死に戻り悪役令息は、魔法騎士になって無双する～男女逆転世界に転生した俺は、なぜか、王女殿下たちから溺愛されてます～

5 歴史は、繰り返す？

5ー4 パーティーへ行こう！

　５ー４　パーティーへ行こう！

　どこの学園にも言い伝えとか、ジンクスみたいなものがあるという。
　もちろん、この魔法学園にもそれはあった。
　学期末のパーティーで最後にワルツを踊ったカップルは、結ばれる。
　まあ、１５歳で成人する世界である。
　この学園のパーティーに参加するようなカップルならきっとそんな話だってあるだろう。
　俺は、母上が送ってくれた衣装を見てため息をついた。
　それは、この王都の男たちの間で流行っているという薄い紫のタキシードだた。
　襟に細やかなレースの模様がついている。
　美しい服だ。
　だが。
　俺には、似合わない。
　俺は、制服で参加することにした。
　別に学生だし制服で十分だろ。
　学期末のパーティーは、魔法学園から少し離れた離宮と呼ばれる屋敷で行われる。
　昔、ここに代々の学園長が住んでいたのだとか。
　あまりに古めかしく豪奢な屋敷なものだから今では、ここに住む学園長はいなかった。
　学期末と年末年始のパーティーのときにだけ屋敷は、開かれる。
　卒業パーティーも行われるがそれは、魔法学園の大講堂にて行われる。
　どのパーティーにも、魔法学園の面子がかかっているとばかりに生徒会が力を入れているのでこの王都でも有名なパーティーの一つとされている。
　俺を迎えに来たアウラ王女殿下は、その黒髪に映える真っ赤なドレスを身に纏い、緩く片側にまとめた髪にはバラの髪飾りをつけている。
　いつもは、化粧っけのない王女殿下だったが、今日は、薄く化粧している。
　俺は、アウラ王女殿下に微笑んだ。
　「お美しい。俺なんかとご一緒していただくのはもったいないですね」
　「心にもないことを」
　アウラ王女殿下がわずかに頬を赤らめる。
　俺は、くすっと笑ってしまった。
　「何がおかしい？」
　「いえ」
　俺は、アウラ王女殿下の方へ手を差し出した。
　「エスコートしてくださるんでしょう？」
　「あ、ああ！」
　アウラ王女殿下が俺の手をとって歩きだした。
　寮の前には小型の馬車が用意されていて俺たちは、それに乗り込んだ。
　「しかし、相変わらず色気がない男だな」
　アウラ王女殿下が制服姿の俺を眺めてため息をつく。
　「孫にも衣装だぞ。ちょっとは、着飾ってみればいいのに」