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8 恋か、愛か

8ー6 魔道回路の完成

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 8ー6 魔道回路

 「しかし、危ないところでしたね」
 ロタが俺にお茶を運びながら言う。
 「まさか、あなたが時間をループしていることに気づく者がいたとは」
 「ああ」
 俺は、唸った。
 「魔族にもいろいろいるんだな」
 あの魔族の女。
 クリスティアは、やばい相手だった。
 もし、ローエルタールが助けてくれなければ、俺は、永遠にあの女の慰み物にされるところだった。
 あの女は、死なない男を探しているとか言っていた。
 きっと、男をなぶりものにしては、殺して楽しんでいた異常な奴だったのだろう。
 ともかく、これで魔王の四天王の内、3人までは、俺に倒されたことになる。
 だが。
 「別に俺は、魔族と戦いたいわけじゃないんだが」
 俺が愚痴るとロタが口許に笑みを浮かべた。
 「まあ、実質的に魔族と戦っていることになりますがね」
 ロタは、俺がお茶を飲んでいるのを見ていた。
 俺は、ロタに訊ねた。
 「お前は、お茶を飲まないのか?ロタ」
 「私は、口から食事などとる必要はありませんからね。食事をとることも出来ますが」
 ロタが答えるのをきいて、俺は、なら、どうやって生きているのかとききかけたて口を閉じた。
 たぶん、ローエルタールの食事は、相手の生命力を奪うことなのだろう。
 あのクリスティアとの戦いでローエルタールは、奴から魔力だか生命力だかを吸いとっているように思われた。
 「それで、魔道回路は、完成したのですか?」
 ロタがきいた。
 俺は、はっとしてロタを見た。
 そうだった。
 俺は、ロタとクリスティアの戦いを見ていて魔力の流れについて思い付いたことがあった。
 それを新しい人工魔道回路に組み入れてみた。
 すると、魔道回路が正常に働くようになったのだ。
 「これで、人工魔道回路は、完成したし、あとは、実際に使えるかを試してみる必要がある」
 俺は、この人工魔道回路の試験をクィンティラ・ダンジョンですることにした。
 「できればまったく魔法が使えない人物に使ってみて欲しいんだが」
 残念なことに俺の知り合いには、魔法を使えない人物なんてあまりいないのだ。
 いるとしてもそれは、兄上たちぐらいのものだしな。
 
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