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2 魔法学園の花ですか?

2ー2 貞操帯?

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 2ー2 貞操帯?

 魔法学園に入学するにあたって婚約者である第一王女殿下からの祝いの品が届いた。
 まあ、それまでも名ばかりの婚約者とはいえ、誕生日などにはお互いに贈り物を贈っていたし。
 だが、今回は、ちょっと違っていた。
 婚約者である王女殿下からの贈り物は、たいてい当たり障りのないものだし、俺は、興味もなかった。
 だから、ロタが代わりに確認してお礼など送り返していたんだが、今回に限ってはロタも困惑ぎみだ。
 「どうしたものでしょうか」
 「何が?」
 俺が自室で筋トレをしているとロタがやってきて俺にそれを見せた。
 それは、美しい銀糸で彩られた鋼の貞操帯だった。
 はい?
 俺は、首を傾げた。
 なんで貞操帯?
 確かに、美しい少年などは、親が心配して貞操帯をさせることがあるらしい。
 だが、なんで俺?
 何度も言ってきたが、この世界の美的観念からしたら俺は、そんなに好まれる男ではない。
 そりゃ、言い寄ってくる物好きだって少なくはない。
 だけど、貞操帯をつけるほどではないし。
 俺なんかがそんなものをつけていたら笑い者にされるだけだ。
 ロタは、俺に王女殿下からの手紙を見せた。
 それによると。
 『そなたを疑うつもりはないが、そなたの身の安全のためにこれをつけて欲しい』
 俺は、手紙をロタに突き返すときっぱりと答えた。
 「そんなもん、いらねぇよ」
 「しかし、王女殿下は、オルナム様の1つ上の学年におられますから、もし、これを身につけてなければ不敬にあたると言われるかもしれませんし」
 ロタは、俺に妙に言いにくそうに告げた。
 「それに、いくらオルナム様がお強くても学園でその、無理強いされることがあってはなりませんので」
 そうなのか?
 俺は、白銀のレースで飾られた金属製の貞操帯を手にとった。
 いや。
 こんな小さいのに俺のものは、おさまらねぇんじゃね?
 だが、ロタの前でそんなことを言うのもはばかられる。
 「形だけでも王女殿下の命に沿うようにするべきなのでは?」
 「そんな、装着しているか確かめることなんてないだろ」
 俺は、貞操帯をベッドへと放り投げると筋トレを続けた。
 だが、ロタは、真剣な表情で俺に話した。
 「オルナム様は、女をなめておられますね。学園では、男は、オルナム様だけ。そんな飢えた狼の群れの中に自ら赴かれるのです。これぐらい備えておかれるべきです」
 マジで?
 俺は、ちらっと貞操帯を見た。
 「だが、俺、だぞ?王都の目の肥えた女たちが俺なんかに感心を持つか?」
 「今までだって、何度も貞操の危機があったではないですか」
 ロタが少し頬を上気させて俺に迫った。
 「オルナム様の身に何かあれば、私は、生きておれません!」
 そんな、大袈裟な。
 俺は、半笑いでロタを見た。
 が。
 ロタは、譲る気がない。
 俺は、ロタの勢いに飲まれて不承不承に頷く。
 「気が向いたらつけてやるよ」
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