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5 歴史は、繰り返す?

5ー5 共有って、何?

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 5ー5 共有って、何?

 離宮の辺りにはパーティーに参加するために集まった着飾った女たちとその連れであるきらびやかな男たちの姿があった。
 馬車が停まりアウラ王女殿下が現れるとどっと歓声が起こる。
 次にアウラ王女殿下に手を引かれた俺が姿を現すとざわめきが起きた。
 「男のくせに騎士の真似事をしているって?」
 誰かがささやく声が聞こえる。 
 「なんでもバルトレット王女殿下とアウラ王女殿下を二股かけていたらしい」
 俺が、嫌そうな顔をしたのを見てアウラ王女殿下が俺の手を握る手のひらに力を込めた。
 「気にするな。お前は、お前だ」
 「俺は、俺って、なんですか?」
 俺が訊ねるとアウラ王女殿下が照れたように鼻の頭を指先で掻いた。
 「要するに、お前は、そのままでもいい男だってことだ!」
 アウラ王女殿下は、俺の手を引いて歩いて会場へと入っていった。
 会場の中は、光が溢れていた。
 蜜蝋に魔力を込めた蝋燭が会場中を照らしていてまるで昼間のように明るい。
 俺は、アウラ王女殿下と会場の中央へと歩いていった。
 俺たちの前の人垣がすぅっと二つに割れていく。
 その先に人影があった。
 黒いレースの美しいドレスを身に纏ったバルトレット王女殿下だった。
 「待ちかねたぞ、オルナム」
 はいぃっ?
 俺は、ちらりとアウラ王女殿下を伺い見た。
 アウラ王女殿下がそっと俺から視線を外した。
 なんだ?
 俺は、嫌な予感がしていた。
 なんで元婚約者のもとに俺を連れてきたんだ?
 この二人、いったい、何を企んでいる?
 「静粛に!」
 バルトレット王女殿下が手をあげるとざわついていた場内がしんと静かになる。
 「この場を借りて諸君らに発表したいことがある」
 ええっ?
 俺は、嫌な予感マックスだった。
 「私、バルトレット・パム・ルシナードとこの第2王女であるアウラ・パム・ルシナードは、このオルナム・フォル・エルガーナを共有の婚約者とすることとなった」
 はい?
 俺は、ハトマメだった。
 そんな話、一つも聞いてないし!
 何?
 その共有の婚約者って?
 なんですのん?
 
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