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5 歴史は、繰り返す?

5ー6 誤解です!

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 5ー6 誤解です!

 「帰ります」
 俺が踵を返そうとしたら二人の王女殿下が慌てて押し止めようとした。
 「待て!オルナム、お前が驚くのもわかる!」
 バルトレット王女殿下が俺の手を握ってすがるように俺を見た。
 「だが、私の話も聞いてくれ!頼む!」
 「私からも頼む!」
 アウラ王女殿下も頭を下げる。
 「黙って連れてきたのは、悪かった。しかし、それもお前のため。わかってくれ!」
 二人は、俺を人気のないバルコニーへと引っ張っていった。
 そして。
 「実は、な、オルナム。隣国バサーラ王国の様子が怪しい」
 「それがどうしたんです?」
 俺が冷たく聞くと二人が顔を見合わせた。
 「今、我が国にとってお前は、貴重な戦力だということはわかるか?」
 俺は、頷いた。
 この間のクィンティラ・ダンジョンでのこと。
 俺は、ロタのことで頭がいっぱいで倒した魔族の死骸は、そのまま放置していた。
 それを騎士たちが発見してしまった。
 状況から魔族を倒したのは俺と推察した騎士団は、そのことを女王に報告した。
 今、世界のどこにも魔族を1人で殺せるような騎士は、いない。
 ちょうどその頃に、隣国が戦をしようとしているとの情報が届いた。
 魔族を1人で狩れるような貴重な人材である俺とバルトレット王女殿下の婚約を破棄したばかりだった女王は、二人の王女殿下を呼び話を聞いたのだという。
 その結果。
 王女二人ともが俺との婚約を望んでいることを知り、俺がバルトレット王女殿下との婚約を破棄したのは、二人の女の間で思い悩んだ挙げ句のことと考えた女王は、俺を王女殿下たちの共有の婚約者とすることにしたらしい。
 「そんなバカなことが」
 「できるのだ」
 バルトレット王女殿下が俺に答えた。
 「過去にも1人の男を姉妹で共有した例はある」
 「姉妹で骨肉の争いをするよりは、夫を共有し仲良く暮らせとの母上よりのお言葉だ」
 アウラ王女殿下が俺をなだめるように話す。
 「私も姉上もそれでよいと納得した」
 いや!
 俺がよくないんだよ!
 俺は、口をはくはくさせて言葉を探していた。
 なんといえばこの状況をなんとかできるんだ?
 
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