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1 異世界でスカウトされました!
1ー8 過去
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1ー8 過去
「なんで?」
気がついたら僕は、拳を握りしめて震えながら総一郎の背に問いかけていた。
「なんで、お前が泣くんだよ?」
泣きたいのは、僕の方なのに!
その僕が泣けないでいるのに!
なんで、僕を拒む総一郎が泣くんだ?
僕の問いに総一郎がゆっくりと振り向いて。
何かを言おうとした、そのとき。
僕たちの足元が白く輝いて。
気がついたら僕たちは、異世界にいた。
「おおっ!」
その場にいた人々がどよめく。
「なんと美しい聖者様だ!」
うん。
確かに総一郎は、美形だ。
さらさらの金髪に青い瞳。
黙っていれば北欧の王子様って感じ。
だけど、口を開くとただの日本人だ。
総一郎は、父親がスウェーデン人のハーフなんだけど、子供の頃に両親が離婚して母親1人に育てられた生粋の日本人だ。
ちなみにスウェーデンの言葉どころか英語すらしゃべれない。
だから、外見のことで騒がれることにコンプレックスを持っててすごく嫌がるんだ。
召喚された時も、王宮の人たちから口々に「美しい」とか言われてすごくご機嫌斜めになっていた。
そんなことより僕は、総一郎が何か言いかけていたことが気になっていたんだけど。
でも、僕たちは、王宮の人たちの手で別たれてしまい、二人っきりで会うことは許されなかった。
聖者として召喚された総一郎は、特別な存在で。
けど、僕は、違った。
魔力もほとんどない僕は、王宮の人たちから『聖者のおまけ』とか言われて厄介者扱いされることとなった。
そうして、今に至る。
僕は、部屋の窓辺に立って夜の闇に浮かび上がる王城を見つめていた。
聖者は、女神の御使いとして数十年に一度召喚されるのだと聞いている。
そして、総一郎は、歴代の聖者の中でも群を抜いて美形らしい。
でも、なかなか聖者としての力の制御ができないんだとか。
それもあってホームシックになったとかで、僕にもとの世界の食事をつくるようになんて命令が下された。
僕が調理した食事を食べるようになって総一郎の聖なる力は、落ち着いたと聞いていた。
王宮の厄介者だった僕は、食事のレシピを奪われてすぐに調理場を追われて、その後は、王太子殿下にスカウトされて王宮を出たから今の総一郎がどうなってるのかはわからない。
だけど。
しっかり者で頭もいい総一郎のことだからきっと王宮の人たちともうまくやっているんだろう。
僕は、小さなため息をついた。
総一郎は、僕なんかとは違う。
いつだって主人公は、総一郎みたいな人なんだ。
僕みたいな万年モブとは違うんだ。
僕が心配してやる必要なんてない。
「なんで?」
気がついたら僕は、拳を握りしめて震えながら総一郎の背に問いかけていた。
「なんで、お前が泣くんだよ?」
泣きたいのは、僕の方なのに!
その僕が泣けないでいるのに!
なんで、僕を拒む総一郎が泣くんだ?
僕の問いに総一郎がゆっくりと振り向いて。
何かを言おうとした、そのとき。
僕たちの足元が白く輝いて。
気がついたら僕たちは、異世界にいた。
「おおっ!」
その場にいた人々がどよめく。
「なんと美しい聖者様だ!」
うん。
確かに総一郎は、美形だ。
さらさらの金髪に青い瞳。
黙っていれば北欧の王子様って感じ。
だけど、口を開くとただの日本人だ。
総一郎は、父親がスウェーデン人のハーフなんだけど、子供の頃に両親が離婚して母親1人に育てられた生粋の日本人だ。
ちなみにスウェーデンの言葉どころか英語すらしゃべれない。
だから、外見のことで騒がれることにコンプレックスを持っててすごく嫌がるんだ。
召喚された時も、王宮の人たちから口々に「美しい」とか言われてすごくご機嫌斜めになっていた。
そんなことより僕は、総一郎が何か言いかけていたことが気になっていたんだけど。
でも、僕たちは、王宮の人たちの手で別たれてしまい、二人っきりで会うことは許されなかった。
聖者として召喚された総一郎は、特別な存在で。
けど、僕は、違った。
魔力もほとんどない僕は、王宮の人たちから『聖者のおまけ』とか言われて厄介者扱いされることとなった。
そうして、今に至る。
僕は、部屋の窓辺に立って夜の闇に浮かび上がる王城を見つめていた。
聖者は、女神の御使いとして数十年に一度召喚されるのだと聞いている。
そして、総一郎は、歴代の聖者の中でも群を抜いて美形らしい。
でも、なかなか聖者としての力の制御ができないんだとか。
それもあってホームシックになったとかで、僕にもとの世界の食事をつくるようになんて命令が下された。
僕が調理した食事を食べるようになって総一郎の聖なる力は、落ち着いたと聞いていた。
王宮の厄介者だった僕は、食事のレシピを奪われてすぐに調理場を追われて、その後は、王太子殿下にスカウトされて王宮を出たから今の総一郎がどうなってるのかはわからない。
だけど。
しっかり者で頭もいい総一郎のことだからきっと王宮の人たちともうまくやっているんだろう。
僕は、小さなため息をついた。
総一郎は、僕なんかとは違う。
いつだって主人公は、総一郎みたいな人なんだ。
僕みたいな万年モブとは違うんだ。
僕が心配してやる必要なんてない。
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