異世界カフェの雇われ店長になりました~常連の騎士様や幼馴染みの聖者の熱愛に絆されそうです~

トモモト ヨシユキ

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1ー9 お気に入り?

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 翌朝、目覚めたら枕元に模造紙みたいなもので包まれた何かが置かれていた。
 その包みには、カードがつけられていた。
 『いつもおいしい食事をありがとう』
 もしかして噂のお針子さん?
 僕は、すぐに包みを開けてみた。
 「ふわぁっ!」
 中身は、とってもかわいいドレスシャツだった。
 ブルーと白のストライプのドレスシャツ。
 僕は、嬉しくてすぐに着ていた夜着を脱ぐとドレスシャツを身に付けた。
 それは、まるで計ったみたいに僕にぴったりのサイズだった。
 ちょっと裾が長いけどセットになっていたぴたっとした黒いボトムを着ればすごくいい感じ!
 僕は、部屋の隅に置かれていた大きな姿見で自分の全身を眺めると嬉しくてにこにこしていた。
 と。
 背後に何かの気配を感じて。
 鏡越しに見えたのは、クローゼットの隙間から覗く目だった。
 「だ、誰?」
 僕が慌てて振り向くとゆっくりとクローゼットの扉が開いてメガネをかけたぼさぼさの赤毛の青年が出てくる。
 ええっ?
 隠れて見てたの?
 僕は、かなり遠浅に引いていた。
 青年は、何事もなかったかのように部屋から出ていこうとしている。
 「ちょ、ちょっと?」
 「その下着、なかなか似合ってるな」
 はい?
 青年の言葉に僕は、ぎょっとしていた。
 まさか、下着も見られたのか?
 「こ、こ、これは!」
 「アリオの下着は、全部、オーナーが買い与えたものだ」
 青年は、僕を振り向いてにやっと笑った。
 「オーナーは、気に入ったペットには、お気に入りの下着をプレゼントするんだよ。お前も、せいぜい気に入られることだな」
 「なっ!」
 僕は、顔が熱く火照るのを感じていた。
 「僕とオーナーは、そんな関係じゃ!」
 「あの人は、気に入った奴しか側には置かない」
 青年がくいっと指先でメガネを押し上げた。
 「俺みたいな職人は、別だがな」
 はいぃっ?
 僕は、去っていく青年の後ろ姿を呆然として見送った。
 オーナーが言ってた子猫ちゃんって、まさか、本気だったの?
 いや!
 そんなこと、あるわけが。
 僕は、ありふれた黒髪に黒目のどこにでもいるような人間だし!
 あんな綺麗な人が僕をどうこうしようなんてこと、考えるわけがない!
 そうであって欲しい!
 前任のカフェの店長さんとオーナーがどんな関係だったのかは、僕は知らない。
 知りたくもない。
 そして、何より、それに巻き込まれるのはごめんだった。
 
 
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