど驚いていた。
だって、あの総一郎が?
アレクセイ王太子殿下の妃になる?
「無理だと思います」
僕は、ちょっと昔のことを思い出して顔を曇らせる。
「総一郎は、その、そういうの受け入れられないと思います」
「受け入れられない?」
オーナーがちらっと僕を上目使いに見る。
僕は、こくりと頷いた。
「総一郎は、同性とそういう関係になることを許せない人なので」
僕は、うつ向いて唇を噛んだ。
オーナーがふぅん、と僕を面白そうに見る。
「聖者が男がダメ?それは、ゆゆしき問題ね」
オーナーがふっと吐息を漏らした。
「聖者の癒しにしろ浄化の力にしろ、とても魔力が必要なの。だから、聖者は、この国でもっとも魔力保持量の多い王族と結ばれることになっているのよ。それが、無理となると、ね」
「どうなるんですか?」
僕が問うとオーナーがにこっと笑った。
「どうにも。聖者に王族を受け入れさせる方法なんていくらでもあるし。心配しなくても大丈夫よ、アイ」
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